11月ユーロ/円相場は小幅上昇、次の手がかり材料待ちムード


外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏が2018年11月の為替相場レビューと、今後注目の経済指標やイベントをもとにした今後の相場展望をお届けする。
○【ユーロ/円 11月の推移】

11月のユーロ/円相場は127.500~130.143円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約0.5%の小幅な上昇(ユーロ高・円安)となった。イタリア予算案を巡る不透明感や英国の欧州連合(EU)離脱=Brexitへの不安など、前月のユーロ安を演出した問題に大きな進展は見られなかったが、特段悪化した訳でもなかったため、大幅安の反動が出た模様。

なお、11月のユーロは、対ドルで横ばい、対ポンドでは小幅高などと、対円も含めて主要通貨に対する大きな変動は見られなかった。イタリア予算やBrexitに絡む報道に一喜一憂しながらも、全般的に「次の手がかり材料待ち」のムードが強いと見られる。
○【ユーロ/円12月の見通し】

12月のユーロ/円相場は、引き続きイタリア放漫財政や英国の欧州連合(EU)離脱=Brexitを巡る問題に一喜一憂する展開となりそうだ。欧州委員会は11月21日にイタリアの財政規律回復に向けて「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」を開始するための報告書を提出した。早ければ12月4日のEU財務相理事会で過剰財政赤字の認定が行われ、イタリア政府に対して改善勧告が出される可能性もある。ただ、こうした措置がイタリア・ポピュリズム政権の翻意を促す公算は小さいと考えられており、EUとの対立は当面続く公算が大きい。

Brexitについても、11日に予定されている英議会における合意案の採決や、メイ首相に対する不信任の動きなど、不透明要素が多い。これらの問題に解決の兆しが見えない限り、ユーロの上値が軽くなる事はないだろう。

その他、資産買入れの終了が濃厚な13日の欧州中銀(ECB)理事会も重要イベントとなる。10月の声明などで示した景気の先行きに対する比較的強気な見方を維持するのか、また、満期が到来した保有債券の再投資に対するガイダンスなどが注目される。また、11月2日にリーク報道があった長期リファイナンスオペ(TLTRO)への言及があるかにも注目したい。
○執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya

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