「夫の1度の不倫が許せない…」娘まで愛せなくなった女性の壮絶な“その後”

女子SPA!

2019/1/6 08:47



<不倫発覚、その後。 Vol.9>

「不倫がバレた」――今や有名人でも一般人でも“ありふれた話”ですが、その後、夫婦はどうなるのか? 壮絶な苦しみが待っているかもしれません。

不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが、不倫発覚後の”夫婦の行方”をレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)

◆妊娠中に旦那が浮気「夫のせいで人生が狂った」

妻が夫の浮気を許せないといきり立つのは当然のことだ。自分を裏切った、家族をどう思っているのだと怒るのもよくわかる。だけど……と、ミホコさん(46歳)は自分の経験を話してくれた。

「結婚したのは28歳のとき。30歳でひとり娘を産んだんですが、臨月に入っていつ生まれてもおかしくない時期、夫が浮気したことが発覚しました。夫が家に忘れていった携帯に女性からメールが来て、思わず見てしまったんですよ。『この前はとっても気持ちよかった。またしようね』という下品なメールで、帰ってきた夫にそれをつきつけたら、飲み屋で知り合った女性と1回だけ浮気したと白状しました」

そのショックからか彼女は産気づいてしまい、そのまま出産。浮気のことはうやむやになりかけた。

「今思えば、産後の私を夫はよくフォローしてくれました。でも私は自分が思い描いていた”幸せな出産”ができなかったことで、夫を恨んでいた。きちんと月日が満ちて穏やかな気持ちで出産したかったのに、夫のせいで私の人生が狂ったから」

ただでさえ気持ちが不安定になっているところへ夫の浮気が発覚したのだから、彼女が平常心でいられなかったのは当然だ。だが、その彼女の気持ちはそれから何年たっても続いた。

◆1年たっても夫を許せなくて、心療内科に

「子どもが1歳になったころ、私がそのことをもちだして夫を責めたんです。夫は本当に申し訳なかったと謝りました。あのときはオレもどうかしていたんだ、と。それを聞いても、私は夫を許せなかった。夫だけでなく、この子をみごもったからあんなことになったんだと娘に対しても感情的になる自分を抑えられなかったんです」

身体的暴力は加えていないが、ときおり娘に意地悪をしている自分がいた。娘がもっているお気に入りのおもちゃを意味なく取り上げたり隠したり。夫に愛されている娘への嫉妬だったのだろうか。

「産後も私は夫を生理的に受けつけなくなっていた。自分ではどうすることもできず、夫に内緒で心療内科に通い、カウンセリングも受けました。だけど自分自身の生き方を否定されているような気がしたのと、そういう状況での子育てが負担になって、とうとう自ら『少し休みたい』とひとりで実家に帰ったんです」

両親は離婚して、実家では母がひとり暮らしをしていた。だがミホコさんは、この母親と折り合いが悪かった。結局、身も心も安まらずに自宅に戻る。

◆娘に手を上げ家出、半年間一人で暮らし決めた答えは…

夫は気を遣ってくれた。だがそうなればなるほど、「だったらどうして浮気したのよ」と責めてしまう。一度キレると自分でも歯止めがきかなくなるのが怖かった。

「それでもだましだましがんばったんですよ。でもとうとう娘が小学校に上がるころかな、意味なく娘に手を上げてしまった。そんな自分がイヤで家出して。でもそれは育児放棄ですよね。わかっているからもう死ぬしかないと思いつめて。あのころどうしてそこまで追いつめられていたのか、今となってはよくわからないんですが」

1ヶ月ほど精神科に入院した。少しよくなって戻ると、家は夫の母親が切り盛りしていた。夫としてもどうしようもなかったのだろう。だが彼女は「邪魔者扱いされている」と感じたという。

「娘もおばあちゃんに懐いているし、私がいなくてもいいんだと思いました。夫は家でゆっくりすればいいと言ってくれたけど、姑から見れば『役に立たない嫁』ですもんね。とにかくひとりになりたい気持ちが強かったんです。そうしたら夫が近所にアパートを借りてくれました」

ひとりになって半年ほど考えた。そして彼女が出した結論が「離婚」だった。どうしても許せない、離婚したいと夫に言った。娘も手放した。

◆離婚から数年、「もっと夫の気持ちも聞けばよかった」

「当時はとてもすっきりしたんです。これで夫の浮気も帳消しになる、というか顔を見なくてすむのでラクになれる、と。その後、とある地方で住み込みで働きました。5年くらい前に再婚するつもりの男性がいたんですが、結局、裏切られた。そのとき、つくづく思いました。私は大事な家庭をどうして捨ててしまったんだろうと」

そこで初めて、彼女は憑きものが落ちたような気がしたという。浮気は確かに許せなかった。だけどもっと夫の気持ちも聞けばよかったのではないか、もっと言い訳させて言いくるめてもらえばよかったのではないかと。

「夫は優しい人だったんでしょう。浮気発覚後は、私に気を遣ってばかりだった。私は一度の過ちを許せなくて娘にまで迷惑をかけてしまった。私が年をとったこともあるんでしょうけど、家族のぬくもりが恋しい。娘に会いたい」

ミホコさんの目が潤んだ。人はいつでも正しい判断を下せるわけではない。あとになってから、「こうすればよかった」と思うことはある。当時、夫を許せなかった彼女の気持ちに偽りはないが、時はいろいろなことを変えていく。「寛容」であることは大事だが、いつどこで寛容になればいいのか、その決断はむずかしい。

夫は折りに触れて娘の写真を送ってくれているそうだ。

「いつか娘に会って謝りたい。夫にも謝りたいと思っています」

その日が早く来ますように。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数

あなたにおすすめ

ランキング

もっとよむ

注目ニュース

もっとよむ

あなたにおすすめ