「口内炎」、“やってはいけない”禁物な対処法を専門家に聞く! 重病が隠れていることも


 朝夕で寒暖差が激しい日々が続くなど、季節が移り変わるこの時期は私たちの体に負担がかかることもしばしば。誰もが一度は苦しんだことがある「口内炎」も、季節の変わり目に発症しやすい潰瘍の一種なのだとか。そこで、いつの間にかできてしまう口内炎と季節の関係について東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック院長・新谷悟先生にお聞きしました。

■口内炎は免疫力低下のサイン!

口内炎とは、頬の内側や歯茎などの口内、その周辺の粘膜にできる炎症を指します。口内炎がひとつできると、食事が食べづらくなるうえ、誤って患部を噛めば悶絶するほど痛い……とても厄介な存在です。

「季節の変わり目は体調を崩しやすいといいますが、口内炎もまた“体の不調サイン”のひとつ。とくに『アフタ性口内炎』という種類の口内炎は、気温の上下によって体にかかったストレスや免疫力の低下によって引き起こされる症状なのです」

アフタ性口内炎は一般的に多く見られる口内炎の一種。赤く縁取られた2~10ミリほどの大きさの丸くて白い潰瘍が、口の中にできるのが特徴です。アフタ性口内炎の根本的な原因ははっきりとわかっていませんが、ストレスとの関連性が指摘されているそうです。

「近年では、体にかかったストレスや、睡眠不足、栄養不足によって疲れがたまり、免疫力が低下することで口内炎が発症する、という見方が強いです。そのほか、ビタミンB2の欠乏も原因のひとつといわれています」

気温の上下など気候の変化が激しい時期は「自分でも気づかぬ間にストレスがたまり、口内炎ができやすい」と新谷先生。さまざまな環境の変化に体が対応できず、口内炎ができてしまうようです。

「もうひとつ、季節の変わり目に多いのが『カタル性口内炎』と呼ばれる口内炎です。カタル性口内炎は、口の中を噛んだり、熱いものを食べたときにできたキズに細菌が入り込むことで炎症を引き起こすのですが、すべてのキズが口内炎になるわけではありません。この場合は、口内環境を正常に保つ唾液が減ってしまっていたり、季節の変わり目に体力が下がり、細菌感染に対抗できないと口内炎を発症するケースが多いですね」

また「季節の変化に加えて、日常からストレスを感じやすい人や、体力がない人は口内炎ができやすい傾向にある」と新谷先生は話します。年中口内炎に悩まされている人は、日々の疲れがたまっている可能性が高いとのこと。

では、実際に口内炎ができてしまった場合は、どのように対処するべきなのでしょうか?

「気温の変化によるストレスや睡眠不足が口内炎の原因になっているとすれば、それらを取り除くのが理想です。とはいえ、気候などの外的要因を避けることは難しいですから、なるべくリラックスする時間や十分な睡眠を取るのが先決です。また、食生活を見直して不足しているビタミンB2やビタミンCを多く摂るなども代表的な口内炎の対処法です」

また、適切に“うがい”をして口内を清潔にすることも、口内炎の治癒につながるそう。ただし、うがい薬でやみくもに口をすすぐのは禁物です。新谷先生は「うがい薬は口内炎対策にはあまり向かない」と話します。

「うがいをするときは、なるべく口内炎に刺激を与えないよう“ぬるま湯”を使いましょう。うがい薬は口内で働く常在菌も洗い流してしまったり、傷口の刺激になる可能性があるので、使う際には注意が必要です。うがい薬を使ったときは、仕上げとして水で口をゆすいでください」

喫煙や飲酒、辛いものなどの“刺激物”は炎症を悪化させるので、口内炎がひどい時期には避けるのがベターとのこと。

「口内炎を理由に医療機関を受診すると、患部に塗るステロイド剤などの薬を処方するのが一般的です。ただし、処方される薬は『口内炎が痛すぎて食事ができない人』の痛みを緩和する対処療法に過ぎません。処方薬は根本的な治療ではないと頭に入れて、生活習慣の改善や体力回復に努めましょう」

さらに、口内炎のなかには大きな疾患が隠れていることもある、と新谷先生は話します。

「アフタ性口内炎やカタル性口内炎は、通常10~14日ほどで自然治癒しますが、長引く口内炎には注意が必要です。もしも、14日以上治らない、口の中から唇など広範囲に口内炎ができるなどの違和感があれば、ベーチェット病や、がんにつながる重い病を発症している可能性があります。早めに口腔外科や歯科、耳鼻咽喉科を受診してください」

たかが口内炎、されど口内炎……。季節の変わり目で疲れがたまっている人は、口の中に現れた“サイン”にしっかり応える必要がありそうです。
(真島加代/清談社

新谷悟(しんたに・さとる)
1961年、香川県生まれ。祖母を舌癌で亡くした経験から口腔外科医師を志し、岡山大学歯学部へ進学。その後、口腔外科治療や口腔がんの研究に携わり、2010年に昭和大学口腔がんセンターセンター長に就任し、2011年に東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニックを開設。

東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック

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