「手のひら返し、勉強不足」「数字至上主義」ゴーン報道を幻冬舎・箕輪厚介氏、”元ホリエモン弁護人”高井康行弁護士が厳しく批判

AbemaTIMES

2018/11/30 19:30


 カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を巡る一連のマスコミ報道に違和感を抱く声もある。その一つが、報酬50億円分の虚偽記載容疑について、当初とは異なる報道が出てきていることだ。

今週に入り、これが退任後に支払われるものであり、ゴーン容疑者はまだ受け取ってはいなかったということが報じられた。さらにゴーン容疑者と共に逮捕された側近・グレッグ・ケリー容疑者は、この報酬が確定したものではなく、金融庁に問い合わせた結果、有価証券報告書への記載義務もないという認識だったと供述しているとも報じられている。

 さらに、子会社が購入した不動産などの無償利用、経費で家族旅行、オランダの子会社からの報酬、株価連動型インセンティブ(SAR)の受領、姉に業務実態のない契約料支払いなど、逮捕容疑とは直接的に関係のない報道もある。証拠に基づいて有罪を宣告されるまで被告人は無罪と推定されるべきであるということ、"疑わしきは罰せずを原則とする"、その推定無罪の考えが徹底されず、客観的な事実も不透明な中、ゴーン容疑者がまるで有罪であるかのような印象が植え付けられていっているのだ。

 29日放送のAbemaTV『 AbemaPrime 』に出演した元東京地検特捜部の検事で、堀江貴文氏の裁判(一審・二審)で担当弁護士を務めた高井康行弁護士は「"フランスは推定無罪の国だからゴーン氏を解任しなかったけど、日本は推定有罪の国だから解任したよね"という見方もある。"推定有罪の国"になってしまっている最も大きな責任はマスコミにあると思う。検察から出る情報、あるいは日産から出る情報を"関係者によると"として、全て正しいでしょうという前提で書いている。だからそういう空気ができてしまう。意図的に書いているとは思わないが、厳しい言い方をすれば"取材不十分"。すでに報酬が支払われているのなのか、そうでないのかを細かく事実確認するべきで、そういう質問を当局にできないというのはマスコミの勉強不足だ」と厳しく批判する。

 また、2006年のライブドア事件や堀江氏を巡る報道を振り返り、「とにかく"水に落ちた犬は打て"というのがマスコミのやり方だと思った。自分たちで持ち上げていた人が落ちかけたら手のひらを返して叩く。マスコミのあり方として、国民が求めている、関心がある。だからそれに寄り添っている、ということが否定されるものではないと思う。しかし、どこまで寄り添うかは見識の問題だと思う。見識を失ったマスコミはダメだと思う。彼は"お金で買えないものはない"という発言をした、とされていた。検察官をやっている人間からすると、これは非常に違和感のある考え方で、だからあの事件が起きたというわけではないが、中には"買えないものもあることを教えてあげようかと"思う検察官がいてもおかしくない」と話した。

■箕輪厚介氏「インターネットの普及によって変わりつつある」
 幻冬舎の編集者である箕輪厚介氏は「何十億ももらっている人が地に落ちるのは、一般の人にとっては格好のネタ、"飯ウマ状態"。ライブドア事件の頃の映像を見ると、マスコミのクズさというか、本当にゾッとする。ホリエモンが合コンではこうだったとか、容疑とは関係ないことをずっと話している。今回も報道が出た後に、用意していたかのように週刊誌がゴーンさんのDVを報じていたけれど、これもはっきり言って事件と何の関連性もない。メディアの人間として思うのは、真実を追及して正しい報道をするというジャーナリズムと、単純に部数、視聴率だ、というものがごちゃまぜになっていて、どちらかというと営利企業として後者の優先順位が高くなっている数字至上主義の問題がある」と話す。

 「検察とも一種の共犯関係があって、国民の下劣な意識を利用してやっている部分もあると思う。だからこれはマスコミだけの問題じゃなくて、その写し鏡として見る側の問題でもある。ただ、インターネットの普及によって解決されつつあるとも思う。例えばネット上で高井弁護士のようなプロがニュースにコメントをしてくることによって"なるほど、こういう見方もあるんだ"ということがわかるし、マスコミの印象操作が通用しなくなってきたというのはいい傾向だと思う。それによって、こうして報道そのものについて喋ったり、週刊誌を批判することによって、ホリエモンの時ほど批判一色になっていないのはいい傾向だと思う。ただ、たとえばYahoo!ニュースのコメント欄を見ると、話題になっている人を叩くことでストレスを発散している"嫉妬の塊"ばかりでおぞましい。むしろ、あそこで叩かれるということは、正しいことをしているんだという意識でいたほうがいいくらい。記事にお金を払う人たちは内容をちゃんと読み込んでコメントをするが、そうでない人はそういうことを書き込み続けるから、極端に分断化されているんだと思う。例えばNewsPicksの場合、有料会員は月額1500円かかるが、会員限定の記事だと、ちゃんと内容についてコメントをくれる」。

 議論を受けて、堀江氏の著書の担当編集だったこともあるという東京工業大学の柳瀬博一教授は「堀江さんの時と違うのは、海外のニュースなども手軽に見られるようになったこと。一般の読者もメディアの人間も、日本ではこう報じられているが、海外ではこう報じられていると、多元的に見られるようになり、自分たちの立ち位置が確認できるようになった。また、実はお金を払う有料チャンネルや書籍など、お金を払うコンテンツにおいては、ネガティブキャンペーンは売れない。物事の真相がわかるものは別として、単なる悪口が成り立つのは、広告で成り立っている無料のテレビ番組やインターネットのコンテンツなど。お金を払うということは、"払った分だけきっちりしなかったら怒るよ"ということでもある」とコメントしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶高井弁護士、箕輪氏を交えた議論の模様は期間限定で無料配信中

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