「まんぷく」94話「世の中の主婦を楽にさせてあげたい」萬平さん、ラーメン実食へ

エキレビ!

第17週「ラーメンだ! 福子!」 第94回 1月23日(水)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邊良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎


94話のあらすじ
家で食べることのできる“ラーメン”を作ろうと思い立った萬平(長谷川博己)は、福子(安藤サクラ)といっしょに屋台のラーメンを食べて研究をはじめる。
やがて、福子のぬか漬けの話から萬平は「一夜漬けラーメン」という構想を思いつく。

「このラーメン、家でつくれますかね。家で簡単にぱぱっと」
「ラーメン!」と手を打って大きな声で言ったあと「ラーメンだ」とちょっとウィスパー気味で声を落として、印象に残す。長谷川博己さんの自在のラーメン活用を楽しませてもらいました。

さっそく、屋台にラーメンを食べにいく、萬平と福子。
ここで萬平さんの困ったところが炸裂。いきなり学習モード。福子が屋台のおじさん熊倉源三郎(松竹新喜劇の渋谷天外)をのせてしゃべらせて、それをメモる。聞き方もカチカチしていて、どう考えても同業者がスパイに来たみたいです。
スープは秘伝。しかも、ラーメン屋の親父さん、戦後、家族をなくして、孤独ななか、一生懸命、ラーメンをつくって12年という苦労話を聞きもしない萬平さん。「このラーメン、家でつくれますかね。家で簡単にぱぱっと」なんて言う。福子は困った顔をしながらも、萬平に協力します。
喜劇といえば喜劇なんですが、賛否両論を起こそうと狙っているとも思える描写で、萬平の態度はいかがなものかと思う視聴者が現れることは容易に予想できるでしょう。
ですが、「まんぷく」は、世良(桐谷健太)が塩の売上をくすねたこともスルーし、他人の利益をかすめとることも生きるためには仕方ないという世の真実を描いていると思われますから、まったくブレていないのです。
かすめとっても結果的にもっといいことになって、人のためになるなら良し。いわゆる「換骨奪胎」です。
まさに「まんぷく」が、すでにある安藤百福の書籍や「プロジェクトX」でやった「82億食の奇跡」というドキュメンタリーなどから換骨奪胎しているドラマだと思われます。
先日のレビューで「転んでもただでは起きるな!」という本の表紙を紹介しました。このなかに安藤百福の年表がありまして。
「戦後、食べ物がなく栄養失調で亡くなる人を見て、食の大切さに目覚める。大阪梅田の闇市でラーメン屋台に並ぶ行列を見る。これがチキンラーメン開発の原風景となる」とあります。「まんぷく」はこの一文でできていると言っても過言ではありません。
「信用組合倒産、理事長として責任を問われ、財産没収。大阪池田市にあった借家の家財道具にも赤紙を張られ、無一文に」
ほら、これも。これ以上でもこれ以下でもない、モデルの公表されている部分以外によけいな創作をいっさいつけず、足すのはちょっとした日常会話のみ。なんたる気遣い、なんたる技巧! これぞ82億食の奇跡!

…さて。目下、萬平以外は、家で作るラーメンの必要性を感じていませんが、天才萬平だけはもやもやとその可能性を感じています。福子が萬平のもやもやを引き出して整理する役割なんでしょう。
小さなボートで大海を漕ぎ出す、男の浪漫と理解を示すのはパーラー白薔薇のアキラ(加藤雅也)。あと、ひたすら萬平を崇拝している「萬平おじちゃん好きにもほどがある」(by吉乃)神部(瀬戸康史)。
長谷川博己が神経質そうに萬平を演じている分、加藤雅也と桐谷健太と瀬戸康史が明るく無邪気な空気を作ってバランスをとっています。とりわけ加藤と桐谷は関西の人のトーンの明るさが自然。関西の人は言いだしの声が高くて明るいんですよね。
はたして「世の中の主婦を楽にさせてあげたい」という萬平の発想が花開く日はーー
(イラストと文/木俣冬)

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