産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の東京新聞・望月記者を「事実誤認」と攻撃! 安倍首相の“サンゴ嘘”に続き

リテラ


 安倍首相のサンゴ移植大嘘(フェイク)発言を垂れ流したNHK『日曜討論』(6日放送)は、放送法第4条の「報道は事実をまげないですること」に違反するのは明らかだが、それでも菅義偉官房長官は「最大限環境に配慮している」と強弁しながら、訂正を拒否している。東京新聞社会部の望月衣塑子記者は8日の会見で、「(安倍首相発言が)事実の誤認ないし説明不足である場合は、改めて政府として見解を出すつもりはないのか」と質問したが、菅官房長官は「『報道によれば』に答えることは政府としてはしません。どうぞ、報道に問い合わせをして欲しいと思う」と説明責任を放棄した。

もちろん安倍首相のフェイク発言を公共の電波を使って全国の視聴者に届けた放送局の責任も重い。そこでNHKに「8日付琉球新報が事実誤認と指摘しているが、NHKの認識はどうか」「事実誤認と認識した場合、訂正文の発表や訂正放送をする予定はあるのか」「事実誤認の首相発言を放送したことの経過、検証の予定」について聞いたが、広報局の回答は「番組内での政治家の発言について、NHKとしてお答えする立場にない。また、他社の報道についてはコメントしない」というものだった。

土砂投入エリアのサンゴ移植はゼロなのに「移した」と大嘘をついた安倍首相も、そのまま右から左へ垂れ流したNHKも事実誤認か否かさえ答えないまま、謝罪や訂正をしようとする姿勢は皆無なのだ。日本国の最高権力者と日本唯一の公共放送局が“共謀”、フェイクニュースを全国に発信して国民に誤ったイメージを植え付ける政治的宣伝(プロパガンダ)をしたとしか見えない。放送法違反の事実歪曲報道に該当する可能性は極めて高いといえる。

しかも安倍首相だけに作り話を事実のように話す政治的宣伝(プロパガンダ)が許されるのなら、放送法の「政治的公平」や「多角的論点提示」にも反するのは確実。そこでサンゴ発言の翌週の『日曜討論』が放送される2日前の11日、NHKに再質問をした。

Q)13日の『日曜討論』で「6日の安倍首相のサンゴ移植発言」について野党議員が反論する時間帯を設定する予定なのか。

Q)野党幹部にも「事実誤認発言でも問題にしないので自由に政治的宣伝をして下さい」と伝えて、同じような野党インタビューを放送しないと不公平と考えるが、13日の日曜討論で放送する予定なのか。

NHKの回答は「1月6日放送の『日曜討論』には与野党9党の方に出演いただいている」(広報局)というものだった。しかし6日の『日曜討論』では、安倍首相の説明が一方的に流れただけで、その場で野党議員が反論できる討論形式ではなかった。与野党幹部の単独インタビューが放送されたものの、安倍首相のサンゴ移植発言を紹介してコメントを求める形にはなっていなかった。「サンゴは移植していない。環境保全への配慮も不十分」といった野党の反論を視聴者は知ることはできなかったのだ。

新年初回の日曜討論で単独インタビュー合体形式を採用、辺野古問題における多角的論点提示が出来なかったことを受けて、翌週の『日曜討論』では与野党議員が安倍首相発言について討論、放送法違反状態を少しでも是正することは可能だった。しかし13日放送の『日曜討論』は専門家同士の討論で、国会議員が討論する時間帯は全くなかった。放送法が定めた多角的論点提示を怠ったままなのだ。

●官邸とNHKの“共謀”の政治的宣伝(プロパガンダ)番組の仕掛け

安倍首相の出演した6日の『日曜討論』が、官邸とNHKの合作の政治的宣伝番組であったことは、辺野古の環境保全上の重大な懸案事項である「赤土投入問題」と「軟弱地盤問題」について司会者が訊かなかったことからも明らかだ。

12月14日に安倍政権が始めた土砂投入では、環境負荷が少ない「岩ズリ」(破砕された細かい岩)を使用しないといけないのに、深刻な環境汚染の恐れがある粘土質の微細な「赤土」が大量に含まれていた。また新基地予定地北東の大浦湾側では軟弱地盤が見つかって大規模な地盤改良工事な必要であることが判明、貴重なサンゴへの悪影響が懸念されてもいた。

しかし『日曜討論』では、安倍首相がサンゴ移植を針小棒大に語りながら環境負荷抑制に努力しているという一方的な主張を普天間飛行場の危険性除去も含めて約2分半にわたって話し続けただけで、周辺海域の環境保全上の懸案事項である「赤土混入土砂投入問題」や「軟弱地盤問題」について司会者が問い質すことはなかった。肝心要の質問をしないまま、最高権力者が大嘘を交えた政治的宣伝を自由気ままにする時間を提供するだけに終始したのだ。これでは報道機関とは言い難く、NHKは官邸の広報宣伝機関に成り下がったと言われても仕方がない。

そこで先の再質問では、「二つの問題を質問しなかった編集方針となった理由(環境への影響についての価値判断の根拠など)」「NHK沖縄放送局の担当記者との意見交換や相談などの有無」について訊いたが、回答は「個別の編集判断や取材・制作の過程に関することは答えていない」(広報部)であった。

官邸とNHKの“共謀”の産物といえる安倍首相のフェイクニュースは、違法な赤土混入土砂投入から国民の目をそらすために、作り話のサンゴ移植で環境保全への配慮をアピールしたようにも見える。昨年12月26日の官房長官会見で望月記者は赤土投入問題をこう問い質している。

――民間業者の仕様書には「沖縄産の黒石岩ズリ」とあるのに埋立の現場では赤土が広がっております。琉球セメントは県の調査を拒否していまして、沖縄防衛局は「実態把握が出来ていない」としております。埋立が適法に進んでいるのか確認ができておりません。政府としてどう対処するつもりなのでしょうか。
菅官房長官 法的に基づいてしっかりやっております。
――「適法がどうかの確認をしていない」ということを訊いているのですね。粘土分を含む赤土の可能性が指摘されているにもかかわらず、発注者の国が事実確認をしないのは行政の不作為に当たるのではないでしょうか。
菅官房長官 そんなことはありません。
――それであれば、政府として防衛局にしっかりと確認をさせ、仮に赤土の割合が高いのなら、改めさせる必要があるのではないでしょうか。
菅官房長官 今答えた通りです。

●産経と菅官房長官が東京新聞・望月記者を「事実誤認」と攻撃!

一目でばれる嘘を菅官房長官はついた。赤土が混入していることは、現場ですぐに確認できるからだ。12月26日に土砂を陸揚げする護岸を視察した伊波洋一参院議員は、赤みを帯びた埋立用土砂を積んだ運搬船を差して、「沖縄産の『岩ズリ』ではなく、赤土が含まれている。埋立区域に投入された赤土が台風襲来で護岸が損傷して外に流出した場合、深刻な環境汚染を引き起こし、貴重なサンゴが死滅してしまう恐れがある」と指摘した。

「環境負荷抑制に努力」という安倍首相のアピールもサンゴ移植と同様、言行不一致の大嘘で、単なるリップサービスにすぎなかったのだ。

それでも菅官房長官は違法性を認めず、望月氏の質問のほうこそ事実誤認と問題視。12月28日の産経新聞は「東京記者の質問に『事実誤認』 官邸報道室が再発防止要請」と銘打って、次のように報じたのだ。

「記者は質問で、埋め立て工事用の土砂が仕様書に適合しているかについて『発注者の国が事実確認をしない』などと主張した。官邸報道室は『仕様書どおりの材料であることを確認しており、明らかに事実に反する』と反論」「『視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねない。正確な事実を踏まえた質問を改めてお願いする』とした」

先の伊波参院議員は、12月29日ツイッタ―でこう反論をした。「12月28日官邸報道室は、26日の東京新聞記者の質問に事実誤認があったとして再発防止を求めたが、事実誤認は政府の方で記者の指摘が正しい。沖縄県が知事名と土木建築部長名で同趣旨の文書を沖縄防衛局に発出して防衛局として確認し、県の立入調査を認めるよう求めている」

菅官房長官は「仕様書どおりの材料であることを確認」などと強弁しているが、そもそも仕様書が県の承認を得ないまま変更されていたことも判明している。伊波参院議員は視察後に「赤土でもパスする検査方法になっている」と指摘していたが、12日の東京新聞も、防衛局が業者に工事を発注した際の仕様書で、環境負担の大きい細粒分の割合が「10%以下」から「40%以下」へと県に承認を得ずに変更されていたと報じている。仕様書変更による甘い検査で細粒部分の多い「赤土」がすり抜けることになっていたのだ。

『美しい国へ』(文藝春秋)を出版した安倍首相率いる自公政権は、いまや美しい辺野古の海をぶち壊す“国土破壊違法集団”と化したと言っても過言ではない。その実態を覆い隠すために、“現代版大本営発表機関”のようなNHKと二人三脚を組んで、環境保全に配慮しているという誤ったイメージを国民に植え付ける政治的宣伝(プロパガンダ)を始めたともいえる。北朝鮮のような独裁国家や大本営発表が横行した戦前の日本ならいざ知らず、民主主義国家では許されない権力犯罪(放送法違反)がまかり通り始めたのだ。
(横田 一)

当記事はリテラの提供記事です。

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