あの人は“叫んでいない”!? ムンクの「叫び」は何をしている絵?

TOKYO FM+

2019/1/8 13:00

ラッパー・KEN THE 390とアーティスト・砂糖シヲリがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「TOKYO SOUNDS GOOD」。旬なアートの魅力を発信する「Art Good With artscape」のコーナーでは、東京都美術館の学芸員、小林明子さんにお話を伺いました。



◆ムンクの「叫び」は叫んでいない!?
東京都美術館では、画家エドヴァルド・ムンクの回顧展、「ムンク展―共鳴する魂の叫び」が開催中です。ムンクといえば、「叫び」という作品が多くの人に知られています。実はこの「叫び」は、描かれている人物が叫んでいる絵ではないという説もあります。「一見(描かれている)人物が叫んでいるふうにも思えるのですが、ムンク自身はこの作品を描いたときに、『自分は自然を貫く叫びを聞いた。そして叫びを描いた』というふうに述べています」と小林さん。「描かれている人物は、自分が叫んでいるというよりも、むしろ叫びに対して耐え切れず耳をふさいでいると。そういうふうにも考えられています」と解説します。
さらに、この「叫び」は、複数存在します。小林さんによると、ムンクは背景や色を変え、同じモチーフを繰り返し描いていたそうです。「叫び」もそうしたなかでいくつか描かれた作品で、「今回の(展示)作品は、後年にムンクが描いたバリエーションということになります」とのこと。今回の展示作品のテンペラ・油彩画作品以外に、パステルやクレヨンを用いて描かれた作品や版画が現存します。

◆ムンクが「自撮り」を好んだ理由
番組では、KEN THE 390から「アートシーンや美術史的には、(ムンクは)どういうところが評価されているんですか?」と質問。小林さんによると、「色彩と形の強烈な表現と、テーマとして内面的なもの、主観的なものを主題にした」というところが挙げられます。今では一般的ですが、芸術の表現として精神的なもの、個人的なものを主題にすることは彼が先駆けだったと言えるそうです。
続いて砂糖シヲリは、ムンクがたくさんの自画像を描いた点に注目。その数は80点ほどで、小林さん曰く、「自分自身を見つめるということもありましたし、そこでいろいろな表現を試みて実験的な絵画表現を探究したという部分もあります」とのことです。さらに自画像のためのセルフポートレート、今ふうに言う『自撮り』も残っているそう。その理由は、カメラに興味があったと同時に、自画像と同じように自分を捉えられたから、と考えられているそうです。今回の展覧会でも、10代の頃から晩年まで、さまざまな時期の自画像を観ることができます。

〈開催概要〉
ムンク展―共鳴する魂の叫び

会期:開催中~2018年1月20日(日)
休室日:月曜日(ただし、1月14日は開室)、1月15日(火)

開室時間:9:30~17:30(最終入室 17:00) ※金曜日は20:00まで(最終入室 19:30)
会場:東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト: https://munch2018.jp

この番組を放送しているGinza Sony Park内にあるartscape GINZAでは、ARコンテンツのエキシビション「AAAR Vol.1」が開催されています。専用のアプリから、3組のアーティストによるARコンテンツをご覧いただけます。会期は2019年3月17日(日)まで。会場や専用アプリの情報はこちら

【番組概要】
番組名:TOKYO SOUNDS GOOD
放送日時:毎週金曜14:00~16:55
パーソナリティ:KEN THE 390、砂糖シヲリ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/tsg/

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