【SUPER TUNED MEMORIES】C30A改ツインターボを縦置き! WTACで世界が注目したタイムアタックNSX

clicccar

2018/12/1 07:00


目指したのはサーキット最速のNA1! 止まることのない進化は円熟の域に突入した

ヒューランド投入のために必要だったエンジン縦置き化

タイムアタック専用マシンとして、通常のNSXとはまったく異なるアプローチで製作されたエスプリNSX。750psというハイパワーを発揮するツインターボ化されたC30Aは、なんと本来の横置きではなく縦置きにレイアウト変更されている。このレイアウトへと変更した主な理由は、ミッションを耐久性の高いヒューランド製シーケンシャルに組み替えるための策なのだという。

「NSXのミッションはパワーへの耐性がなく、700psを超えるとすぐにダメになる。何度か対策を講じるも横置き用のミッションでは限界。それなら耐久性のあるミッションを搭載できるよう、エンジンを縦置きにしようという結論に至ったってわけ」とはエスプリ代表前川さん。

このエンジンレイアウトの変更は、大手術となるのは当然。まさにゼロから1台のクルマを造り上げていくと同様の作業となった。特にエンジン搭載位置の決定は、マシンのハンドリングに影響を与える最も重要な要素と言える。

「エンジンを縦置きにして、さらにミッションを組み入れるとなると、重量バランスを大きく崩すことになりかねなかったので、この問題をどうクリアするかが大きな問題だったね」と、完成した今だからこそ笑って話していた前川さんだが、実際の作業はそうとう頭を悩ませたはずだ。そして試行錯誤の上に最適な位置を見つけ出すことに成功。マウントの新設やファイヤーウォールの加工などを行い、こうして前代未聞の縦置き化が完了した。

それに伴いもちろん足回りから、エアロパーツなどセッティングなども適正化し直された。その実力は2013年のHKSプレミアムデーで行われたオプションスーパーラップにおいてチャンピオンを獲得。さらに同年、タイムアタック世界一を決定するWTACのプロクラスに参戦を果たし、堂々の8位という成績を残した。

すでに究極とも呼べる仕様ではあるが、エスプリが目指す頂はさらに先にあるという。次のステージではどんな走りを見せてくれるか、今後の活躍に期待せずにはいられない。

本来は横置きのC30Aを縦にレイアウト。それに伴いサージタンクやパイピングなど全てのパーツをワンオフで造り上げる。また、エンジン搭載位置変更のため、フューエルタンクはフロントフード内に移設されている。

搭載位置が前方に延びていることから、ファイヤーウォールは切断しボックス加工によってエンジン搭載スペースを確保している。

エンジンを縦置きするだけでなく、片バンクずつにHKS GTIIタービンを装着しツインターボ化。制御系はF-CON Vプロのバージョン4.0を採用しながら750psの最高出力を絞り出す。

ターボ化に合わせワンオフのインタークーラーはリヤトランク位置にセット。トランクリッドには導風口を取り付けることで、走行風を効率的に取り入れる設計となっている。

サスペンションはHKSをベースにスウィフトのスプリングを組み合わせる。ノーマルのシャシーを活かしているため、前後共にマウント周辺は純正のまま補強が加えられている。

フロントナックルは削り出しで製作し車高を下げながらロールセンターを補正。ブレーキはエンドレスのモノブロックキャリパーをセットし、大幅に向上したパワーに対する確実な制動力を手に入れている。

テストのために履いたポテンザRE71Rは、ラジアルでありながらグリップ力が長持ちするためエスプリNSXとの相性は抜群。前後ともに295/30-18をセットする。

もともとパワステがオプション設定だったNSXのため、新たに油圧式パワステを導入。ポンプは電動タイプのトヨタMR-Sから流用し、室内側でポンプのオン/オフ切り替えが可能。

縦置きのキッカケとなったヒューランド製6速シーケンシャルミッションは、700psオーバーのスペックを受け止めるには必須のアイテム。アダプターを削り出してマウントし、油温管理のためにミッションにはオイルクーラーをセットしている。

フロントのダウンフォースを稼ぐため、アンダースポイラーは剛性を高めたドライカーボン製のボックスタイプを装着。フロントの接地感を高めることで、リヤヘビーのバランスを解消している。

ドライカーボン素材を使用し、NSX用に開発されたリヤディフューザー。ダウンフォースを効率的に発生させるうえ重量はわずか3.5kgと軽量。

パワーとともに効果的なチューニングといえるのが軽量化。ボディパネルはもちろんドアに至るまでドライカーボンを使用することで圧倒的な軽量化を図っている。

スペック

エンジン:C30A改(縦置き化) エスプリ オリジナルピストン、オリジナルコンロッド、オリジナルサージタンク、インマニ、エキマニ、フロントパイプ、マフラー、インタークーラー、パイピング、ラジエター/900ccインジェクター/HKS F-CON Vプロ、GTIIタービン、EVC、ウエストゲート、スーパーパワーフロー

ドライブトレイン:ヒューランド6速シーケンシャルMT/OS技研 クラッチ、フライホイール、LSD

フットワーク:HKS車高調/スウィフトスプリング(F 30kg/㎜ R26kg/㎜)/エンドレス キャリパー&ローター/ブレーキバランサー/トヨタMR-S用油圧パワステ流用

ホイール:プロドライブ GC-05N(F 18×11.0J+20 R18×11.0J+20)

タイヤ:ポテンザ RE-71R(295/30-18)

エクステリア:ルートKS ゼロフォースボディキット/エスプリ GTウイング、ドライカーボンフロントアンダースポイラー、ドライカーボンボンネット、ドライカーボンドア、ディフューザー

(web option編集部)

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