Netflixの撮影現場で目撃!こだわりの職人技が作りだす「アンブレラ・アカデミー」の世界とは

Movie Walker

2019/1/14 22:30

2月15日(金)に全世界で同時に配信を開始する、スーパーヒーローのきょうだいを描いたNetflixのオリジナルドラマシリーズ「アンブレラ・アカデミー」。13年に解散したアメリカの人気ロックバンド「マイ・ケミカル・ロマンス」のヴォーカリスト、ジェラルド・ウェイが手掛けた同名コミックが原作だ。個性的なキャラクターたちが繰り広げる人間模様や激しいバトル、先が予想ができない独特なストーリーが評論家からも高く評価され、米コミック界で権威のあるアイズナー賞を受賞した。

本作は、世界中で妊娠していないはずの43人の女性が突然出産し、特殊な力を持った子どもたちが生まれる。そのうち7人を億万長者の実業家レジナルド・ハーグリーヴズ卿が引き取り、世界を救うスーパーヒーローに育てるため“アンブレラ・アカデミー”を設立するところから物語が始まる。しかし、子どもたちがティーンエイジャーになると家族は散り散りとなり、アンブレラ・アカデミーは解散。そして時は経ち、ハーグリーヴズの死をきっかけに、成長した7人のうち6人が再集結し、ばらばらの個性と能力で不協和音を奏でつつも、協力して養父の死の謎を解き明かそうと動き始める…。

18年6月、本作の撮影が行われたカナダ・トロントのスタジオを訪問し、その独特な世界観を作り上げたプロダクション・デザイナーのマーク・ワーシントンと、本作の舞台となる様々な時代や場所に合わせた衣装を担当したコスチューム・デザイナーのクリス・ハーガドンに話を聞いた。

トロントにある巨大な倉庫の中には、米ニューヨークのアッパー・ウェストサイドや、イーストサイド、イギリスの14世紀の様式、19世紀の建物などを参考にしたというハーグリーヴズ卿の屋敷のセットや、アンブレラアカデミーの子どもたちそれぞれの個性が詰まった部屋が作られており、屋敷に飾られたハーグリーヴズ卿の肖像画や家族写真、アンブレラ・アカデミーのコミック、子どもたちの部屋に置かれた小物やポスター、書物や落書きなどから、彼らの性格が見てとれるようになっていた。

様々な性格と能力をもつ子どもたちのバックストーリーをそれぞれの部屋で表現したと、マーク・ワーシントンは、人間離れした強靭な肉体を持つ長男、ルーサー(トム・ホッパー)の部屋を例に話してくれた。「あれはとても楽しい作業だったよ。ルーサーは、原作の中で“スペース・ボーイ(ルーサーのヒーロ―名)”として知られている。だから、彼が、天文学や飛行機の模型作り、航空学に夢中になっているように部屋を作ることが出来た。気をつけて見てみると、部屋の壁紙は彼自身のストーリーを語っているんだ」。

同様に、口にした言葉で現実を変えてしまう能力の持ち主、アリソン(エミー・レイバー・ランプマン)の部屋は、彼女がのちに女優になること意識して作られており、ファッション雑誌やアクセサリー、華やかな衣装がたくさん置かれているなど、アンブレラ・アカデミーのメンバーが子どものころ、どんなものに興味を持ち、どのような性格だったのかが伺える。しかし、本作でそれぞれの部屋が果たす役目はそれだけではないという。

「彼らの人生は、過去の様々な変化によって中断される。あらゆる意味で彼らの部屋は時間に縛られているんだ。だから、部屋にあるもので子ども時代の彼らを表現しようとしたのは、一人一人のキャラクターを紹介するだけでなく、大人になった彼らとのコントラストを見せるために意図的にやったことだったんだ。彼らはアカデミーに戻って来た時、彼ら自身の子ども時代に再会し、彼ら自身の場所に再び戻るんだ」。

続いて見せてもらった広大な衣装部のスペースには、カジュアルなものからヴィンテージ、斬新なデザインのものまで、無数の衣装が所狭しと置かれていた。クリス・ハーガドンは、本作での衣装作りと原作の関係について語ってくれた。「これらはすべて、ジェラルド・ウェイが創造し、ガブリエラ・バーがイラストを描いた原作のグラフィックノベルを基にしている。2人はものすごくクリエイティブな人たちで、彼らとやりとりするのは楽しかったよ。彼らの視点を知ることができるからね。ただ、平面のフォーマットから、それを生きた実写に置き換えるには、色や質感などいろいろなことを考慮しないといけない。だから、いくつかの部分は原作から修正されている。でも、ベースとなる彼らのキャラクターに忠実であるように、常に心がけたよ」。

その一方で、亡くなった人とコンタクトが取れるクラウスを演じたロバート・シーハンに関しては、大きな方向の転換があったようだ。「最初、キャラクターについての考えを見せるためにイメージボードを作るんだ。それは僕の中ではとても明確で、多くのアイデアもあった。でも、ロバートは少し違った。彼はどんな衣装でも着こなせてしまうんだ。本作の役者たちはみんな、服を着たキャラクターをどう見せるかに関してとても素晴らしい。でも、彼はどこか不安定なんだ。だから、僕の最初の方向性は、彼を男性的で、かつとても女性的に着せることだった。でも、ロバートはとても女性的なものに反応したんだ。だから僕は彼に、ズボン以外は女性の服を着せると決めたんだ」。

また、我々が見たレトロな雰囲気の屋敷のセットと同じく、クリス・ハーガドンは、劇中に登場する衣装で、その世界観を作り上げることに注力したと語る。「本作では、アンブレラ・アカデミーのメンバーが子どもだったころを描くフラッシュバックのパートと、現代のパートいう、2つの異なった時代が登場する。フラッシュバックでは、いろんな種類のくすんだ中間色の衣装を背景の人たちに用意する必要があった。僕が最終的に落ち着いたイメージの基準となる場所は、1973年のベルリンだ。着こなしや、シルエット、色合いの基にしたんだ。そして、現代のパートでも、僕は同じ在庫から衣装を使って時代の違いを表現しなくてはいけなかったんだ。そこで僕がやったのは、画面の中に“色の柱”を作ることだった。だから、背景の人々はグリーンぽかったり、ブルーぽかったり、ふじ色っぽい服装をしている。こうして我々が作り上げた世界が、実際に存在するかもしれないと視聴者に思ってもらえたらとうれしいね」。

最後に、Netflixで作品を手掛けることについてマークは「Netflixでの番組制作は最高だよ!」と満足げに語ってくれた。「テレビの在り方は変わってきていると思う。10年前と違って、いまのドラマシリーズはいくつかのエピソードからなる映画みたいだ。だから、僕たちはみんな、本作を出来るだけビジュアル的に豊かで、映画的な作品にしようと頑張っている。Netflixもこの作品を出来るだけ豊かなルックスのものに出来るようにサポートしてくれている。こういう複数のエピソードからなる作品に対する期待の高さや、専門知識のレベルに関して、すべてのことがこの10年間に変わったと思う。これは、クリエイティブな分野のすべてにおいて素晴らしい経験だった」。(Movie Walker・文/編集部)

https://news.walkerplus.com/article/175765/

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