ブルーマンのパフォーマー、アダム・エードッシーにインタビュー「ブルーマンは誰でもない。ブルーマンはあなた自身だから」

SPICE

2019/2/5 18:00


『ブルーマングループ ワールドツアー』が2019年5~6月、ついに日本初上陸する。アート、音楽、コメディー、テクノロジーを、参加型エンターテインメントに昇華したブルーマングループの日本公演は、約6年ぶりとなる。ブルーマングループのパフォーマーを12年間務めているアダム・エードッシーが、単独インタビューに応じてくれた。

ーー12年間ブルーマンを演じられて、ショーやキャラクターの変化を教えてください。

ブルーマンのショーは、新しい方法でずっと成長し続けています。ブルーマン、観客、ミュージシャン、クリエイターも。時間を積み重ねて、ブルーマンはあるべき姿になってきたように思います。

現実の人間社会は人と人の繋がりがなくなりつつあり、コミュニティすら失われつつあります。特に大都会ではその傾向が顕著。大勢の人々に囲まれながらも、人々は孤独を抱えている。とても奇妙な話です。そんな中で、ブルーマンは多くの人々を日常から解き放つ役目を担っています。どのように観客を誘い、巻き込み、一体感を持たせるか。一方で、観客の皆さんはそれぞれのやり方でショーを体験します。僕たちは、ストーリーを語るわけではないし、こう感じなさいと強いることもない。どう感じるかは観客の皆さんに委ねられています。

ブルーマンは、実は誰でもないんですね。なぜなら、ブルーマンはあなた自身だから。見る人の内面を投影する存在なんです。最も純粋で魅力的、最高にパワフルな存在。自分の内面がオープンになり、内なる人生を映し出す。見る人は鬱なる自分を目の当たりにするわけです。
アダム・エードッシー
アダム・エードッシー

それができるのは、言葉で説明しないから。ブルーマンのショーはノンバーバル(非言語、台詞がない)なので、観客は感覚で解釈し、即座に何が起きているのかを察知し、自分でストーリーを作ることになるんです。理屈ではなく、より深く根源的なところで繋がれる。ある意味、ブルーマングループのショーは、感覚の大規模なお祭りなんですよ

僕個人にとって最も大切なのは、毎回、異なる観客の皆さんと繋がり、異文化を学ぶことです。ブルーマンのキャラクターは、他の人々なしには成り立ちません。ブルーマンが何を考えているのか、身体表現や会話から感じて読み取ってもらう。つまり、心の交流なんです。

普段、僕たちは意外に人と交流をしていないものです。道を歩いていて、アイコンタクトしたり、会話したりってなかなかしないでしょう? ブルーマンはその窓を開けて、純粋無垢なものを取り出します。観客はどんどん自分を解放して、より多くのものとつながることができる。他人と分かち合えるようになります。

ーーお話を伺っていると、もしブルーマンが世界中にたくさんいたら、争いや戦争は無くなるかもしれませんね。

そうなったら素晴らしいですね!

ーーアダムさんはブルーマンとして、何カ国行きましたか。

数えたことないですね(笑)。12、13カ国くらいかなぁ? イタリア、サウジアラビア、ドイツ、スイス、ルクセンブルク、トルコ、オーストリア、スペイン、イギリス、日本、オーストラリアなどなどです。
アダム・エードッシー
アダム・エードッシー

ーーパフォーマンスの内容は国や反応によって変えるものですか?

パフォーマンスをしていて気付いたのですが、観客の殆どはショーの内容を変えて欲しくないと感じます。ブルーマンはとてもユニバーサルなものなので、変える必要がないとも言えますね。

最初、ブルーマンがアメリカで初演された頃、人々はブルーマンをエイリアンのように捉えていました。それがショーが続くうちに、ブルーマンはとても人間らしい! と変化していった(笑)。内容はほとんど変わらなくても、見る目が変わることで新鮮さを失わない。こんなユニバーサルなコンテンツは稀だと思います。変化をつけるとしたら、音楽でしょうか。いつもその土地で知られる小さなメロディを取り入れているんです。日本なら、「あ、ドラえもんだ!」みたいな(笑)。聞いたことがある曲だと、観客から手拍子が起きたりと盛り上がるし、演じる僕たちもその土地の文化に触れられて、とても楽しいです。

あと興味深いのは、ブルーマンのコミュニティです。ショーはパフォーマーだけでなく、ミュージシャン、裏方スタッフなど多くの人々が関わっています。一度ブルーマンに関わると長く手がける人が多く、世界中にいます。日本にも旧知のスタッフ、メイクさん、照明の人などがいて、まるでファミリーです。個性的でアーティスティックで奇妙、そんなコミュニティが世界中にあるんです。とても力強いコミュニティが支えてくれていますね。
アダム・エードッシー
アダム・エードッシー

ーー今、ブルーマンは何人ですか?

ショーに登場するのは3人です。一つのショーに付くブルーマンのパフォーマーは大体6人。ツアーでは4人がローテーションで演じます。ラスベガス公演は回数が多かったので、8人付きました。

ーーもしブルーマンになりたい人がいたら、何をしたらブルーマンになれますか。

オーディションがありますよ! 私たちはいつもブルーマンを探しています。一番大事なのは、身長が高いこと! 僕は178センチで一番背の低いブルーマンです。スキルとしてはドラムや他の楽器ができたらいいですね。だけど、オーディションではスキルより、あなたがコミュニティで何者か? といった一緒に働く上で、どんな人間なのかが問われます。それが一番重要なこと。また、オーディションで大事なのは、楽しむこと、自分自身の内面を見せること、複雑な音楽や装置を遊び、学ぶことです。オーディションは、いわばブルーマンのコミュニティの体験。自分自身を発揮して、他のキャストに与え、全員が素晴らしい体験を共有できればOK。ショーと同じですね。資質さえあればどんな人でもいつでもなることができます。

ーーアダムさんはこれからもブルーマンを続けていきたい?

ブルーマングループの公演はいつも新鮮で、旅が多い。僕は旅行が大好きだから、ぴったりです。身体で感じるパフォーマンスや音楽は、面白いし独特で楽しい。飽きることはありません。ずっとブルーマンとして、体に気をつけながら頑張ります!

ーー日本のファンにメッセージをお願いします。

アメリカ、ヨーロッパ、中東など、世界中でブルーマンを演じられて光栄です。特に日本は僕にとって特別な場所。再び上演できて嬉しいです。これまで市川猿之助さん(当時は市川亀治郎)、鼓童など、様々なアーティストともコラボしました。昔ながらの要素と新しい要素を織り交ぜ、前回の日本公演の後に生まれたものもあります。日本の皆さんと分かち合い、どんな反応になるのか楽しみです。ぜひご覧ください!
アダム・エードッシー
アダム・エードッシー

Message from BlueMan

取材・文=三浦真紀 撮影=福岡諒祠

当記事はSPICEの提供記事です。

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