本当に「体に良い食品」とは?--「●●は健康に良い・悪い」が混在するワケ


大塚食品はこのほど、大豆を使った肉不使用ハンバーグ「ゼロミート」発売に合わせて、カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教授で医師・津川友介氏によるセミナーを開催した。津川氏は、著書『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の中で、健康になるための「体に良い食品」を発表した人物だ。

○健康になるための「体に良い食品」

津川氏: 今日はいくつかの質問を通して、食事に関する知識を身に付けていただきたいと思います。テレビやWebなどのメディアで情報が溢れる現代ですが、この3つだけ学んで帰ってください。

質問
(1)炭水化物は健康に悪く、食べると太る?
(2)ステーキは健康に良く、食べても太らない?
(3)大豆などの豆類は健康に良い?

――スクリーンに上記の質問が映し出され、会場の回答は見事にバラバラとなった。

津川氏: なぜこのように答えがバラバラになるのかを説明します。医学・科学の研究が毎日のように行われると、新しい結果が毎日出てくることになります。昨日「●●が健康に良い」といわれていたのに、2週間後には「健康に良くない」と見聞きすることになる。医学や科学の世界で「エビデンス」という概念があり、これをベースに研究結果が信頼できるものか判断するのですが、エビデンスには強いエビデンスと弱いエビデンスがあります。

エビデンス(科学的根拠)の階層
(1)メタアナリシス(複数のランダム化比較試験を統合したもの)
(2)ランダム化比較試験
(3)観察研究
(4)個人の経験談、専門家のエビデンスに基づかない意見

津川氏: (1)が最も強い(信頼できる)エビデンスで、(2)、(3)、(4)と弱くなっていきます。「何万人の患者を診ました。私の経験上、これがよく効くんです」という個人の意見は(4)。重要な情報ではありますが、「エビデンス」というコンセプトの中では最も信頼度が低いということになります。

たとえば、20の研究が行われると、10の研究で「●●は健康に良い」、残り10の研究で「●●は健康上のメリットが認められない」という結果が得られることもあります。そこで、(1)のメタアナリシスが重要になります。メタアナリシスとは、複数の研究結果を総合的に評価し、偶然の結果を排除し精度の高い分析を行うこと。これこそ、最強のエビデンス。私の著書のほとんどは、メタアナリシスの結果をもとに書きました。

メタアナリシスによる最初の質問の答え
(1)炭水化物は健康に悪く、食べると太る?⇒不正解
(2)ステーキは健康に良く、食べても太らない?⇒不正解
(3)大豆などの豆類は健康に良い?⇒正解

津川氏: (1)の炭水化物については、健康に良い炭水化物と健康に悪い炭水水化物があります。見た目が茶色い「精製されていない炭水化物」、つまり玄米や全粒粉、蕎麦やキヌアなどは、健康に良いことが複数の研究でわかりました。

「1日50グラムの白米を50グラムの玄米に置き換えると、糖尿病のリスクが36%下がる」、「玄米などの精製されていない炭水化物の摂取量が増えた人ほど体重が減る傾向がある」などの研究結果もあります。がんに関しては大腸がんのリスクを下げるという研究があります(ほかのがんについては不明)。白米は、男性だと朝昼晩で1日3杯のところを2杯にすると、糖尿病のリスクが25%下がることがわかっています。

(2)のステーキについては、動脈硬化や大腸がんのリスクを上げることがわかっています。体重に関してもステーキなどの「赤い肉」の摂取量が増えた人ほど体重増加していたという観察研究のデータがあります。牛肉や豚肉、マトンなどの赤い肉を、魚、大豆、鶏肉(白い肉)などの他のたんぱく質に代えたほうが病気のリスクが下がります。

(3)の大豆については、豆腐をよく食べる人は痩せている傾向があるという研究結果があります。健康面では、大豆などの豆類は、血圧やコレステロール、血糖値を下げるということが複数の研究で報告されています。「週2回、130~150グラムの赤い肉を大豆に置き換える」ことにより、血糖値、中性脂肪、悪玉コレステロールの値が下がると報告されています。大豆などの豆類は健康に良い食べ物であると言っても良いと思われます。

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