【クルマ塾】プリウスPHVは理想のドライブカー! 横田紀一郎氏の破天荒な西アフリカの旅とは?

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2018/12/5 18:03


■地球を7周してもプリウスはノートラブル!

12月3日、東京・お台場のメガウェブで開かれた第4回クルマ塾。ここでは、当日行われた横田紀一郎氏とモータージャーナリスト吉田由美さんによるトークショーの模様をダイジェストでお届けします。横田氏は今年2018年2月から3月にかけて、プリウスPHVによるパリ・ダカール間の長距離ドライブに成功。トークショーではそのドライブの模様をお話くださいました。

■イモトのWiFiで生中継も!

吉田(以下Y):横田さん、パリからダカールまでの映像を見させていただきました。ほんとインスタ映えしそうな場所ばっかりだったんですけど。
横田(以下K):いっぱいありますよ。

Y:私も行ってみたいと思ったんですけど。女性でも大丈夫ですか?
K:トライしてはどうですか。女性は過去にはいないですね。
Y:皆さんのご支援を受けていろんなところから中継とかしてみたいですね。でもメカニックみたいな資格はないなあと思って……。
K:いや、メカニックっていったってこのくらいのクルマになれば必要ないです。壊れるか、走れるかどっちかです(笑)
Q:0か100かみたいな感じですね。

K:そうです。電子機器は持っていくわけいかないし、替えたのはタイヤだけです。僕たちはベクターっていうオールシーズンタイヤをもっていったんですけど、これが大当たりでした。
Y:何セットくらい持ってったんですか?
K:いや予備1本だけです。これはメカともめたんですけど、タイヤ1本で15kgあるんですよ。それで1台のプリウスPHVに3人乗るわけです。
Y:3人乗って、荷物があって、タイヤがあって……
K:食料などの荷物は(伴走車の)ランクルに載せたんですけど、個人的なものは手元に置きたいから、一人20kgくらいで300kgくらいになるわけですよ。その300kgが燃費に関わるわけです。

Y:毎日はどんな感じだったのですか?
K:いまはもうハイテクの世界で、僕らがやっているローテクの世界にはなかなか戻れないわけです。で、イモトのWiFiってのを持っていきまして、撮ったものを毎日日本に送っていたんです。だからライブでこれ毎日見られていたんですよ。そうしないと、アウトドアで活躍を見せる機会がないですからね。

Y:やっぱりタイムリーにどこにいるのか、その瞬間のものを共有したいという思いはありますよね。いまはそれができる状況ですから。
K:コースは非常に安全だったということもありますね。もともとはポリサリオ戦線っていうのがいて、それからアルカイダの練習場とかもあって、とにかく悪いやつらばかりなんですよ。天候の怖さより人災のほうが怖い。盗まれるときはクルマごと盗まれる恐れもあるので。
Y:パリダカでもいろいろと事件がありましたもんね。
K:ありましね、ここ1回通ってるんですけどトラックが地雷踏んでますね。地雷原があるんですよ。
Y:(絶句)よくそんなとこに何度も行こうと思いましたね。

■お金よりもラクダのほうが大切

K:いま出てる写真。モーリタニアのヌアクショットに入る24kmの道なんですけど、両サイドにある街灯が全部ソーラーパネルなんですよ。すごいでしょ。彼らにとって最悪だった、熱いとか、風が強いとか、それから太陽。それを利益に変えてる。

Y:ピンチをチャンスに、ですね。
K:それはびっくりしましたね。(写真を見て)あ、これはレンタル自転車
Y:シェア自転車ですね。

K:マラケシュって街は鉄道がないんです。いままではバスかタクシーか歩きしかなかった。有名なジャマエルフナ広場っていうのがあるんですけど、そういうとこ行くのにも自転車は便利ですね。1日600円なんですけど、24時間使い捨て。ですからそれを、いま隣歩いてる女の人、ああいうタイプの人が乗っていくんですよ。
Y:レンタル自転車っていうと、パリとか都会で使われているような気がするんですけど、こういう場所でも使われているんですね。
K:だからこの国はパリを超すくらいのレベルになると思いますよ。石油も出てますし、太陽がお金になるようになったし、風も風車でお金になるし。日本よりよっぽど大国になっちゃう。
Y:ほんと私たちの知らない世界ですね。行ってみないと分からない
K:人口約430万人(※世界銀行調べでは442万人)。面積が日本の2.7倍くらいですか。
Y:東京より少ない。ラクダのほうが多いでしょうね。

K:彼らはね、銀行にお金に預けないで、お金がたまるとラクダ買うんですよ。銀行は利子付かないけど、ラクダは子供1匹生めば売れますからね。
Y:なにかでみたんですけど、女性はプロポーズされるときに「ラクダを○頭あげるから結婚してくれ」と言われるとか聞いたことあります。

K:サハラには水先案内があって、砂漠越えるときに案内人が来るんです。それで「2輪駆動だといくら」というふうにギャラを決めるんですけど、そのギャラはミルクとオイルサーディンの缶詰でしたね(笑)。

■アクセルワークで飯代を稼ぐ

K:実はこの旅で一番重宝したものが写真に写っているんですけど、それが給油口にささったパワービークルコネクターっていうオレンジ色のやつなんです。砂漠って、朝スタートしてから夕方、次のとこに着くまで食べる場所がないんですよ。でもプリウスPHVは68km走れる分の電気を貯められる。それだけのバッテリー持ってるクルマですから、ああやってコーヒー沸かしたり、ラーメンなんかも食べられる。

K:あ、あそこに小さい信号機もあります。あれドイツ製なんですが、ドイツ語で信号機をアンペルマンっていうんです。もともとは東ドイツ製で東西の壁が崩れた後なくなるはずだったんだけど、平和の象徴としてドイツ中に普及したんです。あれは携帯できる信号機なのですが、あれがPHVの電源で使えるのが一番びっくりしましたね。

Y:ところで、7000kmの間に何回くらい充電したんですか?
K:結局充電できなくて。日本の建物ってのは200Vが建物の外にありますよね。向こうはないんですよ。だから延々と50mくらいケーブルを這わさないと電気がもらえなくて、それに電気が高いから嫌がられるってこともありますね。
Y:それじゃガソリンを入れて電気を作り出せるPHVは……。
K:すごく便利。運転しながら電気を少し稼げますしね。

Y:電気を作ってそれをこういうところ(食事や照明)に使うんですね。
K:飯代に使う(笑)。アクセルワークで飯代を稼ぐ(笑)。
Y:ブレーキで回生したり。
K:そうそう。軽めにずーっと踏んでるとけっこう貯まる。急ブレーキ踏むとだめなんです。
Y:道路的にあまりよくないところも多かったと思うのですが、そこでのエコドライブはどうしたんですか?

K:エコドライブはあまり考えてなかったですね。前もそうなんですけど、いちいち考えなくても、普通に走ってエコというのが一番いいと思うんですよ。気兼ね知らずで。ボクは箱根に住んでまして、峠を行くときは使うけど、帰りはその分貯めてくれますよね自然に。そういう意味でエコのこと考えなくてもエコになっている。そういう感じです。

■地図を標高で見るようになる

Y:そもそもなぜプリウスでいこうと思ったのですか? 以前にもプリウス(初代)で挑戦されてますよね?
K:勘ですね(笑)。ボクもクルマ好きでいろいろやってきたんですけど、プリウスが1997年にデビューしたときは足奮えましたもんね。「ハイブリッドカーってなんだべ?」って。
Y:でもその前からパリダカとかに参加されてましたよね。それがなぜプリウスに変わったんでしょう。
K:(パリダカなどからは)7年くらい遠ざかっていたんですが、プリウスがハイブリッドという形で目の前に現れた時、「これだ!」て確信したんですね。それからですね。

Y:その前にプリウスを運転したりしたことはあったんですか?
K:ないです。先輩が持ってたので借りて「これでサハラに行く」って言ったら、その先輩は「行ってこい」っていいました。もう亡くなってしまいましたが。それで5大陸。途中からは自分で買っていくようになりました。一番大事にしているのはPHVです。使い勝手がすごくいい。
Y:電気ももらえるし。

K:そうそう。いまはガソリン入れに行くのなんて1ヵ月に1回くらい。それでガソリン入れると走行可能距離って出るんですよ。僕のやつだと、荷物いっぱい積んでますから950kmくらい。950kmというと東京から山口県までいっちゃいますよね。すごいですよね。それとドライブが楽しくなるのは、地図を平面だけじゃなくて標高でみるようになるの。
Y:高低差大事ですもんね。上りだとバッテリー減るし。
K:上りは一気にすーって流しちゃわないと。アクセル踏んじゃうとガソリン使っちゃうし、みたいな。サハラもそうだったんですけど、下りの長いやつだと稼いじゃうんですよ。

Y:逆の上りの山脈みたいなとこは?
K:だめだったですねえ。16km/Lくらいになっちゃった。パワーモードにはしないでずっとエコモードで走ったんですけど。まあ平均燃費もあまりよくないんじゃないかな。26km/Lくらいですかね。それでもすごいんですけどね。1Lで26km走るってことは45Lガソリン積んでるわけだから、それだけでも1000kmくらい走っちゃうじゃないですか。電気使わないで。だからこのクルマ乗ったらわかります。いろんな意味で優れてますよね。驚くほど。

■ガイドの代わりにグーグルアース

K:僕はプリウスで世界を旅した時に、いつか路上でボンネットを開けて呆然と立ち尽くすときがくるだろうと思ってた。でもいま僕地球7周くらいしてますけど、1回もなかった。なにもしてないけど。このクルマも買って、下にアンダーガードっていう、石に当たった時にそりみたいに滑るように、部品を付けたくらいでなにもしてないです。
Y:とにかく丈夫と。

K:丈夫ですね。プリウスとかハイブリッド系ってそんなに強くないんじゃないかって思うんですよね。えらい強いんですよー。なんか弱そうでしょ。
Y:弱そうではないけど、そんな過酷に使うことがないので、そういう話を聞くとやるなーって思いますね。
K:だから僕自身は海外走るんだったら絶対PHVだってことですね。特にアフリカにとっては電気って命ですから。

Y:電気使ってると周りに人が集まってくることってなかったですか?
K:今回は人が集まるところに行かなかったんですよ。なるべく人の集まらないところ。アルカイダに会わないように。
Y:そういうときって現地のガイドさんってついてくるんですか?
K:いや今回はガイドもいなくてグーグルアース使ってました。
Y:ハイテクですね!
K:ホテルだって予約できちゃうんだよ。だからキャンプも2日しかしてない。
Y:年を追うごとにどんどんハイテクを肌で感じるようになってますね。
K:そうですね。一番感じたのは、16年前行ったときはほとんど砂漠だったんですよ。ところがまずモロッコがアフリカ連合に加入した。すると解放戦線と西サハラもアフリカ連合に入って、その途端に地雷原の中に道ができちゃったんです。

Y:それはそれで怖い
K:いや地雷はどかして道路を作ったんですよ。ただ「このあたりは地雷原」って標識を撮りたくていってみたんですけど、怖くて取れないの。次は次はって思ってるうちに塩の湖に着いちゃった。
Y:じゃ、そんなに大変じゃなかったんですか?
K:大変な話するのはこの後の菅原さんですよ(笑)。ボクらはすごく楽でね(笑)。いまモロッコがすごい日本人を誘致してたりもするし。

■アフリカの進化を知ってほしい

Y:どうですか。こういう話を聞くとみなさんもやってみたいなと思いませんか。
K:いまヨーロッパのレンタカーはモロッコまで保険が入って貸してくれるしね。モロッコじゃパリダカールみたいなオフロードのラリー毎週やってます。
Y:じゃ都会みたいなホテルもしっかりありつつ、砂漠テイストも味わえる。両方楽しめる。いいですねえ。

K:砂漠を見ながらホテルに泊まれる。女性向きですよね。
Y:ますます私行けそうな気が(笑)。
K:誰か一番乗りやったらどうですか。
Y:女性だとお手洗いとか大変なんじゃないかとか。男性に比べても違う点もあるんじゃないかと思うのですが。
K:表でやるのは2回くらいしかなかったけどね。その時は夜暗くなるまで我慢していただければ。6時過ぎれば大丈夫ですから。

Y:今回プリウスPHVでの一番の発見ってなんですか?
K:これ、もしかしたら、ホイールベースも長いし、高圧電流流れているし、ジャンプしなきゃいけないし、「逝っちゃうかもしれねえなあ」って思ってたんですよ。で、僕が運転すると逝っちゃうから、若い人に運転させて。
Y:あ、ドライバーは交替で?
K:今回はどんどん交替するようにしました。その気になると僕は飛ばすほうなんですよ。そのおかげもあって、今回なにもなかったというのがなにしろ成果ですね。プリウスがメカ的に。
もうひとつ、アフリカそのものが近代化で日本よりはるか先へ行っちゃうんじゃないかとも思いました。今、日本がモーリタニアから輸入しているものといえばタコくらいです。タコの30%はモーリタニア産なんですが、そのモーリタニアにタコ壺を教えたのは日本なんですね。そのくらいしか知らない。ところが行ってみたら、太陽と風を有効に使って、すごいでしょ。しかも土地がいっぱいあるから遷都しちゃうんですよ。街ごと動かしちゃって、サーフィンの世界大会とかやってる。すごい変わってる。ああもう冒険じゃないんだなあと思った。ドライブなんですよ、イージードライブです。
Y:私たちからみると未知の場所ですが、もう日常として走れる場所なんですね。
K:そうですね。そのうえ自然の楽しさとかも理解できるというか、地元の人の生活とか文化とか身に着けられるから最高にいいところですね。

Y:一番つらかったことはなんですか?
K:僕はトイレが近くってねえw
Y:やっぱりお手洗い問題ですよね!
K:年よりだからさw。
Y:最後に、いらしてる皆さんにお伝えしたいことありますか。
K:日本人でアフリカのこと聞いて、知ってる人っていないと思うのですが、少しアフリカの地図をみて、進化しているアフリカっていうのを理解して、もう少し、向こうの人は日本を知ってるんですけど、こっちの人は知らないので、やっぱり知ってほしいです。そう思います。素敵なところですよ。
Y:どうもありがとうございました。

(角田伸幸)

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