新年最悪のスタート、1ドル=100円突入で日経平均はさらに暴落する!?

日刊SPA!

2019/1/10 08:30



◆為替の「フラッシュ・クラッシュ」で株も大暴落!

麻生太郎財務相と晴れ着に身を包んだ女性たちが打ち鳴らした鐘の音は、どこか寂しげだった。

1月4日、東京証券取引所が平成最後の大発会を迎えた。取引開始を祝う鐘が鳴った直後から日経平均株価は2万円の大台を割り込んで大幅安を記録。「値を下げていくにつれて、電光掲示板を凝視する証券関係者らの顔が曇っていった」(全国紙兜クラブ記者)という。引けにかけて若干持ち直したものの、大発会としては’16年以来3年ぶりの下落となったのだ。ただし、この最悪のスタートは想定内。年始から株に先んじて為替相場が荒れたためだ。元外銀為替ディーラーの西原宏一氏が話す。

「1月2日にアップル社が中華圏での売り上げ低迷などを理由に業績予想を下方修正。これに伴う米株の急落に乗じて米ドルの仕掛け売りが持ち込まれました。東京市場が休みで薄商いだったところに、トレンドに追随するアルゴリズムトレードの売り注文が立て続けに入り、損切りの売り注文を巻き込んで“フラッシュ・クラッシュ”と呼ばれる大暴落が発生。昨年末に110円だったドル/円はわずか10分間で4円も下げて、瞬間的に104円台に突入しました」

急激な円高を嫌気して、日経平均の先物価格は一足先に1万9000円台前半にまで急落。この先物価格に引っ張られて、大発会でも株価が急落することが予想されていたのだ。そのため、下げっぷりとは対照的に楽観的な証券関係者も少なくない。

「ファーウェイ幹部の逮捕を受けた米中貿易戦争の深刻化や米国政府とFRB(米連邦準備制度理事会)の対立などにより、昨年12月25日にはNYダウが1000ドル、日経平均先物が1000円以上下げて1万8000円台をつけたので、それに比べたら今回の下げは予想以上に小さい。大発会から5日連続で下げるという最悪のスタートを切った『’16年と一緒だ』という声も上がっている。’16年同様、年始は下げても年間を通してみたら上昇するとみている人が多いんです」(中堅証券会社幹部)

実際、「証券各社のリポートや有名アナリストの予想では、’19年半ばないしは年末にかけて日経平均2万4000円の高値を回復するという見方が大半」(同)とか。ただし、その予想は鵜呑みにしないほうがよさそう。

「昨年の“クリスマス急落”を受けて想定外の水準まで日経平均が落ち込んだため、証券各社のアナリストは3連休(12/22~24)返上でリポートの修正に追われていた」(同)というのだ。そもそも、’19年は買い材料に乏しい。株式コメンテーター・岡村友哉氏が話す。

「米中貿易戦争はいまだ解消されず、トランプ政権の大型減税効果は年後半に切れるとみられています。米国経済はピークアウトしつつあるのです。『年始に下げて年末にかけて上昇した’14年や’16年と似ている』と言うアナリストが多いようですが、どちらも日銀が異次元量的緩和を継続して日経平均を買い上げ続けた年。’18年から日銀が着実に緩和縮小に向けてシフトチェンジしたこと、今年10月に消費税10%への引き上げが予定されていることなどを考えると、積極的に買える材料は少ない」

なかでも、最大の懸念材料が円高だ。西原氏が解説する。

「昨年12月にFRBが利上げを実施し、’19年も2回の利上げを行うという見方が広まりましたが、NYダウの急落や経済指標の悪化を受けて、金利先物市場は“利下げ”を織り込み始めています。これはドル売り材料。一方で3月から本格化する日米通商交渉の米国側の要求項目には為替条項が盛り込まれています。為替操作の防止を求めているだけに、日銀による緩和拡大などの円安誘導は当面できない。つまり、トレンドは明確に円高。日経平均が昨年10月高値から2か月ほどで20%以上(約5500円)も下げたことを考えれば、ドル/円も114円の高値から20%以上下げてもおかしくない。1ドル=100円を割り込む可能性もある」

この円高圧力は深刻。国内主要企業の想定為替レートは1ドル=108~109円なのだ。新年度入りに際して想定レートは見直されるだろうが、輸出系企業の利益予想が大幅に引き下げられる可能性は高い。

「来年度の業績予想が出そろう直前の5月には新天皇即位に合わせて10連休が控えているため、手じまい売りも出て日経平均が急落すると予想する人も少なくない」(中堅証券会社幹部)という。4月には統一地方選、夏には参院選が控えているため“選挙対策の買い”が入る可能性もあるが、証券関係者の表情は暗い。

「証券界では、冬のボーナスは支給日の3か月ほど前が査定期間となります。9月の業績に応じて支給額が決まるのですが、昨年9月は相場が好調だったのに手数料収入が減って冬は大幅減。日銀やGPIFといった公的機関が買い上げるばかりで、個人の商いが増えなかったので、証券会社の手数料収入は減り続けているんです。このままいけば夏のボーナスの査定期間である3月もボロボロ。証券界は一足早く冬の時代を迎えることになる……」(同)

新天皇即位のご祝儀相場に期待するほかない……かも。

取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社

※週刊SPA!1月8日発売号「今週の顔」より

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