「まんぷく」57話。愛する萬平を守るため福子がついに進駐軍に英語で対抗する

エキレビ!

2018/12/6 08:30

第10週「私は武士の娘の娘です!」 第57回 12月5日(水)放送より
脚本:福田 靖 
演出:保坂慶太
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎


57話のあらすじ
倉庫を紹介したことによって世良(桐谷健太)まで進駐軍に捕まってしまった。
進駐軍が、野村(南川泰規)、高木(中村大輝)、堺(関健介)、そして福子と鈴を伴い、海で手榴弾の現場検証を行うが、この日に限って魚が一匹も捕れない。
このままでは萬平たちが反逆を企てる罪人になってしまう。福子は忘れていた英語を絞り出し、陸軍曹長ハリー・ビンガム(MONKEY MAJIKのメイナード・ブラント)に「My husband never ever does anything like that (私の夫は絶対にそんなことはしません!)」と訴える。

「ロストワールドや」
捕まってもまったくひるまず、取り調べにいつもの調子のいいしゃべりで対抗する世良。
萬平を潰したら「日本の損失や」「東洋の損失や」と言い、世良を潰したら「世界の損失や」「ロストワールドや」とまで言う。
日本語で調子よくしゃべってもたぶん何割かしか米兵には伝わってないだろうが、最後のこのキラーワード群はわかりやすいので趣旨は伝わったと思う。
ハリー・ビンガムは萬平に、そんなに優秀な発明家なら我々を攻撃する新型兵器も作れそうだと、かえって警戒する。

「僕は兵器は作りません」
だが萬平は「僕は兵器は作りません」と毅然と否認する。
9週のレビューで何度か、長谷川博己が音を使っていることが効果を成していると指摘した。
この場面でも長谷川は机を叩いて大きな音を立てる。
バン! 「誰かがその人たちを救わなければならないんです」
「あなたたちとまた喧嘩をしようなんて」バン!
「そんなくだらないことを考えている暇はない」バン!

萬平が「戦争」と言わず「喧嘩」と言うところが興味深い。
人々を殺める兵器を作らず、人々の幸福のために発明の才能を使おうとする萬平。
ともすれば優れた発明は兵器的なものにもなりかねないが、そうでない使い方をする、それが人間に課された命題であることは「鉄腕アトム」などからもうずっーと多くの作家が描き続けているテーマだ。
戦後復興の時代に人類の幸福を願って活動する立花萬平という発明家をメインキャラにしたことで、こういう硬派な物語ができた。

願わくば、それを女性主人公に託してほしかったが、主人公の福子は今のところ平和のために戦う男を支える役割。ヒーローもののヒロインのようなポジションになっている。
これはお母さんと一緒に朝ドラを見る男の子をも朝ドラファンとして取り込む作戦だろうか。
かつて、子供と一緒に見ていたお母さんを取り込んだ平成ライダーのように。
ライダー男子を朝ドラにキャスティングさせて成功してきた朝ドラだけに、ここまでやってもおかしくはない。

57話の世良の取り調べ場面でもかかっていたすっかりおなじみのノリのいい劇伴のタイトルは「やってやるぜ」でダンクーガ(矢尾一樹)かと思ってしまうもの。

英語が話せた!
ヒーロー萬平を支える福子は、せっかく英語を習っていたのに、進駐軍相手に英語がちっとも生かされず、
鈴にぶつぶつ言われる。克子(松下奈緒)はかばうが、福子だってふがいない気持ちでいっぱいだろう。
いよいよ萬平に危機が迫ってきた時、「My husband never ever does anything like that (私の夫は絶対にそんなことはしません!)」と英語を話すことができた。
真一については「He…… He ……ヒー ヒー」としか言えなかったが、萬平への愛が勝ったといえるだろう。
それを聞いたハリー・ビンガムは自分の家族を思い出す。

57話の終盤、萬平さんが仲間を鼓舞する。
「僕たちは仲間だ。ひとつになって戦う仲間なんだ」
長谷川博己だから「シン・ゴジラ」的なイメージを喚起させたいのかと思ったり、
萬平さんが海で麦わら帽子をかぶっていたから「ONE PIECE」的なイメージなのかと思ったり……。

「なんでハナちゃんがおじちゃんたちと」
新聞を見て、清香軒の夫婦・竹春、まさの(阿南健治、久保田磨希)とハナ(呉城久美)が心配して来た。

福子「なんでハナちゃんがおじちゃんたちと」
ハナ「私も新聞読んで福ちゃんたちが心配になって」
まさの「たまたまそこで会うて一緒に来たんよ」
うるさ型の視聴者のチェックに答えるような完璧な説明台詞である。

ラーメンを3杯(福子、鈴、タカちゃんもいるかも)をもってきてくれてそれを美味しく食べる福子、鈴、克子。塩運びなどもっとも重労働そうだった忠彦(要潤)がお腹を鳴らすと克子が分け与える。
ごはん作る気も食べる気もしないときにラーメンがあって助かる~という状況。
このドラマ、ちょいちょい「ラーメン」の必要性を視聴者の潜在意識に植え付けてくる。
でもそれがあからさまなので、「サブリミナル効果」じゃないか! と指摘できないところがじつに巧妙。
このもやもやが進駐軍に強引に罪を着せられてしまいそうな登場人物の恐怖とうまくリンクしているのが狙いだったらすごい。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月~土、朝7時15分から再放送中。
かわいいイラスト入のお弁当箱をつくりはじめる。
56話

「あさが来た」 月~金 総合夕方4時20分~2話ずつ再放送
「透明なゆりかご」で活躍した清原果耶が女中ふゆ役で出演している。
19話

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