日曜劇場「グッドワイフ」日本版とアメリカ版とで印象が大きく違った理由を第1回で検証してみた

エキレビ!

2019/1/14 11:00

TBS日曜劇場『グッドワイフ』(公式)が2019年1月13日スタートした(日曜よる9時)。
海外ドラマ「THE GOOD WIFE」のリメイクだ。
主演は、常盤貴子。16年ぶりに弁護士に復帰する蓮見杏子役。
復帰した理由は、東京地検特捜部長の夫(唐沢寿明)が汚職と女性スキャンダルで逮捕されたからだ。

16年ぶりのブランク、しかも周囲からは好機の眼で見られ、夫を恨む者も多い。
さらに、夫は、汚職はガンとして否定するが、浮気は認めてしまっているのだ。

この逆境を縦軸に、一話完結型で展開していくドラマである。


原作「THE GOOD WIFE」(AmazonPrimeで配信中)は、2009年からアメリカCBSでスタートし、シーズン7156エピソードの人気長寿ドラマ。
名誉毀損と言論の自由で対決する日本版第1話は、実は原作ではエピソード11。
夫の逮捕など、エピソード1とミックスし、さらに他のエピソードの名台詞も取り入れて巧みにアレンジされていた。

実は、武田鉄矢が演じた俗悪キャスターは、原作ではもっと強烈な毒舌家だ。
日本版は、全体的にマイルドになっている。
小泉孝太郎演じる多田征大と、新人弁護士の朝日光太郎(北村匠海)がイチャイチャするシーン。
同級生である多田とふたりきりになると学生時代にもどる蓮見杏子。
ほっと気の抜けるシーンが随所に追加されている。
初回25分拡大のためかテンポもゆっくりで(原作は40分ちょいでハイテンポだ)、状況が整理されて台詞や演出で説明してくれるのでわかりやすい。

たとえば落ち込んでいる依頼人に対して語るシーンがある。
蓮見杏子のキャラクターがよくわかる場面だ。

まずはカーテンを開けませんか?
台詞的な構造は同じだが、日本版とアメリカ版では印象が大きく違う。

日本版。
「まずはカーテンを開けませんか?
ゴミを捨てて 掃除機をかけて 洗濯をして
おいしいものを食べて テレビもネットも見ないで
日常を大切にして過ごすんです」
「それで楽になるんですか?」
「いいえ でも……強くなれます」
たっぷりと間をとって、情緒的な音楽が流れる。
子供の声を思い出して、依頼人が涙ぐむ。
感動するシーンであることがわかりやすい。

アメリカ版、エピソード1。
依頼人は女性だ。
「私は何をすれば?」
「今できることを。ホテルへ行ってお風呂に入って休む。
テレビは見ないで。本は好き? 小説を用意するわ。
気が向かなくても着替えて化粧するの
裁判じゃなく自分のために
まず外見をきちっとしましょう」
「それで楽になれる?」
「いいえ でも強くなれる」
口調はあくまで事務的に、ハイテンポで畳み掛ける。
エレベーターに乗った依頼人が少し笑顔になるシーンを短く挟んで、
直後にパラリーガルのカリンダに「依頼人に入れ込みすぎです」とたしなめられる。
ストイックに、情緒的演出を押し出さずにスッと描いて、多層的な印象を与える。

ぜひアメリカ版も
毒舌キャスターとの対決も、ラスト日本版はストレートな展開に改変。
BUMP OF CHICKENの曲を流して、父子の再会を感動的に描いた。
アメリカ版は、皮肉なツイストが効いているエピソードで余韻を残す(父子再会もニュース映像としてチラッと映し出されるだけ)。
日本版を観て興味を持った人は、ぜひアメリカ版「THE GOOD WIFE」と比較して観ると吉。より楽しめる。(イラストと文/米光一成)

日本版:Paraviで配信中:TVer最新話配信
アメリカ版:AmazonPrimeで配信中

チーフプロデュース 瀬戸口克陽
プロデュース 東仲恵吾
演出 塚原あゆ子
脚本 篠崎絵里子
主題歌 BUMP OF CHICKEN「Aurora」
制作 CBS Corporation、TBS

蓮見杏子(常盤貴子)
多田征大(小泉孝太郎)
円香みちる(水原希子)
朝飛光太郎(北村匠海)
小宮竹生(野間口徹)
戸梶涼太(中林大樹)
佐竹凛子(末永みゆ)
蓮見隼人(小林喜日)
蓮見綾香(安藤美優)
佐々木達也(滝藤賢一)
蓮見幸枝(高林由紀子)
林幹夫(博多華丸)
遠山亜紀(相武紗季)
神山佳恵(賀来千香子)
脇坂博道(吉田鋼太郎)
蓮見壮一郎(唐沢寿明)
日下部直哉(武田鉄矢)

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