『まんぷく』ハマった安藤サクラ、強烈キャラの松坂慶子も最高! 善人よりもたくましく

wezzy

2018/12/4 12:15


 「朝ドラの王道」「元気がもらえる朝ドラ待ってました!」「福子と萬平の今後が楽しみ」と視聴者から大好評のNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』。ドラマ放映前は、主演の安藤サクラを知らずに「誰?」と疑問に感じた人は多かったはず。

しかしドラマが放送開始されるやいなや、彼女の演技は大絶賛。評価は急上昇し、飛ぶ鳥を落とす勢いである。

朝ドラ初の「ママさんヒロイン」「オーディションなしの抜擢」と話題に事欠かないこのドラマ。物議を醸した前作『半分、青い』では作品の良し悪しよりも、脚本家のツイートだったり急展開すぎる内容に批判が多かった。しかし今作は前作と一変して好感触。NHKから嬉しい悲鳴が聞こえるかもしれない!?
松坂慶子の“モンスター母”ぶりから目が離せない
 『まんぷく』は、今や生活に欠かせないものとなったインスタントラーメンを生み出した夫婦の知られざる物語を描いている。何度失敗を繰り返しても諦めず、前向きに挑戦を続ける萬平(長谷川博己)と福子(安藤サクラ)夫婦の仲むつまじい姿は、「見ていると微笑ましい」と評判だ。

しかしこのドラマ、ただのラブラブ夫婦のドラマだと思ったら大間違い。なんとヒロインの母親・鈴(松坂慶子)が超が付くほどの強烈な女性なのである。朝ドラのヒロインの母親といえば、「優しさ」と「救い」を象徴し、視聴者を魅了する存在。けれど鈴ときたら仮病を使って長女の結婚を阻止しようとしたり、福子と萬平の仲を邪魔したりと、だいぶ姑息な性格なのである。娘たちの夫の悪口はもちろん、口を開けば不平不満や泣き言のオンパレード。この母親から優しい三姉妹が産まれたのは奇跡としか言いようがない。

モンスター母と呼ばれてもおかしくない鈴だが、実は良いところもあったりする。萬平を快く思っていない鈴だが、萬平が病に伏せた時は、「福子を未亡人にしないで」と必死に願い神社でお百度参りをしたり、福子の浮気疑惑が浮上した時は、「私は信じます。誰が何と言おうとどんな噂が流れようと、私は娘を信じます」と強く言い放ったり。行き過ぎている部分は多々あるが、情に厚い温かな女性なのだろう。ただのモンスター母ではなかったのだ。今までは鈴に良い印象を持てなかったが、このエピソードから好感度が上昇した。

モンスター母・鈴以外にも、善人なのか悪人なのか掴めない世良(桐谷健太)や喧嘩っ早くトラブルメーカーの岡(中尾明慶)など一筋縄でいかない人物たちはたくさん。このドラマの魅力的なところは、登場人物の長所だけではなく短所もしっかりと描き、無理に善人として改心させないことだ。戦後のこの時代を生き抜くことは優しさだけでは難しい。たくましく生きる図太さは必要不可欠である。ドラマが放送を開始してもうすぐ2カ月が経過するが、今後はどんなたくましい人物たちが『まんぷく』を盛り上げるのだろうか? 出会いにワクワクする。

朝ドラはやっぱり安心感第一
 『まんぷく』が絶好調である理由は、ストーリーや登場人物たちが魅力的であることはもちろん、主演の安藤サクラと長谷川博己の好演によるところが大きい。2人のさりげなく自然体な演技が、「夫婦愛」を気持ち良く見せてくれているので胸やけしない。

朝から深い愛や強い恋の感情をじっとりと表現されると、消化不良というか、どうしたら良いかわからない気持ちになってしまう。安藤と長谷川はさじ加減が絶妙で、くどさを感じない。見ていると顔がほころんでくるのだ。比較するのは申し訳ないが、前作『半分、青い』では朝から疲労を感じ気味だったので、安心して見ることができてとても嬉しい。

安藤の主演が発表された時、彼女が実力派の女優であることは認識していたが、天下の朝ドラの主演としては少し地味すぎるのでは? と思ってしまった。恐らく大半の人がそう感じたのではないだろうか。しかしドラマが始まり、その考えはまったくの間違いだったと思い知らされた。

演じているというよりも福子を憑依させているかのような演技、応援したくなる可憐さとひたむきさ。福子という役柄は、安藤のために作られたものじゃないかと勘違いしそうになるほどはまっている。恐るべき大女優になりそうな予感だ。

彼女は2018年、リリー・フランキーとW主演した映画『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭にてコンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞し、審査委員長を務めたアカデミー賞女優・ケイト・ブランシェットより「彼女のお芝居、特に泣くシーンの芝居がとにかくすごくて、もし今回の審査員の私たちがこれから撮る映画の中で、あの泣き方をしたら、安藤サクラの真似をしたと思ってください」と大絶賛された逸話がある。朝ドラの撮影が終わったらハリウッドデビュー、なんてことも起こるかもしれない。

安藤サクラ、ハリウッドスターも時間の問題? 
 今でこそ脚光を浴び華々しい活躍を披露している安藤だが、日の目を見たのは遅く、いろいろな葛藤があったようだ。彼女は幼少の頃に父の舞台を見て女優になろうと決意するが、「芸能一家」という周りの声を気に病み、小学2年生の時に夢をいったん封印したという。しかし、アルバイトなどの経験を積み、高校在学中に女優の道に進むことを決意。端役から癖のある役まで多くの役柄をこなし着実に力をつけていった。

そして2009年、園子温が監督を努めた映画『愛のむきだし』で、カルト教団の勧誘員・コイケを演じてひと際強い存在感を発揮、その高い演技力が注目された。この作品で安藤と共演した満島ひかりは、彼女のことを「私が最も影響を受けた女優」と語っている。

満島ひかりといえば、最近は安藤との不仲が囁かれ話題を呼んでいるが、噂の大部分はほぼフィクションじゃないかと思う。私は2017年の東京国際映画祭で満島に取材をしたことがあるのだが、その時彼女は「すごいと思う女優を教えて」という質問に対し、間髪入れず「安藤サクラです」と回答し、その魅力を嬉々として語っていた。当時すでに安藤の『まんぷく』主演は報道されていたし、確執があったのならあんな風に微笑んで安藤の話ができるものだろうか。ライバルであることに間違いはないだろうが、相当な苦労をして今の地位を確立した2人なのだ。戦友といっても過言ではないだろう。心ない報道が2人の友情を阻むことがないよう願いたい。

紆余曲折を乗り越え、福子の出産やたちばな塩業の新たなる挑戦など、第二ステージへと突入した『まんぷく』。経営が軌道に乗り出したとはいえ、まだまだ平穏な日々は訪れそうにない。気になる第9週(11月26日~12月1日放送)はといえば、一度消えかけた福子の浮気疑惑が再浮上したり、たちばな塩業の「塩作り組」が不満を爆発させたりと、ますます騒がしくなりそうだ。福子と萬平と共に、新たなる冒険を楽しみたい。

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