20代で差がつく「お金の基礎教養とやりくり」の原則 第2回 20代が「賃貸暮らし」期に、マイホームの頭金を貯める


人生で一番大きな買い物といわれるマイホームですが、現在は多様な生き方や選択肢に目が向けられており、住宅に対する価値観も変わりつつあります。

夫婦に子供がいる家庭を「一般的な家庭」とよくいいますが、この一般的な世帯数はどんどん減ってきており、平成30年の間に一般的な世帯数が占める割合は全体の41.4%から29.5%まで低下しました(厚生労働省 平成29年「国民生活基礎調査」より)。

一方で、単身世帯や夫婦のみの世帯数は2倍近くまで増えています。

マイホームを購入するということは、「『どういう生き方をしたいのか?』『どんな家庭を築きたいのか?』ということに向き合う」ともいえそうです。
○住宅ローンを上手に活用

頭金を貯める方法の前に、そもそもどれぐらい頭金が必要なのかを確認しましょう。よく、頭金は購入額の1~2割必要ですといわれますが、実際はどうなのでしょうか?

住宅を購入する際は、ほとんどの人が住宅ローンを組むことになりますが、現在、住宅ローンの金利は非常に低い状態が続いています。

さらには住宅ローン減税制度があり、住宅ローンの残高に応じて10年間所得税や住民税が軽減されます。

また、住宅ローンに加入すると原則、団体信用生命保険(通称「団信」)にも合わせて加入することとなります。

団信とは、万が一契約者が亡くなった場合に住宅ローンの残高がゼロになるという保険です。団信のおかげで一家の大黒柱を失った後、家族は住居費を心配することなく生活することができるのです。

「住宅ローンは借金、できるだけ頼りたくない。購入は少しでも多く頭金の用意ができてから」と住宅ローンにマイナスイメージを持っている人も多いのですが、上のようなローンの特性をおさえると、ある程度住宅ローンに頼るというスタンスも1つの方法です。

現在は住宅費のみならず、諸費用も含めて住宅ローンを組むこともできます。頭金を貯めている間に今住んでいる住宅の家賃を払い続けなければなりません。

低い金利水準が徐々に上がっていく可能性もあります。もちろん頭金は多いに越したことはありませんが、「何割頭金を貯める」という目標を立てるよりも、自宅を購入するタイミングや毎月返済可能な金額などに目を向けることが重要です。

とはいえ、手付金などを払う場合もあるため少なくとも100万円程度は用意しておきたいです。
○給与は天引き、賞与を貯蓄

手付金や諸費用など一定の資金があると安心して住宅購入に向きあえます。そういった頭金を貯めるためには、給与天引きで強制的に貯蓄できる状態をつくっておきたいところです。

勤め先の財形貯蓄制度はじめ、各金融機関の積み立てサービスなどを上手に使い、「知らず知らず貯まっている」という状況を確保してください。

また、賞与(ボーナス)も大部分は住宅購入のために貯蓄にまわしてください。

毎月の給与は労働の対価としてもらえるものですが、賞与は本来、会社の業績などに応じてもらえるご褒美のようなものです。業績が悪いと大幅に減らされる可能性もあるわけです。

年2回一定額支給されるのが当然と思わずに、賞与がなくても生活できる水準を意識することも重要です。

よって、住宅購入という大きな目標があるため、賞与の大部分は手をつけずに貯蓄に回しましょう。

実際に、住宅購入後も教育費や車、家族での旅行や冠婚葬祭など様々な支出があるため、賞与をあてにして生活している人はお金が貯まらない傾向にあります。

こういう場合、病気や会社の都合など予期せぬ転職などで収入が減るとたちまち生活が厳しくなっていきます。

これに加え、住宅ローンも返済していくことになるわけです。よって、頭金を貯めて住宅を購入した後も、「賞与はご褒美。もらえたらラッキー」という感覚で大部分は将来にまわし、毎月の給与をベースに生活予算を立てておきたいところです。
○購入タイミングで準備の仕方は変わる

住宅購入を5年後や10年後など長期的なビジョンで計画している場合は、株や投資信託といったリスク商品で積み立てを行うことも検討してください。

住宅ローン金利が最低水準であるということは、預金なども超低金利で、預けていてもほとんど増えません。

よって、リスクがあるため、全額とはいかないものの、積立額の一部を投資に回すことで、増やすことにも目を向けてください。

株や債券などを1つのパッケージにした投資信託が最適な投資対象といえます。もちろんリスクはありますが、毎月毎月一定額積み立てることでリターンが出やすい状況をつくることができます。

これをドルコスト平均法といいます。

相場を予想するのは難しいため、毎月の購入額を決めることで、自動的に価格が高い時には口数が少なくなり、価格が低い時は多い口数を購入することになります。

長期的に実施すればより効果が期待できます。また、「つみたてNISA」という非課税で投資ができる制度もあります。

金融庁が選定したコストの低い投資信託を少額ずつ積み立てていくため、ドルコスト平均法も機能し、また利益が出ても課税されないため税務上も有利です。頭金のためにはじめるのもよいでしょう。
○正しい知識を得ることが大切

住宅購入はじっくり計画的に進め、それに応じた頭金の準備を行ってもらいたいところですが、意外と住宅はひょんなことから購入に至ることもあります。

車のように同じものが何台も生産されていればいいのですが、住宅はそうはいきません。

理想のエリア、予算などにピッタリ合うものはそんなに多くはなく、たまたまドライブをしていた時に「運命の物件」と出会い、すぐに購入というケースは珍しくありません。

頭金の準備と同じぐらいに大切なことは、住宅ローンや不動産について正しい知識を得ることです。

人生で一番大きな買い物に向けて、知識や情報も積み立てていきましょう。

○著者プロフィール: 内山 貴博(うちやま・たかひろ)

内山FP総合事務所
代表取締役
ファイナンシャルプランナー(CFP)FP上級資格・国際資格。
一級ファイナンシャル・プランニング技能士 FP国家資格。
九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻 経営修士課程(MBA)修了。

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