”国費ではなく内廷会計で、身の丈に合った儀式を”大嘗祭をめぐる秋篠宮さまのご発言、どう受け止めるべき?

AbemaTIMES

2018/12/3 13:33


 天皇の代替わりに伴う行事「大嘗祭」について、秋篠宮さまが政府の決定とは異なる見解を述べられた。

大嘗祭とは、即位した天皇が一代に一度限り行う最重要儀式で、7世紀、天武天皇の時代に始まったといわれている。もともとはその年に収穫された新米などを神々に供え、豊作や世の中の安定を願うものだったとされるが、同時に天照大神と全国の神々を祀るなど、宗教的な色合いも持っており、そこに総理や閣僚が参列することについて、憲法が定める"政教分離の原則"に反するという意見も出されてきた。

 記者会見で秋篠宮さまは、行事や儀式についてのお考えを尋ねられ、「即位の礼」などの国事行為ではなく、皇室の行事として行われるものについて「ある程度、私の考えというものもあってもよいのではないかなという風に思っています」とお話になり、「大嘗祭については皇室の行事として行われるものですし、それからある意味の宗教色が強いものになります。私はその宗教色が強いものについてはそれを国費でまかなうことが適当かどうか。これは平成の時の大嘗祭の時にもそうするべきではないという立場だったわけですけれども、まあその頃はうんと若かったですし、多少意見を言ったくらいですけども、今回も結局その時を踏襲してすることになったわけですね。もうそれは決まっているわけで。ただ私として、やはりこのすっきりしない感じというのは今でも持っています」とのお考えを示された。

 その上で、「整理の仕方としては、一つの代で、一度きりのものであり、そういう大切な儀式ということでは、もちろん国もそれについての関心があり、公的性格が強い故に、国費でまかなうということだと、それは平成の時の整理はそうだったわけですね。ただ、今回もそうなわけですけれども、じゃあ宗教行事と憲法との関係はどうなのかという時に、それはやはり内廷会計で行うべきだと思っています。ただやっぱりそれをするためには相当な費用がかかりますけども、大嘗祭自体は私は絶対にすべきものだと思います。ただその出来る範囲で、言ってみれば身の丈に合った儀式にすれば、少なくとも皇室の行事という風に言ってますし、そういう形で行うのが本来の姿ではないかなと思います」と、大嘗祭の実施あたっては、天皇家の私的財産である「内廷会計」を使うべきとの考えを明かされた。

 こうしたご発言を受け、30日の衆議院内閣委員会では、雇うから大嘗祭など一連の行事が現行憲法の国民主権、政教分離の原則と相容れないのではないか、との質問も出された。これに対し、菅官房長官は「平成の代替わりに伴い行われた式典は、現行憲法下による十分な検討が行われたうえで挙行されたものであり、憲法の趣旨、そしてかつ皇室の伝統等を尊重したものであるという風に思う。そして今回行われる式典についてはこれらの基本的な考え方や内容を踏襲することとしており、憲法の定める国民主権や政教分離の主旨に反するものではない」と答弁している。

前回(28年前)、平成の代替わりに伴う大嘗祭では、国費として約22億円が計上されており、「大嘗の儀」(宴席)や装束などを除く14億円が大嘗宮の建設費に充てられている。政府は今回も国費で賄うことを決めているが、人件費や原料費の値上がりなど、必要費用は前回以上になるとの見方もある。一方、秋篠宮さまが言及された「内廷費」は、天皇皇后両陛下と皇太子ご一家の生活費(私費)で、今年度は3億2400万円だった。

 30日放送のAbemaTV『 AbemaPrime 』に出演した皇室ジャーナリストの山下晋司氏は会見でのご発言について「ちょっと踏み込みすぎではないかなと思った」と話し、「大嘗祭に1300~1400年の歴史があるといっても、全ての天皇がやってきたというわけではなく、200年以上にわたって途絶えていた時期もある。明治以降、国の体制が変わり、国家の威信にも関わるということから大規模になった部分がある。憲法に定められた世襲に伴う行事である以上、国事行為としての側面もあるが、確かに宗教的なものという側面もある。現行憲法ができて天皇の位置付けは"国民の象徴"になったが、その時にいきなり天皇が現れたわけではなく、日本の歴史の中にその存在があり、それが戦後に象徴という形で定められたということ。法治国家としての決まりごとの中での天皇と、古くからの天皇、そのバランスをどう考えるか。今回の議論の根っこもそこにある。秋篠宮さまのご意見も一つの意見だが、前回も散々議論をして、結果的に今の形になった。政教分離の原則について、昭和52年に出された津地鎮祭訴訟の有名な判例がベースになっていて、以降の裁判で政府は勝と続けているし、解釈は確定しているというのが政府の考え」と話した。

 元経産官僚でコンサルタントの宇佐美典也氏は「地鎮祭のように普段から行われているような行事に対して公金を出したとしても、それによって信者が増えるといった効果はない、という政教分離をめぐる憲法訴訟の蓄積の中で出てきた目的効果基準という考え方がある。ただ、大嘗祭は神話とのつながりもある大規模なものだし、全国的に報じられることでの影響力や効果は間違いない。その意味では憲法違反ともいえると思う」とした上で、「昭和天皇は1946年の"人間宣言"で、自分は現人神ではなく、地位は国民との相互の敬愛と信頼に基づくものだ、そして明治天皇の"五箇条の御誓文"に戻ろうと言った。その"五箇条の御誓文"には"万機公論に決すべし""旧来の陋習を破り"とある。まさに秋篠宮さまがおっしゃったことと同じ。やはり国会で議論すべきことで、そのためのすごく良い機会だと思う」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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