ワーママの「自己肯定感」どうアゲる?~川崎貴子の「チーム家族」痛快コラム

仕事が終わってからも、家事に育児にと時間に追われ、気づくと寝落ちの日々…。家事も育児も積極的に行う男性も増えてきたとはいえ、「家庭のことは女性」という認識はまだ根深く、共働き妻の悩みは尽きません。そんな女性たちを応援するこの連載(→)。女性のキャリア支援や結婚コンサルタントまで幅広く活躍中の川崎貴子さんから、家族を「チーム」としてとらえ、より効率的に日々を運営していくアドバイスをいただきます。
今回は「時短勤務で成果を出しているのに認められず、家事育児は誰にも褒められない…こんなに頑張っているのに!」という自己肯定感だだ下がりの妻たちに向けて、「自己肯定感とはなんぞや」というところから川崎さんに教えていただきました。

時短勤務でも創意工夫し業務効率化して成果を出しているのに評価されない、家事育児は褒められない。誰にも認められた気がしない…。この時期の働く母たちの自己肯定感が下がってしまうこと、あるかと思います。

この「自己肯定感問題」は、私が主催している婚活勉強会「魔女のサバト」でも度々議題に上がり、自己肯定感を上げるエクササイズを生徒たちに教えています。
自己肯定感が高いとチャレンジ精神が旺盛になり、結果出会いが増え、出会った男性と未来のある関係を築きやすいからです。ところが、自己肯定感が低いとこれと真逆の事象が起きます。チャレンジするのがこわくなり、出会いが増えず、やっと好きになった人(好きになってくれた人)とちょっとしたすれ違いで、自ら関係を壊してしまうのです。

私が見てきた「自己肯定感が低い女性たち」は真面目で、頑張り屋さんが多く、昔からよくいる「ちゃっかりさん」タイプからは程遠い印象です。だから、彼女たちを見ていると女人生の先輩としては愛しく、全力で応援したくなるのですが、結婚前も苦労し、結婚し子どもを産んでからも自らの自己肯定感の低さに悩んでいる人がいることに、パイセンは一気に切なくなりました。今回は自己肯定感の話を中心にお話をしたいと思います。

自己肯定感とは?

そもそも、自己肯定感は「自信」とは違い、自分の良い所も悪い所もひっくるめて「自分である」と認めることなんですね。
本来は子どもの頃、親からもらった愛情や受け入れてもらった感、自身の成功体験から高い自己肯定感は生まれると言われています。
では、孤独感や疎外感を抱えて育った人、馬鹿にされた思い出がある人は一生低いままなのでしょうか?
大人になってからでもエクササイズ次第で自己肯定感は上がるものだと私は思っています。
では、自己肯定感が高くなるメリットはみんなわかっているのに、変わる人と変わらない人がいるのはどうしてでしょう。

腹を括れているのか?

一番の理由は、「自身の思考パターンを変えるのは大変で、面倒くさいから」ではないでしょうか?(もちろん、育った環境の個人差があるので難易度は違うのですがそのお話はまた次回に)
嫌なことがあったり何かミスをしたり、そんな時、「やっぱり私はダメだ」「最初から失敗すると思っていた」と繰り返し思ってしまう自己肯定感の低い思考パターン。それを「今回はタイミングが悪かった」「次回私は絶対に失敗しないはずだ!」とポジティブに変換させていくには、松岡修造を憑依させるぐらいの気構えでエクササイズが必要です。

もう一つの理由は「自己肯定感の高い女性」をイメージした時、どこかでマイナスな印象を持っているからではないでしょうか?自己主張し、失敗を恐れずチャレンジする女性が周囲に居たとして、彼女の自己肯定感の高さを羨ましく思うも、「私はあんな風にはなれないし、あんまりなりたくはない」「ガツガツしていてちょっと図々しい…」などと思ってはいませんか?こちらに関してはモデルケースの選出を見直してほしい所もありますが、概ね、この2大理由が「自己肯定感を上げたいが上がらない」と悩んでいる多くの女性たちの変わりたい気持ちを阻んでいるように思います。

ですから、自己肯定感が上がるか否かは、ご自身が「上げることのメリット」を見据え、ちゃんとネガティブな思考をポジティブに変換することに対して「腹を括れているかどうか」が大きいのです。

自己肯定感の上げ方

自己肯定感を上げるエクササイズや習慣は数多くありますが、今回は簡単にできる二つを紹介します。

1. 口癖を変える
「どうせ私なんか」とか「やっても意味ない~」みたいなネガティブな口癖を持っている人は見直しましょう。自分が発する言葉には、自分が一番影響を受けるのです。

2.「良い面」を捉える癖をつける
物事には良い面と悪い面があり、自己評価が低い人は自己の特性の「悪い面」に着目しがちです。悪い面ばかりではなく、良い面を意識する。これを変化させることによって自己肯定感は上がります。

例えば私は、どちらかと言えば自己肯定感が高いほうだと思うのですが、25歳で起業をしたり好きな人に自らアプローチしたり、チャレンジして多少の失敗をしても、乳癌になったときも、毎回すぐ立ち直れました。これは自己肯定感のおかげです。

で、なぜ自己肯定感が高くなったかというと、「自己肯定感が異常に低く、プライドは滅茶苦茶高い」母に育てられたからなんですね。

私の母は若いころ「私なんて…」が口癖でした。自分の特性の悪い所に着目して、他人の目を常に気にして、色々な才能があるのにチャレンジしたり友人を作ったりせず、いつも悩んでいました。長女である私は彼女の話し相手でした。いつも「なんでそこを気にするのか?悪くとらえ過ぎじゃないの?」と、とても不思議だったので、母の嘆きをポジティブに変換して母に返していたものです。
それが習慣になったためか、私は自分自身のこともポジティブ変換するようになります。失敗があっても「次回気を付ければ取り戻せる」と思い、新しいことでも興味さえあれば「根拠はないが、できる気がする」と。
人生は何が功を成すかわからない、という実例でもありますが。

評価される働き方、評価される家事育児

長々と自己肯定感を上げる話を綴ってしまいましたが、給与や評価という外からの認証ではなく、自分で自分をちゃんと認めることが「自己肯定感」であるということはご理解いただけましたか?

とはいえ、自分自身でアゲ続けるっていうのも限界はあります。

そこで、対外的な評価を受けやすい仕事や家事育児を重点的にやって、給与アップや誉め言葉を勝ち取る「仕組み」や「担当」に変更、立候補、していくのはいかがでしょうか?

またまた私の話で申し訳ありませんが、私は次女出産後は3週間で復帰して、家事育児を夫に任せてフルタイム&会食続きの毎日を送っておりました。妊娠中にできなかった仕事を取り戻したかったからです。ところが、半年が過ぎたころ、次女は完全なる「パパっ娘」に仕上がっておったのです。
私が産んだのに、私が抱っこしても泣き止まない娘。私が産んだのに、パパのほうに泣きながら手を伸ばす娘…。
その姿を見て、
「これではいかん!!!」
と、私は仕事をセーブし、家事育児に参加することにしました。
仕事では、会食や出張を極端に減らし、私がやりたい仕事に注力し、それ以外を仕組み化したり、人にお願いしたり、止めたりしました。一時的に収入は落ちましたが、自分が得意&やりたいことに注力すると結果が出やすく、外部や今までとは違う人たちからも認められるようになり気分は高揚したものです。満遍なくやろうとしていたから気づかなかった「コア仕事」、時間を区切らないで働いていたから気づかなかった「必要のない仕事」。あの頃の「勝手に時短労働時期」があったからこそ、今の新規事業があるし、何より新しい働き方に気づけたことは貴重な貴重な体験でありました。

また、家事育児分担でも、私は自分が不得意な掃除ではなく、比較的得意な料理に立候補しました。
得意ということだけではなく、家事の中でも料理は「賞賛されやすい」からです。夫や娘たちの好きなものを上手に作ると「美味しい!」「幸せ~♪」などと言ってもらえるため、仕事から帰ってきて料理をしてもその一言があればテンションは上がるし、疲れも飛びます。「私ってやっぱり凄いわ!」などと自己肯定感もストップ高のまま、お風呂や寝かしつけにも移行できます。

私は経営者なのでそれらがやりやすいですが、要は時短だからこそ「やること」と「やらないこと」「力を入れること」と「力を入れないこと」をちゃんと分けることが重要なのです。これはどの仕事でも転用可能です。
そして、自己肯定感を上げながらこなすには「自分が評価されやすいもの」を積極的に取りに行って、結果を出すことです。

これから日本が直面する超少子高齢化社会、おまけに大未婚時代には、介護問題で男性も独身の人も、時短勤務は平等に訪れるでしょう。

その時の時短勤務のお手本となるべく、「残業しないが結果は出す」「全方位で頑張らない」「やらなくていいことはやらない」「人に頼る」「評価される」、そんな「幸せ☆ハイパフォーマー」を共に目指して行きましょう。

自己肯定感は常に、周囲に迷惑なくらいアゲアゲで。

川崎 貴子

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リントス(株)代表。「働く女性に成功と幸せを」を理念に、女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を展開。
1972年生まれ、埼玉県出身。1997年、人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を手掛け、2017年3月に同社代表を退任。女性誌での執筆活動や講演多数。(株)ninoya取締役を兼任し、2016年11月、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。


イラスト:かしえみ

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