「いだてん」大河史上異例の注釈テロップが流れる理由

 6日にスタートしたNHK大河ドラマ「いだてん」では、1912年のストックホルム五輪から、36年のベルリン五輪、64年の東京五輪の3大会を中心に、五輪の歴史と激動の52年間が描かれる。このドラマのスポーツ史考証を務めているのが、筑波大学教授の真田久氏(63)だ。

 真田氏は五輪に関する歴史、日本の五輪初参加に尽力した嘉納治五郎、日本初の五輪選手で主人公の金栗四三(しそう)の研究を長年にわたって続けてきた。この大河ではNHK側に五輪や金栗らに関する資料を提供するとともに宮藤官九郎(48)の脚本をチェックする役割を担っている。

 6日放送の第1回には、嘉納治五郎(役所広司)がジェラール駐日フランス大使から五輪参加の話を持ちかけられるシーンが登場。当初、ジェラールが嘉納に会いに来る場面が書かれていたが、自身の研究に基づき、嘉納がジェラールに会いに行く場面に修正した。

 真田氏は「史実の証拠があるものは修正する。それでも、ドラマを面白くするため、そうしたいというものもある」と話す。

 例えば、第1回で、金栗四三(中村勘九郎)が頭から血を流したように顔を赤く染めて走るシーン。雨で金栗の紅白帽子の赤い塗料が流れ、顔が赤く染まっていたのは史実。その赤い模様が歌舞伎の隈(くま)取りのようになっていたのは創作だ。

 真田氏は「たぶん、ああいう模様にはなっていなかっただろう。ただし、違うという証拠もない。可能性がゼロではないものは修正しない」と語る。そこに、面白いドラマ作りのための、史実とフィクションのせめぎ合いがある。

 毎回、物語の最後には「このドラマは、史実を基にしたフィクションです」と、大河史上異例の注釈テロップが流れる。NHKの訓覇圭チーフ・プロデューサー(51)は「どこまでが史実でどこまでがフィクションかということを楽しんでもらえるのでは」と話している。

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