「あなたには渡さない」半年前に出されていた婚姻届の裏切り「許せない、絶対に許さない」鬼になる女4話

エキレビ!

2018/12/8 09:45

通子「今夜、この姑息な、人を馬鹿にし切った泥棒猫を、どうやって懲らしめてやろうか」

12月1日(土)放送の、土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)第4話。

通子(木村佳乃)は、元夫・旬平(萩原聖人)への未練を断ち切るために、最後に一度だけ抱かれることを決めた。その後、旬平と愛人の多衣(水野美紀)は結婚。通子と旬平は、ようやく本当に「ただの社長と従業員」として、新生「花ずみ」で働くことができるようになったかに見えていた。


女が強くなるたびに、ほしいものは遠ざかる
通子が、弁当1,000食という大口の注文を取り付けてきた。これが成功すれば、「花ずみ」のためになるという。旬平と板前の矢場(青柳翔)に加え、多衣や娘の優美(井本彩花)たちまで動員しての弁当作りをしているところに、八重(荻野目慶子)が扉にぶつかりながら飛び込んできた。

痙攣しているように見えるほど震えている八重。愛人関係にあった「勝浪(かつなみ)」の板長・前田(柴俊夫)を、痴情のもつれから包丁で刺してしまったのだという。

八重「男って、いくつになってもこどもみたいなもんだから。特にあの人は、いつまでもガキ大将みたい。私よりずっと年上なのに、なんだかへその緒で繋がっているみたいな気がしてた」

自分が産んだこどもかのような繋がりを感じている前田とは、そのへその緒を包丁で切らなければ別れられなかった。前田は、八重のほかに仲居にも手を出していた。他の女に手を出すことも、機嫌を損ねると八重を怒鳴り散らすことも、こどものように八重への甘えがあったからできたことだったのかもしれない。

八重に自首をさせて警察の事情聴取から帰ってきた通子は、旬平が多衣に甘える瞬間を目撃してしまう。引き続き弁当作りを手伝っていた多衣が、通子と持ち場を変わろうとした。それを、旬平が止めた。

旬平「(通子の)血の匂いの染みついた手で、シャリは触らせられない」
多衣「そんなちょっとくらいの血の匂いにも負けるような、つまらない味なんですか。だったら、なおさら手伝い甲斐がないわね」
旬平「そんなに怒るなよ……」

旬平の、頬を膨らませたり唇を尖らせたり、口の中でモゴモゴと何か言いたげにしている感じ。「それは、妻に甘える夫の姿だった。私には、20年かけてもこの男からこんな夫の目を引き出すことはできなかった」と、通子は旬平との暮らしを思い返す。

3話では、通子は鶴代(萬田久子)に愛人向きだと言われていた。愛した男が自分のもとに戻ってくる多衣や八重のように、男を甘えさせることができない。妻と別れたという笠井(田中哲司)の甘えのような口説きも、カラッと笑顔でかわしてしまった。

通子と旬平の間の誤解がなくなってまた家族4人で一緒に暮らせたら、と見ていて思う気持ちもあった。しかし、旬平や笠井、多衣たちが言っていたように、後ろを振り返らない通子。前へ前へと強くなるたびに、旬平が遠くなっていく。

鬼になることを選んだ女・選ばされた女
通子をモデルに絵を描きたいと言っていた六扇(横内正)。通子は、彼に5,000万円で自分の絵を描かせ、その金で「勝浪」銀座店を買おうとしていた。しかし、六扇は心不全で亡くなってしまう。

六扇から送られてきた薪能(たきぎのう)のチケット。それに多衣を誘うために通子が電話をかけたとき、多衣が家で旬平の調理白衣にアイロンをかけていた。まるで、見えない場所でもマウンティングしているかのようだ。

多衣のマウンティングは、それだけではなかった。旬平が忘れて行った旅行会社の封筒を見てしまった通子は、実は多衣と旬平が半年前に結婚していたことを知る。金沢の河原で、通子が持ってきた婚姻届を拒否した多衣だったが、実はその2日後には婚姻届を提出していた。

通子「私は騙されていた。あのとき旬平は、私やこどもたちを借金から守るために離婚すると言い、私はそれを信じた。あの女は、私を笑っていたのだ。あくまで、旬平をめぐる女の戦いは続いているふりをしながら、まだ妻のつもりでいる私を心の中で笑っていた。それなのに、旬平よりもあの女を信じ始めていた馬鹿な私。まただ、また、私だけが除(の)け者」

うわあっ! と叫んで、橋の真ん中で崩れ落ちる通子の背中の痛々しさ。3話で、旬平が「俺は多衣とのことで、まだお前に隠していることがある。2つも」と言っていた。その隠し事の1つ目は、これだったのか。通子に反発して「言いたくない」って言ってたけど、言いなよ……。多衣はともかく、旬平はどうしてここまで通子を追い詰めるのだろう。

多衣は、1話で「一億払ってでも旬平さんを手に入れたいと思っています。私、あの晩に、鬼になろうと決めたんです」と言っていた。自ら決めて鬼になれば、自分のタイミングでそれをやめることだってできる。

しかし、鬼にならざるを得なかった通子はどうだろう。「私のプライドを『9月25日』という文字が粉々に打ち砕き、嫉妬と憎悪に歪んだ醜い顔をさらけ出させた。私自身が、一番見たくなかった顔を。許せない、絶対に許さない」と、憎しみを露わにした通子。「さらけ出させた」と、受け身の言葉を使っている。止められない醜い感情が、ついに5話で多衣にぶつけられることになる。

スピンオフドラマ第一話「いけない恋の玉子酒」
矢場「俺の道ならぬ恋は、女将さんが1,000人分の弁当を届けた日に始まった」


一方、弁当作りで交流のあった矢場と多衣のスピンオフドラマ『あいつには渡さない』が、AbemaTVで配信されている。矢場の婚約者を名乗る女・ふみ(唯月ふうか)が「花ずみ」を訪れるが、多衣がそれを撃退する。

矢場の「愛してる……」という電話のメッセージが公開されたり、多衣が「キモッ!」と顔を歪めるシーンがあったりと、本編と比べるとだいぶライトなコメディ。でも、熱がある多衣に矢場がしょうが入り玉子酒を作る場面は、その微笑ましさと矢場の調理の手つきに和み、うっとりしてしまう。矢場が、熱い玉子酒をふーふーして冷ます姿まで……! それを見て、肩の力が抜ける多衣。

多衣の、家に帰っても旬平がいないという話や、玉子酒なんか旬平に作ってもらったことがないという話。それらは、本編での不可解な多衣と旬平の関係を読み解くヒントにもなりそうだ。

スピンオフの2話は、12月8日深夜0時5分から配信される。続きがあるということは、矢場と多衣の関係もこれからどんどん進展し、本編に大きな影響を与えていくということ。スピンオフを見られる環境にある方は、本編と併せて見ておいてほしい。14分ほどの短いドラマなので、昼休憩や移動中、寝る前などにぜひ。

本編では、薪能のチケットを風に飛ばされ落としていた多衣。3話のラストでは、手を滑らせてお茶碗を落としていた。スピンオフを見るとより感じるが、通子が強くなるにつれ、1話であれだけ強烈だった多衣の存在が儚げになってきている。手元が緩くなってきているのも、そのためか。

通子、多衣、旬平、笠井の関係に矢場も加わり、想像以上の混線を見せてきた。第5話は、今夜11時15分から放送。

(むらたえりか)

▽青柳翔・水野美紀によるスピンオフドラマ
・『あいつには渡さない』(AbemaTV)

▽本編配信サイト
・Amazonプライムビデオ
・AbemaTV
・U-NEXT
・dTV

土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)
2018年11月10日(土)より 毎週土曜23時15分から
原作 連城三紀彦「隠れ菊」(集英社文庫刊)
出演 木村佳乃、水野美紀、田中哲司、萩原聖人、青柳翔、井本彩花、山本直寛、荻野目慶子
ナレーション 菅原正志
脚本 龍居由佳里、福田卓郎
音楽 沢田完
主題歌 chay feat.Crystal Kay「あなたの知らない私たち」(ワーナーミュージック・ジャパン)
オープニングテーマ FAKY「Last Petal」(rhythm zone)
ゼネラルプロデューサー 黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー 川島誠史(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ)
演出 植田尚、Yuki Saito
制作 テレビ朝日、MMJ

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