買ってはいけないモバイルバッテリーの見分け方。発煙や火災が急増中

日刊SPA!

2018/12/6 15:53



ITジャーナリストの久原健司です。

11月9日午後5時55分ごろ、上野-大宮間を走行していた東北新幹線内で、乗客が落としたモバイルバッテリーが発煙し、緊急停止したというニュースがありました。

このようなモバイルバッテリーの事故は、実は多く発生しています。平成25年には9件だったのが、平成29年では53件と右肩上がりで事故件数が増えており、さらには平成25年~29年の総数150件のうち約7割が火災を伴う事故となっています。

※NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)調べ

報告されていないものも含めると、さらに多くの事故が発生していることが予想されます。それを受け、経済産業省では、平成30年2月にモバイルバッテリーを電気用品安全法の規制対象としたのはご存知でしょうか?

そこで今回は、モバイルバッテリーを購入する際や使用時に注意すべき内容についてお話したいと思います。

◆どのようなモバイルバッテリーを選ぶべき?

まず、事故が起こらないようなモバイルバッテリーの選び方を3点紹介します。

①PSEマークがついている

PSEマークとは、電気用品安全法に基づき、国の定める安全基準の検査に合格した電気製品に表示されるものです。平成31年2月以降、PSEマークのないモバイルバッテリーは販売されなくなりますが、現状ではマークなしのものも販売されています。

メーカーや販売業者は、電気製品に漏電などの危険がないといった安全基準を確認した上で、PSEマークを付けることが義務付けられています。モバイルバッテリーは電気用品安全法上「特定電気用品以外の電気用品」として扱われるため、ひし形ではなく、丸型のPSEマークがついていることを最低限確認してください。もちろん、ついていれば事故が発生しないわけではありませんが、国が定めた一定の安全基準などを満たしている証になります。

②リコール品でないか確認する

リコール品とは、なんらかの欠陥・不具合・事故の発生などにより安全上の問題が生じる可能性がある製品、または安全に使用するための予防的措置が必要な製品のことを指し、事業者が回収、修理を行うものです。

リコール情報は経済産業省のページで確認できます。経産省のページに赤字で記載されている製品は重大製品事故を契機としたリコール製品ですので、既に購入している製品が該当していないか確認をすると良いでしょう。

③信頼できるメーカーであることを確認する

家電量販店で販売されているモバイルバッテリーに関しては、きちんと精査をして仕入れをしているはずですので、危険性は低いと思います。しかし、安いといった理由などでネットで購入した場合は注意が必要かもしれません。

ネットで販売されているモバイルバッテリーには、聞いたことのないメーカーのものも多く、国内だけでなく海外製も多く販売されています。

中には、PSEマークを取得していないのに取得しているように表記し、安価に販売しているものも存在します。ネット上ではPSEを取得しているかどうかの判別方法がないため、リスクがあります。国内製だから安全、海外製だから危険というわけではありませんが、多少値段が高くとも信頼できるメーカーの商品を購入することが非常に大切です。

ちなみにPanasonicやSONYのような大手以外で信頼していいメーカーとしては、Anker、AUKEY、cheero、BUFFALOなどといったメーカーですね。

◆なぜ発煙するのか? 使い方の注意点

ほとんどのモバイルバッテリー、また、スマホやノートPCのバッテリーには、リチウムイオン電池が使われています。このリチウムイオン電池は、エネルギーをため込むセルと、充放電を管理する保護回路で構成されており、何らかの原因でセルが損傷したり、ショートしたりすると、異常な電流が流れて発熱→発煙→発火という事故につながります。

この「何らかの原因」として挙げられるのは、まず、製造上の不具合によってセルへの異物の混入や内部のゆがみがあったりする場合です。

これに関しては、PSEマークやリコール品でないことをきちんと確認していれば、ほとんどの場合は防ぐことができるはずです。

次に、保護回路の故障によるものです。

最新のモバイル機器には、過充電を防ぐために100%まで充電されると自動的に給電が止まるよう保護回路が搭載されています。

しかし、充電中の使用はモバイルバッテリーに必要以上に負荷をかけることで、事故発生の確率は上がります。電池残量が少なくなり、やむを得ず行う場合もあるとは思いますが、電池残量が90%以上では外したほうが危険性は低くなるので、少なくとも100%の状態で繋げたまま使用するのは極力避けるようにしましょう。

最後に、乱暴な扱い方によりモバイルバッテリーに衝撃が加わってセルが変形・損傷したり、保護回路が故障したりするケースです。

また、コネクターなど端子が曲がったものは使用しない・就寝中などの充電時は周囲に可燃物を置かないといった内容は経済産業省から使用の際の注意事項としても発信されていますので、注意するようにしましょう。

モバイルバッテリーは非常に便利で、スマホのヘビーユーザーには必須アイテムとなっています。ぜひ、今回の記事を参考にしていただき、周囲にも自身にも危険のないモバイルバッテリーを選ぶように心がけましょう。

【久原健司】

1978年生まれ。ITの人材派遣会社やソフトウェア開発会社を経て、2007年に株式会社プロイノベーションを設立。現在は、一般社団法人日本情報技術振興協会(JAPRO)認定講師として企業研修を行ったり、、日本一背の高いITジャーナリストとしてwebメディアでも活躍している。

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