岡田准一&小松菜奈、中島哲也監督に感じる作品への強い愛情

クランクイン!

2018/12/2 05:00

 「第22回日本ホラー小説大賞」を受賞した澤村伊智の小説『ぼぎわんが、来る』を鬼才・中島哲也監督が映画化した『来る』。本作で、不可解な恐怖に立ち向かうオカルトライター野崎を演じた岡田准一と、強い霊感を持つ真琴に扮する小松菜奈が、互いの印象や、中島組で得た貴重な体験について語った。

【写真】小松菜奈、『来る』インタビューフォト

映像、音楽、ストーリー展開ともにエッジの効いた作品を世に送り出してきた中島監督。岡田にとっては初、小松は『乾き。』以来2度目の現場となったが、岡田は「映画業界での噂はいろいろと聞いていました」と小松を見つめてニヤリ。続けて「あれだけ力強い絵や人間の闇を描くのだから、絶対いい人じゃ撮れないと思いますよね」と同意を求める。

しかし実際は、とてもチャーミングな人だったという。「もっと破壊的な方だと思っていたのですが(笑)、愛情あふれる方なんです。もちろん厳しい言葉が飛ぶこともありましたが、それは愛情があふれているのにうまく言えずにそうした言葉が出てくるという、そういうお茶目さを目の当たりにして、ますます好きになりました」。

一方の小松は、『渇き。』で中島組を経験しているが、本作に臨むうえでのプレッシャーは前作の比ではなかったという。モデルとして活躍していた小松にとって、女優業を鮮烈に印象づけた作品が『渇き。』であり、中島監督との出会いは非常に大きなものだった。だからこそ「前作から4年ぐらいの時間が経過しているのですが『お前はどれだけ変わったんだ?』と問いかけられているような気がしたんです」と撮影前は、必要以上に肩に力が入ったようだ。

それでも前作同様、中島監督からかけてもらう言葉は、すべて小松の血となり肉となった。「出会ったときから、ダメ出しを大きな声でされても、私は中島監督を怖いと思ったことがないんです。そこには作品をもっと良くしようという監督の思いがあるから、叱咤(しった)されることは愛情なんだと感じられるんです」。

絶大なる信頼関係で結ばれている小松と中島監督。小松は「お父さんみたい」と表現すると「みんながいる前だと、めちゃくちゃ私のことをイジるのですが、2人になると、お父さんと話しているような会話になるんです。しっかり私のことを見てくれているという安心感もあるし、大好きな監督です」と笑顔で語っていた。

中島監督を父のような人と称した小松。初共演となった岡田に対しては「もっと固い人だと思っていた」と第一印象を語っていたが、実際はとても気さくで、壁を作らない人柄に「緊張せずしゃべれる、いい意味で近所のお兄ちゃんみたいな方」という印象を持ったという。

一方の岡田は、「とてもお芝居に力がある。映像映えする強い女優さんだなと感じました」と小松の素材の良さを強調。さらに現場の居かたを「キレイ」と評すと、正面から役柄に向き合う姿勢に「すごく好感度が高い女優さん。ずっとこのままでいてほしいですし、本当にいい男性と出会ってほしいですね」と兄目線(?)で賛辞を送っていた。

岡田、小松ともに本作では、近年の作品で見せるイメージとは違うエキセントリックな役柄に挑んでいる。特に小松は1ヵ月前から地毛をピンク色に染め、両腕にタトゥーという衝撃的なビジュアルを披露している。現場で中島監督から「お前は青春映画のやり過ぎなんだよ!」と言われたという小松は「青春映画は今しかできないので、お話をいただけることはすごく光栄なんです」と前向きに取り組んでいることを明かす一方、本来は、シリアスで精神的に追い詰められるような役柄に強く惹(ひ)かれると述べていた。

岡田は、自身の20代は草食男子という言葉が流行り、若手男性の役柄が偏っていたことに危機感を持っていたと振り返ると、20代後半は男らしさを突き詰めていこうと決めていたという。その成果が、武骨な侍や軍人という配役にあらわれたが「なりたい自分にはなれているのですが、それこそ偏りすぎてしまったかな」と苦笑いを浮かべると、本作のような役柄には、非常に新鮮味と面白味を感じたという。

岡田、小松のほかにも、妻夫木聡、黒木華、松たか子といった実力派俳優たちが、中島監督の才能のもとに集まった本作。岡田が「毒や闇」と表現した中島ワールドは、これまでの作品同様、極上のエンターテインメントへと昇華されている。(取材・文:磯部正和 写真・松林満美)

映画『来る』は12月7日より全国公開。

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