“便器”が芸術品? センセーショナルな“現代美術”の楽しみ方

TOKYO FM+

2018/12/5 18:30

ラッパー・KEN THE 390とアーティスト・砂糖シヲリがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「TOKYO SOUNDS GOOD」。旬なアートの魅力を発信する「Art Good With artscape」のコーナーでは、特別展「マルセル・デュシャンと日本美術」を開催中の東京国立博物館から、研究員の松嶋雅人さんをお迎えしました。



◆現代美術を始めた人、マルセル・デュシャン
東京国立博物館ではマルセル・デュシャンの展覧会が開催中ですが、そもそもマルセル・デュシャンとはどんな人なのでしょうか。松嶋さんに伺ったところ、「簡単に言いますと、現代美術を始めた人です。『現代美術の父』というふうにも呼ばれます。現代美術といわれるものは、いろいろなかたちで生まれていますけれども、一番コアになる人と言っても間違いではないんじゃないかと思います」とのこと。現代美術には、ルールを壊すといったイメージがありますが、そのイメージはマルセル・デュシャンが作ったものと言えるそうです。
最も有名な作品には、オーダーメイドの反対でレディメイドと呼ばれる、他者が作った既製品の便器をひっくり返して、他人の署名をして展覧会に応募した≪泉≫があります。当時は展覧会を主催する協会で物議を醸したため、本作が実際に展示されたかは諸説あるそうですが、便器を便器本来の機能を外してオブジェとして提示したことは、美術史上に残るセンセーショナルな試みでした。

◆「便器」で何が変わった? 東京国立博物館で探る!
そんな「現代美術の父」の作品が揃えられた展覧会、「マルセル・デュシャンと日本美術」ですが、前出の≪泉≫を作る以前と以後の作品が並べられ、さらに日本のレディメイドとして、千利休作といわれる竹花入なども展示されています。
番組では砂糖シヲリから、≪泉≫制作以前と以後の作風の違いを伺いました。松嶋さんいわく、「実は、変わっていないように見えると思います。最初デュシャンは、絵画からやっていて、当時の近代絵画の前衛的な表現を試しています。その後、絵画を途中で放棄します。それで立体的なレディメイドと呼ばれる便器や自転車の車輪、工業製品を表現に使うんですけれども、何か求めるものがあって、それが遺作までずっと続いてる」とのこと。作風は時期によってさまざまながら、一貫した作品テーマを感じることができると解説してくださいました。
最後にKEN THE 390から、「実際に観にいくと、型にはまらないような作品ばっかりだと思うんです。どういう心構えで観にいったらいいですか」と質問。松嶋さんは、「展示室で眉間にしわを寄せて観ている方もいらっしゃって、一生懸命考えていただいているんですけど、私自身としてはもう少し『何やってんだ? これ』っていう感じで観ていただきたいです」と言います。「『自分にはこういうセンスはないな』であるとか、『これ、格好いいな』という感じで。でも結局、現代社会にはデュシャンのいろいろな影響が残っているということがわかるはずですので、それを楽しんでいただけたらなと思います」と締めくくりました。

〈開催概要〉
東京国立博物館・フィラデルフィア美術館交流企画特別展
マルセル・デュシャンと日本美術

会期:開催中~2018年12月9日(日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:9:30~17:00
毎週金・土曜日は21:00まで。 *入場は閉館の30分前まで。
会場:東京国立博物館(平成館 特別展示室 第1室・第2室)[東京・上野]
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
主催:東京国立博物館、フィラデルフィア美術館
お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:http://www.duchamp2018.jp/

【番組概要】
番組名:TOKYO SOUNDS GOOD
放送日時:毎週金曜14:00~16:55
パーソナリティ:KEN THE 390、砂糖シヲリ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/tsg/

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