オリンピアン 橋本通代、指導者として、母として。

tenki.jpサプリ

2018/12/3 14:00


ソルトレイク五輪出場後、“スノーボードを通じてキラキラと輝く子供を育てたい”と一念発起。プロスノーボーダーの登竜門と呼ばれるようになった「KIRARA KAMP」を主宰して、はや16年が経過しました。昨シーズンの平昌五輪には、5名の教え子が日本代表として出場。次の4年に向けて節目となった今シーズン、指導者として、母として、これまでの16年を振り返ってみました。

2010年3月 KIRARA KAMP / 星野リゾート アルツ磐梯

2010年3月 KIRARA KAMP / 星野リゾート アルツ磐梯

親子スノーボードに求めるもの


昨シーズンの平昌五輪で5名のオリンピアンを輩出。ひとつの区切りのような気がして、ここからもう一歩、先に進むために、心のリセットもしたくて、これまで「KIRARA KAMP」に参加された方からのアンケートを一気に読み返してみました。保護者のみなさんからいただいたコメントには、指導者としても、母としても、たくさんのヒントが詰まっていました。
スノーボード教室を始めた頃は、保護者のみなさんは、なぜ子供にスノーボードをさせるのだろう? スノーボードになにを求めているのだろう? と考えていました。親子でなにかを始めるときには、なにかしらの動機があると思います。スノーボードになにを求めていて、そして、実際にスノーボードを始めたことで、子供がどのように変化したのか。アンケートからその一部をご紹介させていただきます。
Q 子供にスノーボードを通じて学んでほしいことはなんですか?
楽しみながらチャレンジすること/がんばれば、できるようになるということ/苦手なことにも一生懸命に取り組むこと/目標を諦めないで、最後まで実現しようとする力/楽あり、谷があること/自分で学ぶ力/自然の中で生き生きと楽しむこと/自然のすばらしさ/友達をたくさん作ること/人とのつながりの大切さ/まわりや仲間への感謝 など
Q:スノーボードを始めてから子供がどのように変わりましたか?
何事にも積極的になった/全国に年齢関係なく友達ができた/上達思考になった/我慢強くなった/難しいことやしんどいことも諦めずにやってみるようになった/感性が豊かになった/目標を持ってできないことをできるようになりたいと、がんばるようになった/風邪をひかなくなった など



スノーボードは魔法のじゅうたん


アンケートのごく一部を紹介させていただきましたが、どの回答も、技術面の向上を第一の目的とせず、心の成長や、仲間についてのことが多かったのに驚きました。でも、そういえば、自分自身がスノーボードから学んだこともアンケートと同様でした。
私は19歳でスキーを始めました。それまで得意なことがなかったのですが、スキーではじめて人にほめられて、スキーが大好きになり、スキーのためなら、なんでもがんばれるようになりました。スキーで有名になるために単身カナダに行き、そこで、スノーボードと出会いました。
スノーボードは魔法のじゅうたんのようで、あっという間に私を世界につなげ、人生にとって大事なことをたくさん教えてくれました。そして、その中の一番は“大好きなことに一生懸命に取り組むことのすばらしさ”。そう、このことを子供たちに伝えたくて指導者になったんです。



スノーボードを教材に人を育てる


スノーボードを教材に使う理由、それはスノーボードに3つの大きな力があるからです。ひとつめは「バランス力」。両足をボードに装着するため、バランスを必要とするスノーボードは、乗った瞬間に子供の心を開いてくれます。
ふたつめは「ヨコノリ力」。スノーボードはタテではなく、人と人をヨコにつなげてくれる貴重なツールです。最後は「スタイル力」。人と一緒ではなく、個性をよしとするスノーボードだからこそ、個性が育つのだと考えています。
その力を信じて、スノーボードを教材に人を育てる活動を行ってきました。よい環境を作り、よい指導者とともに、スノーボードの楽しさを伝え、大好きなことに一生懸命に取り組む力を育む。そんな活動を16年続けてきたのですが、実際、子供にとって、そのご家族にとって、スノーボードはよかったのだろうか? そんな不安がよぎることがあります。
先日、20代になった卒業生の保護者の方3組に、“お子さんにスノーボードをさせてよかったですか?”と聞いてみました。答えを聞くまで緊張しましたが、みなさんの答えはYESでした。ひとつのことに没頭してがんばれたこと、スノーボードを通じて、たくさんの出会いがあったこと、そして、なによりも親子でたくさんコミュニケーションがとれたことが、なによりもすばらしかったと話してくれました。これはまだ一例に過ぎませんが、スノーボードを通じて、みんなの人生がよりよくなっていくことを心から願っています。
いよいよシーズンイン! 今シーズンもスノーボードを通じて子供たちとじっくり向き合っていきたいと思います。みなさまにとって最高のシーズンになりますように!



プロフィール
橋本通代
KIRARA KAMP代表
1972年7月6日生まれ。大阪府寝屋川市出身、四天王寺国際仏教大学卒業。ソルトレイク五輪スノーボード女子ハーフパイプ日本代表。キッズスノーボードキャンプ「KIRARA KAMP」を主宰するキッズスノーボード指導&育成のパイオニア。2012年から家族で軽井沢に移住。軽井沢を拠点に、スノーボードを教材としたスノーボード育成を全国で展開。


あなたにおすすめ

ランキング

もっとよむ

注目ニュース

もっとよむ

あなたにおすすめ