イスラム・ユダヤ両宗教の「食肉処理法」は残酷すぎる? 電気ショック導入に反発の声も

日刊サイゾー

2019/1/19 19:00


 ベルギー北部のフランダース地方で、イスラム教とユダヤ教の戒律で定められている伝統的な食肉処理法を禁止する条例が制定され、“動物愛護”か“宗教の自由”かをめぐって国内の意見が二分しているという。1月7日付の英タブロイド紙「デイリー・メール」が伝えた。

イスラム教の食に関する戒律である「ハラール」 は日本でも知られるようになっているが、ユダヤ教でも「コシェル」と呼ばれる同様の戒律がある。どちらも食肉処理の際には、生きたまま頸動脈をナイフで切断し、血をすべて抜かなければならない。

一般的に食肉処理場で牛や豚を処理する際には、その苦痛をできるだけ和らげるため、電気ショックなどで気絶させてから頸動脈を切断するという方法が取られている。

しかし、ハラールもコシェルも、食肉処理は“生きたまま”という定めがある。電気ショックなどで気絶させる方法は、食肉処理前に動物が息絶えてしまう可能性があるため、行われていない。

フランダース地方では今回、それを残酷な行為であるとして、必ず食肉処理前に電気ショックで気絶させることを条例で義務付けたのだ。

これに対して、現地のムスリム社会もユダヤ人社会も「絶対反対」を唱えており、欧州ユダヤ人会議などは「ナチスによる占領以来の、ユダヤ人の宗教の権利に対する最も重大な攻撃だ」としている。

中には、この条例は動物の権利を考えたものではなく、その背後にある反イスラム主義、反ユダヤ主義的な思想の影響が強いと見る向きもある。

なお、この条例はEU法で定められた宗教の自由に違反しているとして、すでに複数のユダヤ人団体が法廷に訴え出ている。

日本人にはなかなか理解しにくい宗教絡みの問題だが、日本を訪れる外国人観光客は年間3,000万人を超えている。また、外国人労働者受け入れ法案が可決された今、いつまでも無関係とは言っていられないことも確かである。

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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