海外のキャバクラで働く“リゾキャバ嬢”――「時給500円」「駐在員との不倫」知られざる実態


 1月12日放送の『マツコ会議』(日本テレビ系)で取り上げられるシンガポールのリゾキャバ嬢。リゾキャバ嬢とは、海外の日本人キャバクラへ期間限定で働きに行く女性のことで、筆者も以前、アジア5カ国のキャバクラでリゾキャバ嬢として働いた経験があります。

筆者がリゾキャバ嬢として最初に働いたのは2000年代初頭。イギリスから返還されて数年ほどたった香港に、初の日本人キャバクラがオープンするとのことで、歌舞伎町のスカウトマンに誘われたのがきっかけでした。期間は10日間、日給は3万円。この金額は現在の約3倍で、当時「香港で日本人女性の価値は最も高い」と言われていました。それから十数年後、アラサーになった筆者は、海外就職するためにタイのバンコクへ。しかし、就活に挫折し、知り合いづてにバンコクの日本人キャバクラに入店し、再びアジアのリゾキャバ嬢となったのです。その後、約9カ月の間、タイ、香港、シンガポール、カンボジア、ベトナムのアジアのリゾキャバを転々とする生活を送っていました。今回は、そんなリゾキャバ嬢のプライベートやお財布事情の実態を紹介したいと思います。

カンボジアは時給500円、それでも貯金できるワケ


 リゾキャバならではのオイシイところといえば、何と言っても「生活費がかからないこと」です。シンガポールや香港を除いては、お店が家賃や光熱費を払ってくれる国がほとんどでした。特にお金が貯まったのはカンボジアとベトナム。時給はベトナムが1000円、カンボジアが500円と安いので、一見、貯金ができないと思われるかもしれませんが、2カ国とも生活費がタダの上、夕飯も賄いが出たのでお金を使うことがほとんどありませんでした。さらに物価も安いので、たとえ外食しても、屋台や市場なら1食200円程度。タバコや飲み物などを買っても1日の生活費は300~500円ほど。

また、滞在中、いろいろな地域に旅行できるのも楽しみの1つ。シンガポールのキャバクラで働いているときは、お隣の国マレーシアに旅行したこともあります。シンガポールに比べると物価が安く多彩な食事が魅力的で、週末を利用してマレーシアに行くリゾキャバ嬢は多かったです。特にオススメなのは、骨付き肉を煮込んだ肉骨茶(バクテー)という屋台料理。透明感のあるスープが特徴のシンガポールの「白バクテー」と、中国醤油で濃く仕上げたマレーシアの「黒バクテー」を食べ比べするのも楽しかった思い出です!

それに、カンボジアのプノンペンのリゾキャバ勤務中には、週末を使い、南部にあるリゾート地のシアヌークビルとロン島に行ったこともあります。日本人観光客の少ないリゾート地に気軽に行けるのは、リゾキャバで働いていなければ味わえない旨味でした。

しかしその半面、リゾキャバ嬢として働いていて、大変だったこともあります。特に難しかったのが人間関係。海外の日本人キャバクラに来るお客さんは駐在員ばかりで、ほとんどが常連、さらに働いているホステスは店でも寮でも常に同じ生活を送ります。海外とはいえ、すごく狭い世界で働いているので、良くないウワサが回ることもあります。例えば、香港ではお客さんが日本のお酒を店に持ち込むときは、持ち込み料金をもらうのですが、それを指摘すると「この店はサービスが悪い」と文句を言われるだけでなく、日本人コミュニティー内で、店の評判を落とすようなことを触れ回る人が出てきたことがあります。また、他人の色恋関係のウワサも、驚くほど早く回り、例えば「あそこのキャバクラの〇〇ちゃんと××という会社の駐在員が不倫している」などの話はよく耳にしました。悪いウワサが広まらないように、接客や営業法には非常に気を遣いました。

ただ、それをうまく立回れれば良いことの方が多かったという面もあります。駐在員のお客さんは、私たちよりも長く現地で暮らしてるため、休みの日は観光地を案内してもらったり、おいしいレストランに連れていってもらえることもあります。タイに関しては私が何度も旅行で来ているので、お客さんの方から「案内してほしい」と頼まれることもありました。タイ国鉄の中央駅の前にある路上でゴザを敷いて営業している「ゴザ酒場」や、観光客が滅多に行かないようなローカルディスコを案内してあげると非常に喜ばれました。海外キャバクラの客とホステスの関係は、良くも悪くも密接なんだと思います。

リゾキャバの苦労エピソードに話を戻すと、体調管理が挙げられます。リゾキャバに来て、最初の1週間で風邪や食あたりになる人は多いようです。私は食べ物では特に問題なかったのですが、ベトナムの地酒の焼酎を毎晩浴びるように飲み続けていたら、激しい胃痛になってしまいました。幸い、現地で購入した胃薬が効きましたが、日本から持ってきた薬はまったく効果がありませんでした……。

それに、先ほど「お金がかからない」「貯金できる」と言いましたが、香港やシンガポールなど家賃や物価が高い国では、外食するとお給料のほとんどが飛んでしまうので、節約が大変という面も。シンガポールでは「ホーカー」と呼ばれるB級グルメの屋台街で、400円ほどのチキンライスやラクサ(ココナッツ風味の辛麺)を食べていましたが、香港のリーズナブルな食事といえばお粥ぐらいしかありません。スーパーで食材を買って自炊することにしたものの、それでも輸入物の野菜は300~600円ほどします。スーパーの半額ほどで買うことができる街市(ガイシ)と呼ばれる市場は重宝しました。

こんなふうにいろいろな苦労もありますが、アジアのリゾートキャバクラは、温暖な気候で近隣諸国にも気軽に行けちゃうのも事実。日本を飛び出して、海外で働きながら遊んで暮らしてみたい、そんな女性にはピッタリかもしれません。
(カワノアユミ)

アジアのリゾキャバで9カ月間、働いた経験を書いた著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イースト・プレス)/カワノアユミ著

当記事はサイゾーウーマンの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ