「あなたには渡さない」萬田久子・荻野目慶子の参戦でひー!愛人大渋滞、がんばる女は愛人向きだって3話

エキレビ!

2018/12/1 09:45

通子「ズルい男。でも、私はそれすら不思議な魅力と感じている。多衣さんへの対抗心が、私をただの妻から一人の女に変えてしまった」

11月24日(土)放送の、土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)第3話。

旬平(萩原聖人)の愛人・多衣(水野美紀)に続き、料亭「花ずみ」で女将代理として働いていた八重(荻野目慶子)が旬平の兄弟子・前田(柴俊夫)の愛人であることが発覚。さらに、新規オープンした割烹「花ずみ」に、先代板長である旬平の父の愛人・吉岡鶴代(萬田久子)が来店した。通子(木村佳乃)の前で、愛人が大渋滞だよ!


愛人に向く女・本妻に向く女
通子が多衣に6,000万円を借りて開いた「花ずみ」は、初速こそ良かったものの客足が遠のいていた。原因のひとつは、前田が旬平の料理を真似ていたこと。そして、前田の愛人である八重が、予約を勝手にキャンセルしていたことだった。前田と八重の仲について通子に助言をしたのは、以前店を訪れた老画家・六扇(横内正)だった。

それを知っても、通子は八重を「花ずみ」で働かせたいという。八重と自分は協力し合えると。そんな通子の話を聞き、旬平は「お前、お袋のことを嫌っているくせに、なんだか似てきたな」と言った。
多衣のことや離婚に関して自分が後ろめたいことがあるときは、通子と自分の関係を「社長と従業員」と言って敬語を使う旬平。なのに、通子が自分の考えで物事を進めようとすると、夫ぶって「お前」と呼ぶ。自分はけじめをつけていると思っているのかもしれないが、旬平ももうグズグズである。

八重「あの人、去年の秋ごろから『勝浪(かつなみ)』の若い仲居に手を出しているんです。だから私、繋ぎとめるために気を引かなきゃって、今度のことも自分から言い出したんです。馬鹿ですよね」

「勝浪」に勤める前田の気を引くため、八重は「花ずみ」の情報を流したり予約客に断りの電話を入れたりしていた。それを打ち明けているときの八重の「しな」がすごい。恋に溺れている中年のそれだ。
八重は、2話で「男と女、何が起こるかなんてわかんないものよ」と板前の矢場(青柳翔)に説いていた。意地悪でふてぶてしい前田に、正直どうして八重がそこまで入れ込むのか傍目にはわからない。だからこそ、繋ぎとめるために必死になる八重が痛々しい。

八重の件は、彼女が前田と別れると決心して決着がついた。しかし、経営も旬平との関係も上手くいかない通子は、多衣に弱音をこぼしてしまう。

通子「私、精一杯やってるんですけど……」
多衣「それがいけないんじゃないかしら」

精一杯の何がいけないのかと悩む通子に、今度は鶴代が言葉をかける。

鶴代「まあね、嫁と姑も本妻と愛人のようなものかもね。どっちが本妻かわからないけど」
通子「そういうえば私ずっと、夫の本妻はお義母さんで、自分は日陰の愛人のような気がしていました」
鶴代「やっぱりあんた、妻より愛人向きの女ね」

鶴代は、本妻は夫が絶対に戻ってくると信じているものだと言う。本妻が完全に自分に縛りつけることで、男は安心できるのだと。心のどこかで「この人は私のものじゃない、奥さんのところに帰ったほうが幸せかもしれない」と一歩引いていた鶴代は、愛人という立場に甘んじるしかなかった。

鶴代「あんたの旦那は、その多衣っていう女と出会ったとき、この女はまるごと自分を掴んでくれる女だってそう思ったのね。その女のほうが、本妻みたいなものでしょ」
通子「私が愛人向きなの、なんだかわかる気がします」
鶴代「馬鹿、わかっちゃいけないのよ。そういうところがあんた変よね。なんだか私、あなたの味方したくなってきちゃったわ」

素直で、自分は日陰者だと立場をわきまえていて、どんと構えられずつい精一杯やってしまう。そんな通子は、傍からは痛々しく見える鶴代や八重と同じ、愛人向きの女だった。

不倫のリスクについてフラットな視点で解説した『不倫のリーガル・レッスン』(日野いつみ/新潮新書)という新書がある。その中で『不倫の恋で苦しむ男たち』(亀山早苗/新潮文庫)を引用しつつ、不倫相手として理想的な女性の性質として、
・明るくさっぱりとしている人
・一人で放っていても大丈夫な女性
・わがままを言わない女性
という項目が挙げられている。(p.57)これは、自分の立場をわきまえて目の前のことを精一杯がんばろうとしてしまう女性の姿とどこか被る。

通子のそうした性質を「それがいけないんじゃないかしら」と指摘した多衣。ビジネスの面だけでなく、旬平との結びつきの面についても暗に言及したように思えてならない。


萩原聖人「女性が強くなるきっかけは“ダメな男”」
やはり3話で最も「ヒエ~!」と声が出そうになったのは、「花ずみ」で多衣と鶴代が対峙したシーン。カウンターに鶴代と多衣が座り、通子がお酌をしてまわっている。

鶴代が旬平の料理を「色気がない」、「女遊びするくらいの甲斐性があったほうが、包丁にも艶が出るんじゃないの」とディスる。それに通子が「本当に、私もそのほうが安心です。どこかに知らない女でも、いてくれたら良いんですけど」とにこやかに返した。
つい、『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)で、水野美紀が「ここにいるよ~~~!」とクローゼットから出てきたシーンを思い出してしまったが、そこにいた多衣は無表情だった。

多衣「聞かせてもらいましたけど、愛人が奥さんの元に乗り込むなら、門前払いされるくらいの覚悟で行かれたらどうです。それを逆恨みするなんて、愛人の風上にも置けやしない」

キクに門前払いされた過去を恨む鶴代に、こう言い放った多衣。愛人に風上とか風下とかあるのか……? とも思うが、多衣なりに哲学を持って旬平と付き合っていることがうかがえる。鶴代は多衣について夫を縛る本妻のようだと言ったが、多衣は多衣で、自分の立場をわきまえてもいたのではないだろうか。
というか、この会話を旬平はどんな気持ちで聞いているんだよ。

鶴代に啖呵(たんか)を切る多衣を見て「かっこいい人っすね!」とはしゃいでいた矢場。今夜放送の4話以降では、その矢場と多衣にとんでもないことが起こっていくらしい。
その二人のスピンオフドラマが、12月1日(土)深夜0時05分からAbemaTVで独占無料配信される。

スピンオフドラマについて、水野美紀は「青柳さんが、ストーリー的に全く必要性が無い(と私は思う(笑))シャワーシーンにまで、張り切って挑んで下さっています」とコメント(公式サイトより)。本作のファンはもちろん、青柳翔のファンも必見の内容になっていそうで楽しみだ。

一方、通子は旬平への未練を断ち切るために「最後にもう一度だけ、私を抱いて」と伝えた。「俺は多衣とのことで、まだお前に隠していることがある。2つも」などの大事な話のときは、通子の目を見ずどこか遠くを見ていた旬平。通子が下着姿になったときは、それをしっかりと見つめていた。なんというダメ男……。

萩原聖人はインタビューで「結局、女性が強くなるきっかけは“ダメな男”ってことです!(笑)」と言っていた。旬平の限界ダメっぷりを目の当たりにしながらも抱かれてしまった通子は、この先どれだけ強くなってしまうのだろう。

(むらたえりか)

▽『あなたには渡さない』スピンオフドラマ配信サイト
・AbemaTV

▽配信サイト
・Amazonプライムビデオ
・U-NEXT
・dTV

土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)
2018年11月10日(土)より 毎週土曜23時15分から
原作 連城三紀彦「隠れ菊」(集英社文庫刊)
出演 木村佳乃、水野美紀、田中哲司、萩原聖人、青柳翔、井本彩花、山本直寛、荻野目慶子
ナレーション 菅原正志
脚本 龍居由佳里、福田卓郎
音楽 沢田完
主題歌 chay feat.Crystal Kay「あなたの知らない私たち」(ワーナーミュージック・ジャパン)
オープニングテーマ FAKY「Last Petal」(rhythm zone)
ゼネラルプロデューサー 黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー 川島誠史(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ)
演出 植田尚、Yuki Saito
制作 テレビ朝日、MMJ

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