【NEWS】「ピニンファリーナ」の名を冠した初のロードカー「PF 0」とは。

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2018/12/4 12:00


AUTOMOBILI  PININFARINA

アウトモビリ ピニンファリーナ

「純EVスポーツカー」の開発と製造が目的。

アウトモビリ・ピニンファリーナは新型ハイパーカーのプロトタイプ「PF0」のイメージフォトを発表すると同時に、ピニンファリーナS.p.A.に2000万ユーロの投資をする意向を明らかにした。PF0とはラグジュアリーな純EVのこと。その設計、開発、製造の基盤を築き、さらにその将来を見据えた投資であるという。

本稿では関係者各位の発言を引用しながらプロジェクトの全容を捕らえることにしよう。まずはアウトモビリ・ピニンファリーナCEOのミハエル・ペルシェケから。

「世界でもっとも偉大なデザインハウスのひとつであるピニンファリーナS.p.A.をパートナーに迎えたことは大きな喜びです。これは当社とS.p.A.の2社にとって、まったく新たな歴史を記す最初のチャプターになります」

ペルシェケにもう少し具体的に説明してもらおう。

「アウトモビリ・ピニンファリーナにとって、今回の投資は世界でもっともラグジュアリーなEVメーカーになるという野望を実現するための礎です。一方、ピニンファリーナS.p.A.にとっては、創業者バティスタがかつて抱いた夢、ピニンファリーナ・ブランドのロードカーを生産するという夢を実現する第一歩なのです」

この発言からわかるように、アウトモビリ・ピニンファリーナは、今後ラグジュアリーなEVハイパーカーの専門メーカーになることを目指している。その第一弾がPF0というわけだ。

ペルシェケの発言を受けてピニンファリーナS.p.A.のCEOシルヴィオ・ピエトロ・アンゴーリは次のように語る。

「今回、アウトモビリ・ピニンファリーナと協定を結ぶことによって、当社は少量生産モデルに必要なエンジニアリング上、および生産上のノウハウを提供することになります。アウトモービリ・ピニンファリーナに代わって、まずはPF0を皮切りに複数のモデルを開発します。どれもクラシックなピニンファリーナ同様、『美』『純粋性』『革新的テクノロジー』をコアバリューしたモデルになります」

「PURA」というネーミングの由来とは。

これで両社の協力関係はおおよそわかった。ところで今回イメージフォトが発表になったPF0のデザインフィロソフィーは「PURA」と呼ばれるそうだ。エンジニアリングとスタイリングの両面で、機能と形態が不可分の関係にある「純粋性」に立脚してPURAと名づけたと説明されている。なるほど改めて辞書を引いてみると「pura」とは「純粋な」を意味するイタリア語だ。

アウトモビリ・ピニンファリーナのデザイン担当ディレクター、ルカ・ボロゴーニョに、もう一歩踏み込んでPURAを説明してもらおう。

「私たちがピニンファリーナS.p.A.に委ねたデザインコンセプトはシンプルです。彼らのデザインとエンジニアリングのスキル。世界でもっとも美しくてラグジュアリーなクルマを開発するという私たちの希望。この2つを一致させるのが基本です。エミッションフリーでサステイナブルなパフォーマンスを備えた、スタイリング上も工学上もアンビシャスなクルマ。それを純粋な形で実現して欲しいと。だから『PURA』と名づけました」

ピニンファリーナ・グループのデザイン担当副社長カルロ・ボンザニーゴは、歴史的観点からPURAを次のように定義づける。

「ピニンファリーナの歴史はエモーションと理性の適正バランスを追求した歴史でもあります。連綿と美とエレガンスを求めてきた。結果として無用な形式主義に走らず、オーバーデコレーションを廃してきました。これが自動車美を追究するピニンファリーナ流のやり方なのです」

「PF 0」は既に北米で大好評。

PF0は、2020年夏、アメリカ市場でのデビューを目指している。PURAをコンセプトに掲げたアウトモービリ・ピニンファリーナの製品は、最適な空力特性、革新的テクノロジー、EVだけが可能にするエクストリームな、それでいてコントロール可能なパワーを兼ね備えた、デザインとエンジニアリングの両面で「ピュア」なクルマになるという。

トリノから南に20kmほど下った街カンビアーノでは、アウトモービリ・ピニンファリーナの作業が進んでいる。一方、ヨーロッパではPF0プロトタイプの内輪の展示会が潜在顧客とディーラー希望者だけを招待して行われた。ホスト役はF1ドライバーとして活躍したニック・ハイドフェルト。彼は今、アウトモビリ・ピニンファリーナのテストドライバーを勤めている。

伝えられるところでは、来場者の反応は良好で、PF0には強い需要があるとの手応えを得たという。すでに同社は販売担当重役の座に、この分野で豊富な経験を持つヤリ・コーホネンを据えた。そのコーホネンはこう語る。

「今回は手始めにヨーロッパのクライアントを対象に内示会を催したわけですが、PF0には、立ち上がりから非常に大きな需要があります」

先に紹介したアウトモビリ・ピニンファリーナCEOペルシェケの発言はさらに具体的だ。

「北米では私たち自身が驚くほどPF0に強い反応がありました。事実、北米市場に出す第1生産ロットの4分の3近くがすでに予約済みの状況です」

デトロイトとともに世界の自動車デザインを牽引してきたピニンファリーナ。そのネームバリューにはいささかの衰えもない。かつてのカロツェリアの大御所は、ラグジュアリーでハイパフォーマンスなEVメーカーとして檜舞台に復活しようとしている。今後の動向に注目したい。

TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)

パオロ・ピニンファリーナと「PF 0」プロトタイプ

(GENROQ Web編集部)

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