門脇麦×吉田志織インタビュー 岡崎京子原作『チワワちゃん』の過酷な撮影裏を語る

AbemaTIMES

2019/1/13 10:00


 「ヘルタースケルター」「リバーズ・エッジ」などで知られる人気漫画家・岡崎京子の短編作品を原作とした映画『チワワちゃん』が1月18日(金)より公開される。「バラバラ殺人事件の被害者の身元が判明した」という衝撃的なイントロから始まる同作は、タイトルにもなっている“チワワちゃん”の死をきっかけに、主人公・ミキが遊び仲間たちに話を聞いて回り、今まで知らなかったチワワの姿が見えてくるというストーリーだ。映画版では、物語の舞台を原作が発表された1994年からSNSが急速に進化した現代にアップデート。

主演を務めるのは門脇麦、共演に成田凌、寛 一 郎、玉城ティナ、村上虹郎と、今をときめく20代の注目俳優が集結し、メガホンをとったのも弱冠27歳の新鋭・二宮健監督。さらに物語のキーパーソンでタイトルにもなっているチワワ役には、オーディションを勝ち抜いた新人女優・吉田志織が抜擢された。

今回、AbemaTIMESは門脇と吉田にインタビューを実施。“キラキラ”インスタ映えした青春が氾濫し、実態が見えにくくなった若者たちのリアルの姿を演じた二人は、どのように作品に向き合い、何を感じたのか。話を聞いてきた。

チワワ役に抜擢・吉田志織、オーディションはピチT&ショーパンで武装
ーーオファーが来たときはどのように感じましたか?

門脇: お話をいただいた時、ちょうど二宮(健)監督の『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』をやっていた頃で、映画館に観に行きました。すごく感覚的に新しくて音楽的な映画だなと思う一方で、最後グッとくるものもあって。是非ご一緒したいなと思いました。さらにプロデューサーが『愛の渦』でご一緒した岡田真さんで、当時名もない私を起用してくださった方で。また作品を一緒に作れる事がとにかく嬉しかったし、何か少しでもお返しできたらと思いました。

ーー吉田さんはオーディションで選ばれたそうですね。

吉田: 岡崎京子さんの大ファンだったので嬉しかったです!オーディションの話はマネージャーさんから聞いたんですけど、まず「岡崎京子さんの原作の~」って聞いた瞬間に、「え~待ってください!なんですか!?」って興奮したのを覚えています(笑)。チワワ役は体を張るシーンが多かったので、自分がそれに耐えられるのかという女性としての怖さもあったのですが、それを超えるくらい岡崎京子さんが好きだったので楽しみでした。

ーーオーディションではどのようなことをされたんですか?

吉田: オーディション用の台本をいただいてそれを演じたのと、クラブミュージックをかけて音楽に合わせて踊るというのがありました。チワワが着ているだろうなって感じの服装をイメージして、「武装」して行きました。髪の毛はお仕事で切れなくて長かったんですけど、ピチッとしたTシャツにショートパンツを履いたり、メイクもチワワをイメージして、寄せて行きました。

ーー気合いを感じますね!門脇さんは、そんな吉田さんに最初に会ったときはどのように感じましたか?

門脇: 最初は髪の毛もロングだった事もあり、大人しい方の印象だったので、詩織ちゃんからチワワちゃんがイメージしづらくて。でも現場に入った日からボルテージの高さが凄まじくて、みんなチワワちゃんそのものだと圧倒されていたと思います。

ーー二宮監督から、門脇さんに演出寄りに力を貸して欲しいというのがあったとお聞きました。

門脇: 『チワワちゃん』はミキの視点で描かれている映画なので、私自身が俯瞰の位置に立って欲しいという意味だったと思います。キャストも若いので「監督とみんなのパイプになってください」という意味だったのかなと。ミキは「主役であれど主役でない存在」。ミキを通してチワワや他のキャラクターがスパークしていく様が見えなければいけなかったので、「主役」という気持ちは一切かき消していました。特別意識して距離置いていたとかはないですけど、どこか俯瞰している目線は忘れずにいようと努めました。

ミキを演じる上では重心を低くしようと思っていて、(ミキと他のキャラクターの)その対比が重要だと思っていたので、どのくらいの低さにしようかなと考えていました。低くして重すぎてもそれは何か違うし、全体のバランスによって、自分の高さを決めようと思っていたので、現場は日々探り探りでした。

ーー吉田さんはメインキャストを演じたのは今回が初。チワワはかなり重要な役どころでしたが、プレッシャーはありましたか?

吉田: 私はこれまで頭で考えすぎてしまうタイプだったんです。そのせいで、心と「チワワ」が繋がらなくなってしまいました。ただセリフだけ言っている、「チワワ」になりきってやってるだけっていう気持ち悪い状態が続いてしまいました。でも、リハーサルのときにアクションの練習があって、体育館で走り方の練習をしているときに、「チワワ」として「チワワ」のフォームで走って、フッとクリアになったときがあって「これだ」って気づきました。その瞬間から、心で感じて演技できるようになりました。そのときぐらいから乗り越えることができました。クランクインしたときには、「自分はチワワ」って思えるようになっていました。

夜中の2時に大縄跳び 必死だった“パリピ”の演技
ーー過激なシーンも多かったですよね。それこそ、門脇さんは『愛の渦』など多くの作品で濡れ場も経験していますが、吉田さんは門脇さんからアドバイスをもらったり?

吉田: 門脇さんから、そういうシーンの前日や当日に、「大丈夫?」って声かけていただきました。「キツくなったら言ってね!」みたいな感じで。その言葉だけでも救われました。撮影中でカメラが回っているときは、チワワとしているので平気だったんですけど、自分1人の時間になると気持ちが削られている部分もあったので、そういうときにそんな風に優しく声かけてもらえるのはありがたかったです。

ーーラストの門脇さんと成田さんの濡れ場も凄まじかったですね。成田さんの動きすごくて、口にするのもはばかれるような…どこまでが演出だったのか気になりました。アドリブはあったのかなと。

門脇: 生々しすぎて「(それまでと)違う映画?」ってなりますよね(笑)。でも全て演出です。何回リハーサルしたことかっていうくらい、完璧に動きが決まっていました。

ーー他に大変だったシーンはありますか?

門脇: 遊ぶシーンは大変でした。本当に命を削って遊んでいるんだなってくらいに疲れるんです。朝から晩までクラブにいると、狭いし人がいっぱいいるし、酸欠になってくるし、だんだん何が楽しくて「フー!」とか言っているのかわからなくなるんです(笑)。そりゃあ若くなきゃ遊べないなってなります。夜通し遊べない!

ーー実際お二人とお話して、「フー!」というタイプではないよな、と感じました。

門脇: 多分(キャストは)みんなそういうタイプではないんじゃなかなと思います。みんな必死で騒いでました。1日中撮影した日とか、みんな「パリピ疲れた」って言っていました(笑)。ずっと夜みたいな感じですし、場所も場所で、普段たばことか吸わないのに無理矢理吸っていたので。……でも志織ちゃんは最初からハイだったような(笑)。

吉田: (笑)朝から音楽を爆音で聞いて、「よしっ!」てエナジードリンクを2本飲んで、無理矢理あげていました。チワワが本当に楽しいと思ってないと無理でした。

門脇: あれは本当にみんな助けられていたと思います。朝まで遊んでるシーンを撮ったときに、夜中2時とかに大縄跳びをするシーンがあって、私なんかは「2時なのに何やってんの!?」って絶望的な気持ちでしたが(笑)、(吉田は)いつも楽しそうで、「志織ちゃんが頑張ってるから頑張ろう!」って私はいつも引っ張ってもらっていました。

現代に置き換えられても感じる90年代の匂い 『チワワちゃん』は幅広い世代にハマる映画
ーー映画の見所について教えてください!

門脇: 若い方はきっとキャストとかファッショナブルなパッケージを敏感に察知して観に来てくださるんじゃないかなと思いますけど、それこそ岡崎さん世代、30代、40代の方も、一度若い時期を終えている人の方が振り返って刺さる部分が多いのではないかと思います。現代に置き換えられているんですけど、ちょっとバブルな感じだとか90年代の匂いがするので、その世代の方達の方がリアルに感じる部分もあるかと思うので、いろんな世代の方に観ていただけたら嬉しいです。

吉田: 「チワワ」という1人の軸が崩れた途端に、周りの人も壊れて、つながりがすごく浅かったことを実感する。楽しいときは楽しいから一緒にいるけれど、それは永遠に続くつながりなのか。人のつながりの儚さがすごく滲み出ている作品だと思います。現在、自分の周りのつながりは軽いものになっていっているんじゃないか、と改めて考え直させてくれる映画です。

ストーリー
 SNSが普及した現代の東京。ありったけの若さを謳歌する男女のグループ。そのマスコット的存在だった“チワワちゃん”が、ある日バラバラ遺体となって発見された。残された仲間たちが集まり、それぞれがチワワとの思い出を語りだすが、分かったことは誰もチワワの本名も境遇も本性も知らないままバカ騒ぎしたり、恋愛したり、エッチしたりしていたということだった―。

映画『チワワちゃん』 は2019年1月18日(金)より公開

■門脇麦/スタイリスト:伊藤信子/ヘアメイク:石川奈緒記

■吉田志織/スタイリスト:津野真吾(impiger)/ヘアメイク:YOSHi.T

■テキスト:堤茜子

■写真:You Ishii

(c)2019『チワワちゃん』製作委員会

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