シンガポールで道に迷った18歳マレーシア人男性、10日間彷徨うことになったワケ

昨年末から新年にかけて、シンガポールでにわかに信じがたい出来事が起こっていた。マレーシアからやって来たある男性が道に迷い、10日間彷徨っていたという。この男性は極端に内気な性格から、誰にも助けを求められなかったようだ。『Coconuts KL』『Oddity Central』などが伝えた。

昨年のクリスマス前に、マレーシアのクアラルンプールからシンガポールに仕事を求めてやってきたチャン・ダミンさん(18歳)は、異国の地で10日間とんでもない経験をすることになった。

シンガポールでツァイ・ジヨンさんという友人のアパートに滞在していたチャンさんは12月26日、昼食をとろうとツァイさんから借りた50シンガポール・ドル(約4,000円)のみをポケットに入れてカフェに向かった。

昼食後、カフェを出たチャンさんは困惑した。友人宅への帰り方がわからなくなったのだ。周りは似たような建物ばかりでどれがツァイさんのアパートなのか見分けがつかず、チャンさんは途方に暮れた。すぐに戻ることを想定していたため、マレーシアから持参した現金やパスポートなどのID(身分証明書)、更には電話さえも持って出ていなかった。

極端に内気な性格だったことから周囲に道を尋ねるという選択肢を持っていなかったチャンさんはひたすら歩き回り、友人のアパートを探した。しかし警察署さえも見つけられず実質10日間、異国の地で彷徨い続けたのだ。

「シンガポールの人たちがどういう人か知らなかったし、シャイな性格だから話しかけられなかったんです。だから電話を借りることもできませんでした。最初の24時間は一睡もせず、朝から晩まで歩き回りました。」

後にそう話したチャンさんだが、迷い続けた10日間はショッピングモールやカフェの公共トイレを使用したり、建物の外で寝たりしながら、8日間は安いストリートフードを食べ続けて凌いでいた。しかしそれ以降はお金が底をついたため、発見されるまでの2日間、チャンさんは物乞いまでして見知らぬ人からお金を貰っていたという。しかし手にする現金はわずかで、食べ物は購入できず水を買うのが精いっぱいだったようだ。

「あまりにも空腹で喉が渇いていたので、知らない人にお金をくれと頼むしか方法がありませんでした。2日間で6~7人に頼んだら、親切な中年の男女がわずかなお金を恵んでくれました。」

このような状況に陥っても、チャンさんは最後まで道を尋ねる勇気はなかったと言う。しかし異国での苦悩は物乞いを始めて2日後に終わりを告げた。1月6日の午前9時頃、ツァイさんのアパートからおよそ6km離れた場所にある公園で、チャンさんはひとりの老女に「あんた、もしかして行方不明になっているマレーシアの人?」と声をかけられた。

実はチャンさんがアパートに戻ってこなかったことを心配したツァイさんが、ソーシャルメディアでそのことを投稿し、街中にポスターを貼ってチャンさんを捜していた。そのおかげで老女はチャンさんに気付いたというわけだ。老女が警察へ連絡したことでチャンさんは無事にツァイさんとも再会でき、マレーシアのクアラルンプール行きのバスに乗って自国へと戻った。

仕事を求めてやってきた国で散々な経験をしたチャンさんは、今回の件がトラウマになっているようで「もうシンガポールには行きたくない」と話しているという。この出来事はシンガポールとマレーシア両国のソーシャルメディアで拡散し、話題になった。あるユーザーが「信じられない。道を尋ねることにそれだけ内気な人が、物乞いするほどの度胸があるなんて」とコメントしているが、他にも「あまりのシャイさに驚かされる」「18歳でそれだけ内気なら、クアラルンプールでも仕事を見つけるのは相当大変なんじゃないか」といった声も寄せられている。

画像は『Coconuts KL 2019年1月9日付「Malaysian boy who went missing in Singapore found, too shy to ask for directions」(via Sin Chew Daily)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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