それでもハイヒールを履きたい女性たちに朗報…痛くない&疲れない画期的商品が販売


 8割の女性が、靴で痛い思いをしている。株式会社リビングくらしHOW研究所の調査で明らかになったのは、女性が足の痛みなどを理由に、泣く泣く選べる靴を制限されている事実だった。

●スニーカー流行に隠れたヒールへの憧れ

「ハイヒールが、職場ではなかば義務化されている」

そんな批判もあってか、ここ数年でスニーカーが一気に広まった。通勤電車ではスニーカーやローファーの女性が目立ち、ピンヒールでカツカツと歩く女性は少数派。数年前なら考えられなかった、フラットシューズのトレンドが来ている。

その一方、ヒールへの憧れが消えたわけではない。同調査では、「月1回以上ヒールのある靴を履くことがあるか」と聞いた。そこで「ない」人の43.4%がヒール靴を「本当は履きたいが履いていない」と答えている。履かない理由の1位は「妊娠中または子供が小さいから」というやむを得ない理由。しかし次点に挙がったのは、「足が疲れるから、痛いから」という切ない事情だった。

●外反母趾や扁平足で加速するヒールの痛み

実は、日本人の半数近くが外反母趾に悩んでいる。外反母趾とは、足の親指が人差し指のほうへ向かって曲がってしまう疾病のこと。靴擦れや足の痛みの原因となり、重症者には手術が必要だ。筆者も外反母趾に悩むひとりで、手術をしたがそれでも履ける靴は少ない。

やや古いデータだが、2008年の大学生に実施した調査では、男性の56.0%、女性で50.0%に外反母趾が認められた。また、土踏まずが平坦で足が疲れやすい扁平足の有病者率は、男性で22.0%、女性で33.3%にのぼった。

ヒールはつま先に負担がかかりやすく、外反母趾や扁平足の人は長時間履くことが厳しい。これらの調査に鑑みれば、足の痛みを訴えヒールを避ける女性がいることも想像にかたくない。

●それでもヒールが憧れとなる理由

それでもヒールが憧れの対象となる理由はいくつかある。女性には自明だが、男性読者向けに少し解説させていただくと、まず、デザインの豊富さだ。ヒールと一口にいっても、靴底すべてがヒールとなっているウェッジソール、太いヒールで力強い印象を与えるチャンキーヒール、地面へ針を突き立てるように細いピンヒール、ルイ15世の時代に流行したことで知られる付け根が太いルイヒールなど、デザインに無限の可能性がある。

そのデザイン性の高さから、シューズデザイナーはこぞって新しいデザインを切り開いてきた。だからファッショニスタであればあるほど、ヒールは魅力的に映る。ファッションや美容業界では、ユニセックスな男性がヒールをおしゃれの一環として選ぶほどだ。

そして脚が細く見えることも、ヒールだけができることだ。ヒールを履けば、単純に「脚」ととらえられる部分が長くなる。脚の長さが伸びれば、そのぶん脚は細く見えるのだ。特に身長が低い、足が短いといった悩みを持つ女性ほどヒールに憧れる。

「でも痛すぎて履けない。職場で強制されたら耐えられない。でも履きたい気持ちはある」

これがヒールを望む女性が抱えるジレンマである。

●企業努力による「痛くないヒール」の登場

シューズメーカーも、この状況をただ手をこまねいて見ていたわけではない。憧れのヒールへ手が届くよう、さまざまなヒールが生まれてきた。

大手百貨店のマルイは『ラクチンシリーズ』と称し、履き心地のよいヒールを提供している。2010年に発売以来、累計370万足を売り上げた大ヒットシリーズとなった。卑弥呼の『ウォーターマッサージ』、三越伊勢丹の『エヌティ ユアパンプス』など、履き心地を売りにしたヒールが次々に登場している。

だが、筆者による消費者調査では、いずれもあまり芳しい結果を得られていなかった。ある20代女性はこう語る。

「いまの楽なヒールって、どれもデザインがダサすぎるか、足が結局痛くなるかでした。コンフォート、楽ちんなんて言われても、どうせ長時間履いていたら痛くなっちゃうんです。最近はそんなものかな、ってあきらめてヒールはなるべく履かないようにしてます。結婚式みたいに、どうしようもないときは式の途中だけ履いて、終わったらすぐフラットに履き替えてますね」

また、30代女性もこう語った。

「履きやすいって言われても、信じられないですね。どうせ痛いでしょって思います。中敷きが入っているやつは歩きやすいんですが、内側がボコボコしてて見栄えが悪い。お座敷に上がるような会では履けないですよね」

●履きやすいヒールへ……老舗の新たなる挑戦

この現状を乗り越えようと、さらなる企業努力は続く。1953年創業の老舗、株式会社アカクラでは「ボロネーゼ製法」を取り入れたハイヒールを開発。歩いても、走っても疲れない5cm以上のヒールを実現した。

ボロネーゼ製法とは、柔らかい革を袋仕立てにして作る製法。足を包み込むような履き心地が特長だ。この技術を用いると、通常の靴ではありえないほどの柔軟性を実現できる。

この靴は1万円台ながら「走っても痛くない」ことが強みであり、「長時間履いても疲れない」を超えた、忙しいビジネスパーソンの期待に応える商品となっている。ほかのブランドでは高級靴ブランドPELLICOが履き心地の安定感から「走れる8cmヒール」と称えられている。

これまでクリスチャン・ルブタンやマノロ・ブラニクがけん引してきた「足が痛くても履きたくなる」ヒールの時代は終わり、「走れるヒール」に消費者は目を向けていくだろう。
(トイアンナ/ライター、性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事)

当記事はビジネスジャーナルの提供記事です。

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