【漢字トリビア】「丈」の成り立ち物語

TOKYO FM+

2019/1/13 11:00

「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「背丈」「身の丈」の「丈(たけ)」。すこやか、しっかりとした、という意味で使う言葉、「丈夫」の「丈(ジョウ)」。これを「丈夫(ジョウフ)」と読めば一人前の男子のこと。あるいは年長者に対する敬称としても使われます。



「丈」という漢字は漢数字の「十」と、「又、明日」の「又(また)」、「ユウ」とも読む字を組み合わせます。
「十」は木の枝の形で、「又」は右手の形を描いたもの。
その二つをあわせた「丈」という字は、手に木の枝を持って支えとする様子を表しています。
木へんに「丈」と書く「杖」という漢字のもとの字ともいわれ、そこから「よりかかる、たよる」という意味をもつようになりました。
「支」という字も漢数字の「十」を書いてその下に「又」と書きますが、「丈」と同じく木の棒で「支える」ことを表しています。
「丈夫(じょうぶ)」な人は、頼れる存在。
「丈夫(じょうふ)」と読めば誰もが認める成人の男子、というわけです。

また、木の棒を使って長さを測ることから、「丈」は長さの単位にも使われます。
一丈はおよそ三メートルになりますが、中国の古代王朝・周の時代の一丈はおよそ二メートルと少し。
一丈に達するほどの背丈があり、強固な肉体をもつ頼もしい男性を、「大丈夫(だいじょうふ)」と呼んだのです。

ではここで、もう一度「丈」という字を感じてみてください。

自らを支える杖を持ち、社会の一員として歩き出す成人の日。
その杖は、教室で学んできた知識や、若さゆえの向こう見ずな体験、仲間と共にはぐくんできた夢で出来ています。
くじけても転んでも、その杖を手に立ち上がるうちに、それは、太くしっかりとしたものになっていくのです。

とはいえ、道の先をゆく大人たちでも、次の一歩を踏み出せず、立ち止まってしまうことがある。
一人前の「丈夫(じょうふ)」でも、悩み苦しむ日はあるのです。
そんなとき、思いがけない力をくれるのは、「あなたなら大丈夫」という誰かの励ましです。
家族、友人、先輩、ライバル。
見知らぬ人の言葉に共感し、支えられることもあるでしょう。
そしていつかあなた自身も、肩を落とした誰かに声をかけ、「大丈夫」と、安心させてあげられる人になるのです。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『新選漢和辞典 第八版』(小林信明/編・著 小学館)

1月19日(土)の放送では「才」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。


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<番組概要>
番組名:感じて、漢字の世界
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20~7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/

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