レーダー照射問題、韓国が8か国語で訴え…元自衛艦隊司令官「"人道主義"を前面に出して、世論に訴える戦術に切り替えたか」

AbemaTIMES

2019/1/8 16:30


 レーダー照射問題で韓国側が7日、反論動画の日本語版を公開。すでに公開されていた韓国語、英語に加え、合計8か国語を用いて国際社会に訴える手段に出た。


 動画の中で韓国は次の4点

 を示し、日本側に謝罪を求めた上で、「日本は、この事案を政治的に利用せずに、実務協議を通じた事実確認の手続きに入るべきです。」「万一、日本側が主張する火器管制レーダーの証拠資料(電磁波情報)があるとすれば、両国間の実務協議で提示すればいいことです。」と呼びかけている。

 今回の問題について、 元海上自衛隊海将で、自衛艦隊司令官も務めた香田洋二氏は「拘束力はないが、お互いにこういうことはやめましょうという、現場レベルでの約束のようなものもあるし、私が海上自衛隊である程度、責任のある立場になった1990年~2005年くらいまでは韓国軍と自衛隊は非常に仲が良かった。しかし竹島問題や慰安婦問題などもあり、2008年頃からそのパイプが細くなってきた。今回はそんな中で起きたことなので、お互い咄嗟にかゆいところに手が届くような会話をするのは難しかったのではないか」と指摘する。

その上で香田氏は今回の反論動画を受け韓国側の変化を指摘する。

「おそらく12月20日から1週間ほどの間に、日韓でクローズドな話し合いが行われたはずだ。ただ、日本側からすると韓国からの歩み寄りが見られず、ある意味で自衛隊の名誉を傷つけるような発言もあったので、24万人の自衛隊員を抱える防衛省としては、喧嘩を売るというより、立場を明確にし、その証拠を示すための合理的な手段として映像の公開に踏み切ったのだと思う。私は海上自衛隊OBではあるが、プロとして日本側の動画を見ると、機内の会話と映像に不自然さはないし、正直なものだと思った。韓国側もこれに反論するのは難しいと悟っただろうし、このまま事実関係の論争を続けてもあまり良い結果は得られないと思ったのだろう。そこで"人道的な救助活動を海上自衛隊が低空危険飛行で妨害した"という主張を全面に出した。"人道的"という、ある意味で誰も反対ができないようなカードを切ることで、改めて世論に訴えるという戦術に切り替えたなという印象だ」。

今後、問題はどのように着地していくのだろうか。香田氏は「日本はまだ事実関係についての議論をしているが、韓国側は政治的に捉えているし、政治的なことと技術的なことでのズレが起きている。お互いに苛立ちもあるし、簡単に謝ることはないだろう。ただ、相手を追い詰めるのは利口ではない。一度、出発点に戻って、両国の専門家が事実関係を突き合わせ、政治が判断するためのベースをしっかり作ることが必要だ。これは専門家でなければできない。ただ、韓国側が求めているレーダー波情報については、常識的に考えて世界中の軍隊が絶対に出さない情報だ。自分たちの能力を知られることにつながるし、韓国としても困るはずだ。仮に提供するとすれば、相手を信頼し、秘密保全を100%確約してやらないといけないし、政治にも明かさないようにしないといけない」と話した。

スマートニュースメディア研究所の瀬尾傑所長は「韓国側は国際世論に動画で訴えることもしているので、日本としても主張すべきことはきちんと国際世論に表明しないといけない。一方、反論動画を見る限り、実務者協議で問題を解決させたいというのが韓国側は本音だろう。やはり現実的な落とし所は外交だ。ただ、レーダー照射が事実で、現場が日本に対する思いが抑えられなかったということであれば、韓国軍の中でガバナンスが効いていないことになる。なぜそれが起きたのかということは、きちんと検証するべきだ」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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