サイヤ人のように変幻自在な髪色!? 奇抜な髪で目立っていた新井裕生はプレーで目立ち遂には日本代表候補へ

AbemaTIMES

2018/12/2 11:51


 今シーズンから所属チームで出場機会に恵まれていない飢えた若者たちが集まるチームがある。23歳以下の選手たちで構成されたFリーグ選抜だ。プロの環境に近いフットサル漬けの生活を送り、Fリーグ選抜に所属する選手全員は成り上がるための野心と、その勢いと驚異的な成長力で “台風の目”としてリーグの勢力図を掻き乱している。今フットサル界で最も話題になっているチームといっても過言ではない。

 そんな若者たちの中でひと際目立っている選手がいる。背番号8の新井裕生だ。今シーズン当初の彼の髪色は試合ごとに違い、金や青、銀色などシャワーを浴びれば落ちるスプレーで髪を染めて話題になっていた。そんな新井は今や日本代表候補にまで上り詰め、髪色ではなく一人の選手として注目されるようになった。

そこに至るまで、新井はどんな想いを抱き、どんな努力を重ねていたのだろうか――。

突然のコンバートから一転。今ではチームの得点王、さらには日本代表候補へ
「去年、所属クラブ(アグレミーナ浜松)で出場機会にあまり恵まれず、自分をより高められる環境だと思い、ここで成功するかしないかでこの先のフットサル人生に結構大きく影響を与えてくれると思って来ることを決断しました」

大きな覚悟を持ち、フットサル人生のターニングポイントになればとFリーグ選抜へ飛び込んだ新井裕生は駒沢で行われた開幕戦では緑色の髪で登場し、インパクトある髪の毛で注目を浴びた。

そんな新井だが、実はシーズン開幕当初、チームの中で誰よりも戸惑っていた。なぜなら、今まで経験したことのないポジションへコンバートされたからだ。

「開幕前、ピヴォ(=サッカーでいうFW)の選手がいないことを聞いて『誰がやるんだ?』という感じで、高橋(優介)監督から『ピヴォをやってみるか?』と言われたので『やるしかないですね』と。半ば強引な感じで……(苦笑)」

Fリーグ選抜には新井のように出場機会を求めて飛び込む選手もいれば、所属する今のクラブで代表クラスの選手たちとしのぎを削りたいという想いでオファーを断っていた選手もいる。その兼ね合いが重なり、ピヴォの選手が一人も集まらないという問題に直面したのだ。

フットサルのフォーメーションはピヴォを置く[3-1]かピヴォを置かない[4-0]の2つになる。そのためピヴォは重要なポジションで、ピヴォがいないと戦術の選択肢が減ってしまうため急遽、新井がコンバートされることになったのだ。

新井のいう通り「半ば強引の決定」でピヴォとしての道を進み始めることになったが、これが自身にとって大きく成長する一つのきっかけとなった。

「最初はもう全然ダメでしたね。どのタイミングで(ゴール前に)顔を出せばいいかとか、どういう背負い方をすればいいかとか全然わからなかったです。ピヴォの選手がチームにいないので誰かから教わることもできず映像を見るなり(同じアリーナで練習している)名古屋オーシャンズにいる素晴らしいピヴォの選手を見て彼らから盗めるところ盗んで。あと、最近では名古屋の星翔太選手から教わったりもしてそれを練習に取り組んでいます」

当初は慣れないポジションに困惑しながらも充実した環境で努力を積み重ね、メキメキと成長した新井は早くもピヴォとしての可能性を示す。8月19日に行われたDUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1 第9節 ヴォスクオーレ仙台戦では相手選手を背負ったピヴォ当て(=サッカーでいうポストプレー)から仁井貴仁のゴールをお膳立てした。

高橋監督もこのゴールについては「それまではセットプレーやカウンターで得点することが多かったのですがあのゴールは初めて綺麗な形で決まった」とフットサルらしい得点を称賛した。

そしてアシストだけでなく、ゴールも量産して今シーズンは第24節を終えて既に12ゴールをマーク。その数字はチームの中では群を抜いている。ピヴォを始めてまだ1年足らずだが、ひたむきな努力と成長力で前回の日本代表候補合宿に選ばれるまでになった。

昨シーズンは無得点だった新井は「1巡目5点、2巡目5点と取っているので3巡目は5点以上を目指したい」とシーズン終盤にかけての意気込みを語った。もはやその言葉にも成長が表れている。

新井の成長は「得点」という意味でチームの結果にダイレクトに結びつく。キャプテンの三笠貴史は「シーズン1巡目、2巡目での経験を踏まえて3巡目はチームよりももっと個人に焦点を当てて、自分がどんなプレーを残りの試合でできるのか。残りの試合は選手のエゴがもっと見えてくる」と話す。

シーズンは残り9試合。新井は開花したピヴォとしての才能をさらに高め、シーズン3巡目でより結果を出し続けていれば目標でもある新人賞獲得や代表入り定着も近づくだろう。

今シーズン開幕当初は個性的な髪色で話題になっていたが最近では髪の色も地味な色に落ち着いている。これからの新井は髪の毛ではなく一人の選手としてプレーで強烈なインパクトを与えてくれるに違いない――。

文・舞野隼大(SAL編集部)

(C)AbemaTV

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