被害者続出の「殴られ恐喝」、回避する方法はない!?

日刊SPA!

2018/12/7 08:54



社会問題にまでなった繁華街のぼったくり。取り締まり強化によって被害は減少したが、それも束の間。挑発して自分を殴らせ、“示談金”という名目でカネを巻き上げるという新手の恐喝被害が歌舞伎町で流行、なかには“示談金”30万円払った被害者もいるという。

◆発生前の回避は困難。事後対応がカギに

こういったトラブルは歌舞伎町だけの話と思うなかれ。吉野寛人氏(仮名・37歳)は、旅先のススキノでトラブルに巻き込まれたという。

「居酒屋で友人仲間と飲んでいたら、隣の席にいた男が絡んできたんです。友人の一人にあまりにしつこく話しかけるので、僕が押し離すと、『殴っただろ! 訴えるぞ』と激怒。本気じゃないだろうと思いつつも、連絡先を交換すると、後日本当に訴状が届いた。友人たちの証言で助かりましたが、もし一人で飲んでいたら、自分が負けていた可能性もあります」

事件にはなっていないが、面倒な絡み方をされて、危うくワナにハマる寸前という事例もあった。

「若い客引きにしつこく絡まれ、無視して振り切ろうとしたら、『お兄さん、いまサイフ落としたよ!』と言われたんです。思わず振り返ると、憎たらしい顔で『ウソだよ、バーカ!』と。カッとしましたが、そこでやり返したら、どうなっていたことか」(札幌市在住の男性)

では、こうした“殴られ恐喝”を仕かけてくるのは何者なのか? 具体的な犯人像を知るべく、繁華街の事情に詳しい客引きに話を聞くと、「キャッチが“殴られ恐喝”をすることは考えにくい」という。

「たしかに、ぼったくり被害の報道が増えて以降、客引きの稼ぎは激減しました。そこで稼げなくなった古参キャッチが、その手の恐喝をしている可能性はないとは言い切れない。ただ、歌舞伎町の客引きは、元暴力団員などスネに傷がある人も多い。警察側に素性がバレたら被害届すら受理してもらえないので、“殴られ恐喝”を起こすとは思えません」

キッカケはなんでもあり、さらに犯人像も見えない……。もはや、巻き込まれることを前提に、不測の事態を覚悟するほかないのか!?

◆正否を主張するより、決着を後回しに

警察庁の統計によれば、恐喝犯の認知件数はここ5年で減少中。しかし、新宿に法律事務所を設ける青島克行弁護士は、「この手の事件はそもそも表沙汰にならないケースも多い」と話す。

「ケンカを吹っかけられた側は予期せぬトラブルでパニックになっていることが多い。『警察に行って事を大きくしたくない』『家族や友人に知られたくない』と考えてその場で示談金を払い、その後、誰にも話さない人もいるはずです」

また警察に取り合ってもらえず、心が折れて示談する人も多そうだ。

「警察は刺されて血が出ている被害者が助けを求めてきたような、要は、犯罪の発生が明らかといえるような場合でもない限り、すぐに刑事事件としては扱おうとしません。明確な証拠やケガもなく、『どっちが先に手を出した』程度の言い争いをしている場合、『双方で解決して』と突き返される可能性もあります」

しかし、自分の正当性を信じて、熱くなってしまうと事態は悪化するばかりだ。

「まずはこの手のトラブルが実際にあり、警察が対処しにくい場合もあると覚えておくこと。そうすれば、巻き込まれたときも冷静さを保ちやすいはず。相手が変な言いがかりをつけてきた場合は、やりとりをスマホで録画・録音するのもひとつの防衛手段です」

また、その場で家族や知人に連絡する勇気も大切だ。

「ケンカを吹っかける側は、相手が孤立してパニック状態なうちに“示談金”を払わせるのが目的。人数が増えて、決断を引き延ばされるのは絶対に嫌なのです。知り合いに助けを呼ぶ、それができなくても、とにかく『その場ではお金を支払わない』と結論は先送りにすること。後日になれば相手があきらめる可能性も高いし、それでも恫喝が続くようなら弁護士に相談するべきです」

対処法が周知され、これ以上被害が増えないことを祈りたい。<取材・文/古澤誠一郎 林 泰人(本誌)>

― [殴られ恐喝]の恐怖 ―

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