松尾スズキ、星野源を語らず~「大人計画」30周年記念『30祭』トークショーをレポート

SPICE

2018/12/5 13:45



松尾スズキ+大人計画30周年記念『30祭(SANJUSSAI)』松尾スズキトークショーが2018年12月4日(火)、東京・青山ブックセンターにて行われた。

1988年に松尾が作・演出の舞台『絶妙な関係』で旗揚げした「大人計画」も気がつけば創立30年となり、また平成も30年、松尾スズキとしての活動も30年と、なにかと30年に縁のある今年。松尾もメディアの前で劇団や所属メンバーのこれまでを振り返る機会が増えたと語る。

だが、そんな松尾にはとある不満があるそうだ。「僕が呼ばれてるのに、気がつけば(大人計画の事務所に所属の)星野源の話になり、記事のタイトルも『松尾スズキが星野源を語る!』みたいになっていて、イラッとしています(笑)。だから今日は星野のことは絶対喋らない!」その宣言に会場から大きな笑い声が沸き起こっていた。

この日のトークテーマは「劇団員」。大人計画にの劇団員は松尾も含め15人。これとは別で星野のように事務所という形で所属するメンバーもいるが、冒頭の宣言も踏まえ(笑)あえての「劇団員」限定トークがスタート!

以下、トークの内容をダイジェストでご紹介。

宮藤官九郎くんは大人計画の頭脳。たとえお互いが別の仕事をしているときも常に存在を感じながら仕事をしています。ただこの前、何かの記事で俺がクドカンファミリーになっている事があった(笑)」

顔田顔彦は『キレイ』の客入れを二人でやったが話が噛み合わなくて、困り果ててビンタをしようとしたら、あいつ、避けたんですよ。笑いを取る場面でそれはありえないので、楽屋に戻ってから、1万円払うか、グーで殴らせろ。どっちがいい?と聞いたら『じゃ、グーで!』とケロッとしていてイラッとした」

阿部サダヲはいちばん怒ったが、辞めなかったね。彼を育てたとは思っていないが、一回か二回は命を救ったと思う(笑)。得難い才能です。阿部サダヲをいちばんおもしろく演出できるのは自分だ、という自負がある。ただ最近は彼のスケジュールが押さえられない。すぐ劇団☆新感線が持っていっちゃう! うちの劇団員なのに(笑)」

宮崎吐夢は彼こそが大人計画。アマチュアリズムが形になった人。ぐだぐだで不思議な“欠落”のある人。ああいう人がいるから阿部サダヲも生きてくるんです」

皆川猿時は何をやっても滑る人だったのが、いまは無双状態(笑)。でもここって時にダッフンダ!って言うのはやめてほしい。時々驚くくらいいい演技を見せる人」

村杉蝉之介はお芝居を作ると必ずキャスティングしちゃうんです。気が小さいので芝居を作るのに時間がかかるんですが、いいものを出してくる。彼の奥さんが変わった人で、お中元やお歳暮のやりとりが必ず2回発生するんです。この前は一つの包みの中に3つ入ってました(笑)」

荒川良々は、初めから天才だと思って接してる。一方で計算してないようで計算してる所も。割と2枚目。楽屋での佇まいがなんかこなれてて癪に感じる(笑)」

近藤公園。フラットなキャラクターで『マカロニほうれん荘』の沖田総司みたいなキャラクター。『やめてくださいよー』って突っ込む姿が似合う貴重な存在。本人は個性がないのをコンプレックスに感じているらしく、この前飲みながら泣いてました(笑)」
徳永京子(聞き手)、松尾スズキ
徳永京子(聞き手)、松尾スズキ

池津祥子さんは負けん気が強い女優。埋もれずに笑いが取れる女優になったなぁ。アマからプロの階段を登れた人です」

伊勢志摩さんは、大人計画が大好きなんですよ。もともとどこかで編集の仕事をしていて、ある時お手伝いしたいって劇団に入ってきた。今上映中の『ボヘミアン・ラプソディ』のベースの役の人が伊勢志摩さんに似ています。注目してみて(笑)」

宍戸美和公に至っては、もはや大人計画のファンです。自分が出ていない芝居を観にきてて楽屋に顔出すと涙ぐんでいるんです。僕は宍戸美和公になりたい」

猫背椿さんは、演劇好きですね。いつも自らオーディションを受けて役を勝ち取ってくる。カッコイイですよね。ただ小さい座組みの作品でもそれをやるのでちょっと大人気ない。お前のせいで他の一人が落ちたぞ、って(笑)」

田村たがめさん。ほとんど喋らないですが、皆川猿時さんと結婚する前の一時期、可愛い子役のパートを一手に引き受けていた、ありがたい存在。『30祭』の内容を考える時、みんなネタを出してこないのに田村さんは『今までにやったことのある長台詞を披露する』というすごいネタを出してきました(笑)」

平岩紙はすごい女優になりましたね。いちばん年下で、最初はかわいいけど声が出なくて。ある時期から喉が開き一気に強くなった。今はキックボクシングやってますから俺間違いなくヤラれる(笑)。彼女が『業音』で主役やったとき、大人計画すごろくが一周したような感覚になりました」

――と、一人ずつ振り返る松尾。時には突っ込みながらも言葉の端々に誰よりもメンバー愛を感じさせるトークだった。
松尾スズキ
松尾スズキ

なお、最後の一人、松尾スズキ本人について。「俳優としての自信もそんなにないけど、大きな芝居をやるとどこか自分のキャパを超えた気がして、定期的に原点に立ち帰りたくなる。自分は喜劇人。演じ手が作るタイプの芝居を今後もやり続けたい」そう語る松尾の目は、現在と未来を見据えていた。

取材・文・撮影=こむらさき

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