12月ドル/円相場は約3.5%大幅下落、約半年ぶり安値圏


外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏が2018年12月の為替相場レビューと、今後注目の経済指標やイベントをもとにした今後の相場展望をお届けする。
○【ドル/円 12月の推移】

12月のドル/円相場は109.557~113.818円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.5%の大幅下落(ドル安・円高)となり、約半年ぶりの安値圏で2018年の取引を終えた。上中旬は112-113円台でもみ合っていたが、19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)をきっかけに、ドル安・円高に流れが傾いた。米連邦準備制度理事会(FRB)の継続的な利上げによって、「独り勝ち」とされてきた米経済にも下方圧力がかかるとの懸念が広がった。

なお、トランプ米大統領はFRBの利上げに批判的な見解をたびたび示した。クリスマスイブの24日には「米経済を巡る唯一の問題はFRBだ。FRBは市場感覚を持っていない。貿易戦争やドル高や民主党による政府機関閉鎖の影響を理解していない」などとツイートした。

こうした不透明感の強まりを背景に、12月だけで日経平均株価が約11.6%下落。NYダウ平均も約9.5%下落するなど世界的に株安が進む中、中旬以降にドル売り・円買いが強まった。
○【ドル/円 1月の見通し】

ドル/円は、2019年の取引2日目(1月3日)の早朝に、108円台後半から104円台後半へと急落する場面があった。これまで「独り勝ち」と評されてきた米国経済も、米中貿易戦争のあおりで減速が避けられないとの悲観的な見方が広がっており、年末年始にドル安が進んだ。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は2019年に2回の追加利上げを想定しているが、市場には真逆の利下げ観測が浮上。1月3日終了時点で米金利先物市場が織り込む2019年末までの利下げ確率は5割を超えている。市場のムードが悲観に傾きすぎた感は否めないが、この点については米経済指標を丁寧に確認していくほかないのだろう。4日の米12月雇用統計や16日の米12月小売売上高などの景気指標が、ドル/円相場にとっても、これまで以上に重要なファクターとなりそうだ。

米景気減速が鮮明化すれば、再び105円割れを試す可能性がある一方、米景気の底堅さが確認できれば、悲観の修正によるドル買戻しが強まり110円台の回復も視野に入りそうだ。また、米金融政策の先行きについては、4日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演や、29-30日のFOMC声明およびパウエルFRB議長の会見も注目を集めよう。いずれにしても、比較的振れ幅の大きい相場展開が続く公算が大きい。
○執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya

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