柴咲コウの新事業は「胡散くさい」「わがまま」「迷走」? ギョーカイの厄介な不文律

wezzy

2018/12/4 06:15


 今年女優デビュー20周年を迎える柴咲コウ。昨年はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に主演し、女優としてますます脂の乗る37歳だが、一方で実業家としての顔も持つ。

柴咲コウは2016年より、食品、エンターテインメント、アパレル事業を手がける「レトロワグラース株式会社」のCEO(代表取締役)をつとめている。今年8月には、地球の環境や生態系の持続可能性を意識したファッションブランド「MES VACANCES(ミ ヴァコンス)」を発表したばかりだ。

「MES VACANCES」はよくあるタレントの名義貸しではなく、柴咲コウは企画からデザイン、販売に至るまでの全プロデュースを手がける。現在はECサイトのみでの販売だが、10月下旬~11月上旬には東京・神宮前のセレクトショップ内に期間限定ポップアップストアも展開した。今後の実店舗化も見据えた肝いり事業のようだ。

12月1日、柴咲コウは、女性が活躍しやすい環境を考えるイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winter」のトークショーに登壇。起業のきっかけについて問われたところ、「19歳のとき、母親がガンで亡くなって。それが大きなきっかけですね」と告白した。「(母の病に対して)なにがいけなかったのかな、こうしたほうが良かったのかなとか、自分自身の悔いも含めていろいろ考えた。生活環境や食べるもの、身にまとうものという日常にどんどん目がいくようになりましたね」と述懐し、会社設立の経緯を語った。10月、「MES VACANCES」の立ち上げ会見でも同様の話をしている。

さて、柴咲はこれまでの女優業についても振り返ったが、「そもそも芸能界に興味があったわけではなくて」とキッパリ。中学2年生でスカウトされたことが芸能界入りのきっかけだったが、「家族を支えなきゃというほうが強くて」「お金を稼ぐことがいちばんの目的だったんですね。だから全然目立ちたくないし、テレビの中の人たちの生活なんて自分とは縁遠いものと思っていたのに……」「だから、ひとつの目的、お金を稼ぐということに対して向かっていったという感じですね」と述べている。

柴咲コウは、かねてより「KOH+」名義の歌手業など多方面での活動を見せており、20年を女優一本でやって来たわけではなかった。この業界では女優として活躍し、多くのCM契約を結ぶことがもっとも効率的に稼げるといわれている。しかしある時期からは、女優業にこだわらずむしろ歌手業に意欲を燃やす柴咲と、実入りの良い女優業に専念させたい当時の所属事務所との間にズレが生じているという噂も飛び交うようになっていた。

もともと女優という仕事に憧れやこだわりを抱いていなかったのなら、柴咲コウが今、実業家として活動を始めていることも、なんら違和感はない。女優業以外の選択肢に持つことは、本人にとってはシンプルで自然な流れだったといえるのだろう。
柴咲コウ、「IT企業の代表取締役社長」はスキャンダル?
 しかし昨年9月、「週刊文春」(文藝春秋)は、柴咲コウが「資本金1.7億円のIT企業の代表取締役社長をつとめている」ことを、なぜかスキャンダルのごとく報じていた。

記事では、「資本金1.7億円のIT企業」=レトロワグラース株式会社が、柴咲の所属事務所・スターダストプロモーションから「ファンクラブ事業」を引き継いでいることや、ゲームアプリなどを開発する「株式会社モブキャスト」の社長・藪孝樹氏が全面的にサポートしていることなどが明らかにされている。

しかし、同年2月には「FLASH」(光文社)が柴咲コウと藪孝樹氏の会食現場をキャッチし、新恋人発覚―――などと憶測する報道がなされていたため、当時はネットを中心に「柴咲コウも女優として人気がなくなって、ヘンな男に走っちゃったのか……」「肩書きだけの胡散臭い企業」「柴咲コウはお飾りで、広告塔に利用されている」などと、バッシングや否定的な反応も多かった。

その後も、一部メディアは「柴咲コウのわがままから始まった会社」「スターダスト関係者の間では彼女に関する悪評が飛び交っている」などと、ネガティブな報道を続けていた。これらは、女優業から次のステップを踏まんとする柴咲の足を引っ張るようなゴシップであり、穿った見方をすれば、芸能界においてイチ女優の枠から逸脱することを戒めているようにも思える。
真木よう子も……“本業”以外に手を出して叩かれる女優たち
 女優が“本業”以外に手を出して、バッシングを受けることはしばしばある。たとえば、女優の真木よう子(36)は2017年8月、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて「真木よう子、フォトマガジン出版プロジェクト」を発表。Twitterでは「芸能人としてではなく、ひとりの人間として多くの皆様とコミュニケーションが取れる場が欲しい」「出版社を通さず自由にフォトマガジンを制作したい」と表明し、目標金額800万円を募ってコミックマーケットで販売を企図。しかし、これが大炎上してしまった。

炎上の背景には、「自費出版が原則のコミケにてクラウドファンディングで製作した本を配布すること」や、「アマチュアコミュニティにプロが参加することの危うさ」などが指摘されている。真木よう子は「安易だった」と謝罪し、プロジェクトを中止した。

この炎上騒動をきっかけに、メディアは一斉に真木よう子のネガティブキャンペーンを打った。出演が決定していた映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の降板をめぐって事務所と揉めていることや、プライベートで小学生の長女を前夫に預けて元恋人と会ったことを“育児放棄”だとして報じられたことまであった。

当時の所属事務所・フライングボックスが真木を週刊誌によるバッシングから守ることはできず、結果的に真木は2017年12月、所属事務所を退所。このまま芸能界を干されるという噂まで飛び交うほどで、この時期の“真木よう子バッシング”は、異常な熱を帯びていた。

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まるで、真木がクラウドファンディングを利用し、事務所を介さず仕事をしようとしたことが芸能界の慣習に抗ったと見なされ、メディアぐるみの“罰”を受けているようにも見えた。その後、真木よう子は独立し、約半年のフリー期間を経て今年9月にレプロエンターテインメントに移籍している。すでに禊は済んだということだろうが、タレント本人にとってその代償は大きかったはずだ。

本来であれば、柴咲コウや真木よう子が、芸能界の古い慣習に義理立てすることなく、自由に活動したり、独立したりすることは、個人事業主として当然の権利。まだまだ業界の同調圧力は強いだろうが、元SMAP稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾がその先駆けとなったように、芸能界の“不文律”から逸脱することで、むしろ自由な活躍を見せるタレントも現れ始めている。日本芸能界に独特の閉塞感が、打ち破られる日はいずれ来るだろう。

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