36歳未婚彼女ナシ男が、10年ぶりに『あいのり』を見た正直すぎる感想

日刊サイゾー

2018/12/13 17:00



人気恋愛ハウツーブログ「ハッピーエンドを前提として」(https://www.zentei-happy-end.com/)のウイさん(36歳未婚彼女ナシ)が、青春時代に夢中になった『あいのり』の新シリーズをウォッチ! 

今、いわゆる「恋愛リアリティショー」が人気を博しています。『テラスハウス』に始まり、『バチェラー』『恋んトス』『オオカミくんには騙されない』、さらにはクロちゃんの『モンスターハウス』もあります。僕は36歳なのですが、今の30代が青春時代まっただ中だったころに夢中になった恋愛リアリティショーの元祖といえば『あいのり』でしょう。

フジ月9ドラマから『SMAP×SMAP』を見て、『あいのり』で締める流れは、当時の僕たちにとって月曜日の大事なルーティーンでした。平均視聴率15.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、最高視聴率20.4%という、日本中の若者がピンク色のワゴンで男女7人が世界中を旅しながら恋をする様子を見守りました。2009年に地上波放送が終了し、僕たちにとって『あいのり』が過去のものとなり、ずいぶんと長い時間が流れたある日、「Netflix・FODで『あいのり Asian Journey』として再スタートした『あいのり』のレビューを書きませんか?」という依頼が。受けたはいいものの、心配しかありませんでした。僕が見ていた『あいのり』は、出演者のほとんどが年上。自分より少し年上の大人たちが繰り広げる恋愛に抱いていたワクワク感を、立派な36歳、しかもいまだ独身のおっさんになった僕が楽しめるのか?

案の定、不安は的中します。早速シーズン1を見始めるも、「おぼこいな」という印象が拭えません。若い男女のやりとりに「え? 僕、今、何見せられてんの?」という、こちらが恥ずかしくなる展開ばかり。それどころか、ツッコミどころ満載なのです。

「いつまで女子にビットコインの話してんだよ、この男は」

「待て待て、なんだ米粒のネックレスって。何かあるだろ、ほかに」

「泣くな! 自作の歌で泣くな!」

「ハト胸って言うか、なで肩だよね」

「出会ってたった6日の人に告白するの!? なにその判断。Netflixだって1カ月無料でお試しできるのに?」

10代の頃はあんなに夢中になっていた『あいのり』に、僕は上から目線でツッコミを入れることでしか楽しめなくなってしまったのか? でもそれは、さまざまな恋愛を経験した僕が成長した証しなのか? 『あいのり』を見ていた頃は無垢だった証しなのか?

しかし、ストーリーが進むにつれ、『あいのり』から目を離せなくなっている自分に気づきました。いや、相変わらずツッコミは入れるんです。もう3分に1回は「なんだそりゃ」と無責任に上から目線でツッコんでる。

僕が夢中になった要因は主に3つ。

■修羅場シーンも普通に放送


 恐らく、地上波の『あいのり』ではカットされていたであろう修羅場が、普通に放送されるのです。「え? これ大丈夫?」というシーンがナチュラルに流れます。これがエキサイティング。ネット配信のいいところは、地上波ではNGがOKなところ。時には思わず「まじかよ」って声が出ます。例えば、ある女子が男子に切れて「貴様! コラァ!!」って怒鳴り、グーで殴りかかります。「ガチンコファイトクラブ」なんか目じゃない。女子が「貴様」っていう二人称をナチュラルに使います。そしてグーパンです。言い争いから逃げる男あるあるの「すべて僕が悪かったです。はいさようなら」という捨て台詞あり、「お前待っとけよ! 逃げんなよ!」という暴言あり、過呼吸あり。どんどん変わる怒りの矛先と、訳も分からず集合させられる男女。今から恋しようっていう男女がですね、ぶつかりまくるわけです。できます? 恋。キレたら「貴様!」って言って殴りかかってくる女子に、恋心抱けます? これは断じてヤラセではない。これらの修羅場のシーンだけでもいいので、みなさんにもぜひ見ていただきたい。きっと新『あいのり』夢中になれるはずです。

■メンバー選考が攻めている


 これもネット配信だからでしょうか。メンバーが明らかに地上波時代より攻めている。親の虐待が原因で18歳まで施設で育った女子、28歳童貞(童貞と公言していないけど絶対に童貞)、「面白いことが言えない」と泣きだす新人芸人のような女子、1曲だけオリジナルソングを披露して旅をリタイアする謎のイケメンなど、「個性派」という言葉では収まりきらないメンバーばかり。恋愛の行方をスタジオで見守るメンツも絶妙です。過去に不倫をしていた女子が出れば、オードリーの若林がベッキーに「不倫といえばベッキーさん、どうですか」と平気で振ります。「真実の愛を探す番組・あいのり」は、Netflix で、本当の意味でリアリティを得たのです。

■あいのりメンバーとの「世代の違い」


  新シリーズは「え? なんで告白OKじゃないの?」「え? なんでこのタイミングで告白するの?」「え? なんでそっちに告白するの? あっちじゃないの?」という驚きの展開の連続です。たぶんですが、この原因のひとつは、旧あいのり世代である僕たちとの「世代の違い」です。20代前半が多い『あいのり』メンバーのほんどは、自分の気持ちが100%になったら告白するのです。相手が今何%なのかなんて、大きな問題ではない。当然「こっちはまだ100%じゃないよ」と振られる。結果、「番組成立してる? 大丈夫?」と不安になるほど、全然カップルが誕生しない。若い彼らには何度だってやり直しができるから、振っても振られても大丈夫なんです。僕らが「次付き合う人とは結婚しなきゃ」「もう5年も付き合ってるから、結婚してくれるでしょ」という守りに入っている中、『あいのり』のメンバーは「100%の気持ち」という名の若さがあるからこそ振るえる愛の暴力で殴り合います。

さて、好き勝手言ってきましたが、ここで考えなければいけないことがあります。「僕たちは、彼らにとやかく言えるほどの恋愛をしてきたのか」ということです。面と向かって、一人の異性に100%の気持ちを声に出して「好きだ、大好きだ!」と伝えてきたのか? 地上波の『あいのり』を見て純粋な恋愛に憧れたはずなのに、おそらく多くの人は「あの頃の未来に僕たちは立っているのかな」の問いには「NO」と答えざるを得ないはずです。彼らに胸を張れるような恋愛を、僕たちはしていない。大人になり、賢く、ずるくなってしまい、傷つかないように、恥をかかないように、変なやつと思われないように、なんでもかんでもスマートに終わらそうとしてきたのではないか――。

大人になって、まるで手かせ足かせをつけられたような恋愛をしている旧あいのり世代に僕は言いたい。今すぐ『あいのり』に戻りましょう。彼らは、全身で、全力で恋愛をしています。人間臭くて、みっともないシーンもあります。でも、本来、人間の恋愛はみっともないものだったはずです。泣いたり、怒ったり、嫉妬したりしながら、みっともない部分を赤裸々にさらけ出す魅力が、地上波という呪縛から解き放たれた『あいのり』にはあります。僕たちがするはずだった恋愛を、人間臭さを爆発させた、まるで至近距離で殴り合うような恋愛を見て、ツッコんだり、驚いたり、懐かしんだりしながら、自分がするべき恋愛を思い出しましょう。

そして、シーズン2です。シーズン1で残っていたメンバーに新しいメンバーが加わります。29歳童貞も登場。どうやら、新しい『あいのり』には「童貞枠」があるようです。処女もいました。コンシーラーやビューラーを持ち歩く男子もいるし、シーズン1で猛威を振るったあの女子もいます。元気そうです。これは修羅場が期待できるな……と期待してたら、早速やらかしてました。あまりネタバレするといけませんので割愛しますが、期待できるメンツです。

最後に、曲がりなりにも恋愛ハウツーブログがきっかけでレビューを書く機会をいただいた身として、ひとつだけ僕なりの意見を述べます。

シーズン2、エピソード5のラストシーン。ある告白が残念な結果に終わります。それはしょうがない。でも、ここからが重要です。振った側が振られた側に、最後に手紙を渡すのです。「今までありがとう」という感謝の気持ちが綴られた手紙です。オンエアでは読み上げられることはないのですが、一瞬画面に映った手紙に僕は思わず「ちょっと待て」と巻き戻し、手紙が映るシーンで一時停止させました。やはり、見間違いではありませんでした。手紙には「また会おうね」のメッセージが書かれていたのです。

だからさ、そういうところなんだよ! 振る側のマナーとして、絶対にしてはいけないのは「優しさを見せること」なのです。いや、いいんです。『あいのり』で手紙を渡したのは若者なので。きっと純粋な優しさです。問題は僕たち大人です。例えば、付き合っている恋人に別れを告げるときに、最後の最後にいい人になろうとしてはダメなんです。「あなたのことを嫌いになったわけじゃないんだけど」や「友達に戻ろう」や「距離を置こう」という振り方は最悪です。自分を「いい人」にしたいのか、男性なら別れても身体の関係だけは続けたいがための卑劣な言葉です。相手は、そのわずかな希望にすがってしまいます。別れるってことは、振られる側はもちろん、振る側も無傷ではいられません。大人なら、ちゃんと傷ついて、傷つけて、別れましょう、相手がきれいに散れるように。

◆毎週木曜新エピソード配信中『あいのり Asian Journey SEASON2』<https://www.netflix.com/jp/title/80174280>

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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