【米ビルボード年間アルバム・チャート】テイラー・スウィフトの話題作1位、ヒップホップ勢がTOP10を賑わす

Billboard JAPAN

2018/12/6 15:30



2018年の年間アルバム・チャートは、テイラー・スウィフトの『レピュテーション』が首位に輝いた。

No.1デビューを果たした2017年12月2日付チャートから、3週連続で1位をキープし、2018年1月13日付チャートで返り咲き・通算4週目の首位を獲得した『レピュテーション』。2018年度(2017年12月~2018年11月)の初動ユニット数としては最高の1,238,000を記録し、累計売上枚数は200万枚を突破するモンスター・ヒットとなった。テイラーは、2010年の3rdアルバム『スピーク・ナウ』(104.7万枚)から4作連続で初動ミリオン突破を果たしている。

年間チャート1位獲得は、2009年のアルバム・チャートを制した2ndアルバム『フィアレス』、前作『1989』(2015年/1位)に続く3作目の快挙。デビュー・アルバム『テイラー・スウィフト』(2008年/5位)、3rdアルバム『スピーク・ナウ』(2011年/2位)、4thアルバム『レッド』(2013年/2位)と、これまでリリースした7枚のアルバム全てが年間TOP10入りを果たしていて、前6作はいずれも2年連続で年間TOP10入りしている。

売上枚数(セールス)は2位以下と大差をつけ断トツの1位獲得となったが、ストリーミングによる売上がイマイチだった。リリース当初は配信(ダウンロード)とパッケージ販売のみで、アルバムのストリーミングは約1か月後の12月1日からスタートしたが、それがポイントに大きく影響したとは言い難く、アルバムからのシングル曲も視聴回数が伸び悩んだことでヒットに繋がらなかった。前作『1989』からは4曲のNo.1ヒットが輩出されたが、本作からは昨年8月にリリースした先行シングル「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」の1曲のみで、TOP10入りも「…レディ・フォー・イット?」(最高4位)の2曲にとどまっている。

対照的に、年間2位にランクインしたドレイクの『スコーピオン』は、売上枚数(実売)が30万枚にも満たなかったが、ストリーミングによるみなし売上が200万枚を突破する大ヒットを記録した。7月14日付チャートでNo.1デビューした際の初動ユニット数は732,000で、そのうちアルバム・セールスが160,000枚、551,000枚がストリーミングによるみなし売上だった。2018年にリリースされたアルバムとしては最大の初動ユニットで、週間ストリーミング数としては歴代1位の7億4,590万視聴を記録している。

本作からは、年間ソング・チャート1位に輝いた「ゴッズ・プラン」(11週)、9位の「イン・マイ・フィーリングズ」(10週)、11位の「ナイス・フォー・ホワット」(8週)の3曲がNo.1を獲得し、「ノン・ストップ」(最高2位)や「ドント・マター・トゥ・ミー」(最高9位)など、計7曲がTOP10入りしている。アルバムがNo.1デビューした同日のチャートでは、本作からのタイトルがTOP10に7曲、TOP20に12曲、TOP40に計21曲がランクインし、同一アーティストがTOP10内にデビューさせた曲数としては、今年4月にJ.コールが記録した3曲を上回る4曲に更新した。

ドレイクの年間アルバム・チャートTOP10入りは、2ndアルバム『テイク・ケア』(2013年/3位)、4thアルバム『ヴューズ』(2016年/2位)、ミックステープ『イフ・ユア・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』(2015年/4位)、前作『モア・ライフ』(2017年/5位)に続く通算5作目。TOP200には、33位の『モア・ライフ』他8枚のアルバムがランクインしている。

3位にランクインしたポスト・マローンの『ビアボングズ&ベントレーズ』も、ドレイク同様、ストリーミングによるポイントが大半を占めたアルバム。初登場1位を記録した5月12日付けチャートで獲得した初動ユニット461,000のうち、アルバムの純粋な売上は153,000枚、ストリーミングによるポイントが288,000で、累計枚数も8割以上がストリーミングによるポイント(売上)だった。本作からも、年間5位にランクインした「ロックスターfeat. 21サヴェージ」、6位の「サイコfeat.タイ・ダラー・サイン」がソング・チャート1位を獲得し、年間13位にランクインした「ベター・ナウ」の計3曲が大ヒットを記録。彼もまた、今年を代表するアーティストとしての大活躍をおさめた。なお、デビュー・アルバム『ストーニー』は、昨2017年の年間アルバム・チャートで7位に、今年は8位にランクインし、2年連続のTOP10入りを果たしている。

今年はサウンドトラックが大豊作の1年だったが、中でも『グレイテスト・ショーマン』の人気はすさまじく、年間チャートでは4位にランクインする大ヒットを記録した。1月7日に米ロサンゼルスで開催された【第75回ゴールデン・グローブ賞】で本作収録の「ディス・イズ・ミー」が<最優秀主題歌賞>を受賞し、3月4日開催 の【第90回アカデミー賞でも無冠ながら大きな話題をあつめたことが、アルバムのヒットに繋がった。1月~3月までにミリオンを突破し、累計売上は150万枚を突破。リリースから1年が経過した12月のチャートでも、TOP10に返り咲く異例のロング・ヒットを記録している。

TOP10入りは逃したが、2月24日付チャートから2週間の首位を獲得したサウンドトラック『ブラックパンサー:ザ・アルバム』は年間12位にランクイン。本作は、ケンドリック・ラマーによるプロデュース作品で、ケンドリック・ラマーとR&Bシンガーのシザによるコラボレーション「オール・ザ・スターズ」や、ザ・ウィークエンドとケンドリック・ラマーによる「プレイ・フォー・ミー」などのTOP10ヒットが輩出された。昨年の年間アルバム・チャートを制したケンドリック・ラマーの『DAMN.』は13位に、シザのデビュー・アルバム『Ctrl』は31位に、ザ・ウィークエンドのEP盤『マイ・ディアー・メランコリー』は48位にランクインしている。

2017年の年間アルバム4位をマークしたエド・シーランの『÷(ディバイド)』は、今年も5位にランクインし2年連続でTOP5入りする快挙を達成した。昨年は本作からの1stシングル「シェイプ・オブ・ユー」が年間1位を獲得したが、今年は4枚目のシングル「パーフェクト」が年間2位に輝き、アルバムのヒットに繋げた。エド・シーランの年間TOP10入りは、2015年に2位をマークした2ndアルバム『x(マルティプライ)』含む2作目。アメリカでの累計売上枚数は400万枚、ワールド・セールスは1000万枚近くに達している。

年間ソング・チャート7位にランクインした「アイ・ライク・イットfeat. バッド・バニー&J.バルヴィン」含む、カーディ・Bのデビュー・アルバム『インヴェイジョン・オブ・プライバシー』は6位にランクイン。4月21日付チャートでNo.1デビューを飾った本作からは、「アイ・ライク・イット」と「ボーダック・イエロー」が1位を獲得し、「ビー・ケアフル」(最高11位)や「バーティエ・カーディ」(最高14位)などシングルが立て続けにヒット。4月から集計期間終了の11月まで上位にランクインし続け、累計ユニットは200万枚を突破する大ヒットとなった。カーディは、マルーン5の「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」(年間10位)やブルーノ・マーズの 「フィネスfeat.カーディ・B」(年間14位)など、フィーチャリング・アーティストとしてもヒットを飛ばし、今年は大活躍の1年だった。

カーディと離婚を発表したばかりの夫・オフセット率いるミーゴスの3rdアルバム『カルチャーII』も、年間10位にランクインし、2017年の年間8位をマークした前作『カルチャー』に続き、2年連続、2作目の年間TOP10入りを果たした。本作からは、カーディ・Bとニッキー・ミナージュがコラボした「モータースポーツ」(年間34位)、ドレイクをフィーチャーした「ウォーク・イット・トーク・イット」(年間43位)、ファレルによるプロデュース曲「スティア・フライ」(年間48位)の3曲がTOP10入りし、アルバムのヒットに貢献した。

最新のアルバム・チャート(2018年12月8日付)で1位に返り咲いた、トラヴィス・スコットの『アストロワールド』は年間8位と伸び悩んだ印象を受けるが、集計期間が年度またぎしているため、おそらく2019年の年間チャートでも上位にランクインするだろう。8月18日付チャートでNo.1デビューした際の初動ユニットは537,000で、そのうちストリーミングによるみなし売上が267,000枚、アルバムの実売が270,000枚と、どちらも安定したポイントを獲得している。初動ユニット数としてはテイラー、ドレイクに次ぐ3番目に高い数字で、累計ユニット数はミリオンを突破している。本作からは、シングル「シッコ・モード」が同12月8日付チャートで1位を獲得した。

今年の6月に急死したエクスエクスエクステンタシオンの2ndアルバム『?』が年間9位に、デビュー・アルバム『17』は19位にランクインしている。『?』は、今年の3月31日付チャートでNo.1デビューした後、訃報を受けて6月に再びTOP10に返り咲き、上位をキープした。アルバムからは「サッド!」が年間17位にランクインし、「ムーンライト」や「チェンジ」などのヒットも生まれた。エクスエクスエクステンタシオンの他には、16位にリル・ウージー・ヴァート、18位にジュース・ワールド、29位にG・イージーがランクインするなど、若手ラッパーの作品がランクインを果たした。一方、17位にランクインしたエミネムの『カミカゼ』や、24位のリル・ウェイン『カーターV』など、ベテラン・ラッパーたちも頑張っている。

11位にはイマジン・ドラゴンズの『エヴォルヴ』がランクインしたが、今年はロック・バンドやカントリー・シンガーによるTOP10入りはなく、上位はほぼラップ勢が占めた。シングル・ヒットがない、ストリーミングの弱いアルバムは、1位獲得を果たした翌週に一気にランクダウンする傾向にあり、よってロックやカントリー系のアーティストは上位にランクインできなかった、ということになる。

Text:本家一成

◎【Billboard 200】2018年年間チャートTOP10
1位『レピュテーション』テイラー・スウィフト
2位『スコーピオン』ドレイク
3位『ビアボングズ&ベントレーズ』ポスト・マローン
4位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
5位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
6位『インヴェイジョン・オブ・プライバシー』カーディ・B
7位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
8位『ストーニー』ポスト・マローン
9位『?』エクスエクスエクステンタシオン
10位『カルチャーII』ミーゴス

あなたにおすすめ

ランキング

もっとよむ

注目ニュース

もっとよむ

あなたにおすすめ