桂文枝・小市慢太郎が語る阪神大震災の記憶「想像を絶する有様」


俳優の井浦新が主演するカンテレ・フジテレビ系スペシャルドラマ『BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸』(15日21:00~23:18)。1995年に起きた阪神・淡路大震災の実話を元に描く作品だが、同作には関西出身者も多数出演している。

井浦演じる高倉が務める磐巻組のOB・江戸川を演じるのは、大阪府出身の桂文枝。「『あの日のことは風化させてはいけない』と、常日頃から思っていました。あの日は、兵庫県に隣接している池田市の住まいもかなり揺れました。テレビ番組の収録日でしたが、その日の収録はなくなりました。数日後、吉本興業からの義援金を持って船で神戸入りしました。港には車が浮かび、高速道路は倒れ、がれきの中、神戸市役所を目指しました。あの日の光景は、今も忘れることはできません」と、当時の様子を振り返る。

崩落した六甲道駅の近くで焼き鳥屋を営む但馬源を演じる小市慢太郎も大阪府出身。「阪神・淡路大震災をドラマとして扱う以上、生半可なことはできない、それと同時にそれだけ時が経ったのだとも思いました」といい、「当時私は大阪に住んでいました。朝、強い揺れを感じ、すぐに目が覚め『大きな地震だったな』というのがその時感じたこと。その後、すぐ被災地に行きました。普段は1時間くらいで神戸に着きますが、その日は6時間近くかかりました。川を越える橋がほとんど通れなくなって大渋滞を引き起こしていました。現地は想像を絶する有様で、あまりの状況にむしろ現実感がないほどでした。倒壊したビル、割れた地面、倒れ火花散る電線、火災、吹き出す水、ガス漏れの臭い…記憶として鮮明に残っていますが、言葉では言い尽くせません。それほどの大災害でした。多くの人があの地震で人間として物質的にも精神的にも強く揺さぶられたと思います。本当に大切なものとは何なのか、すごく考えさせられました」と振り返った。

関西出身ながら、震災の記憶がない若い世代の俳優たちも出演。高倉から震災復興の様子の記録撮影を命じられた春日豊役の野村周平は、震災の少し前に兵庫県で生まれた。「僕自身も小さいころに震災を経験した人間なので、震災復興の物語に参加できるのはありがたい。知っている人が減ってきたというのもあるかもしれませんが、(震災の話は)あまり話さない。でも、普通に街の中に慰霊碑があるのですが、それが僕らからしたら普通でした。写真を見せてもらったことがあって、驚きました。両親からは、(子どもだから)“地面が揺れてるって喜んでた”ことと、親父がタンスの下敷きになったというのは聞きました。東日本大震災の時に、初めて記憶に残る震災というのを東京で経験して、その時に驚きで言葉が出なくなりました。(阪神・淡路大震災の揺れや被害が)これ以上だったんだと思うとやはり怖いです」と心境を打ち明けた。

物語の冒頭、現代パートで神戸の慰霊碑に落書きをする少年・佐渡島克也役を演じる葉山奨之は、震災直後の95年に大阪府で生まれた。「この作品に参加できなければ一生後悔すると思い、佐渡島克也を演じることに、すごい使命感を抱きました。 当時、僕はまだ産まれていないのですが、すごく不安で本当に大変だったと聞いています。 一生忘れてはいけない出来事だと思いますし、僕のように阪神・淡路大震災を知らない世代の方々にも、当時の出来事を伝えていかなければならないと思っています。 克也は阪神・淡路大震災を知らない16歳、その無知さを表現すること、そして絶対にしてはいけない行動をしてしまったと気づいた時の罪悪感をどう自分の中で償っていくのか。克也の気持ちの変化を常に心の中で考えて演じました」と話した。

主演の井浦は関東出身で、震災が起こった当時は20歳と若かったこともあり、また違った記憶を持っているという。「甚大な災害が起きたときにどうするべきか、という知識も経験も全く持っていませんでした。あの時の自分はただただ未熟で、すぐに行動を起こすという手段も発想もなかった。今度は自分への戒めとしてもちゃんとやり遂げたい」と熱く語っている。

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