104に初めて電話、暇過ぎてゴロゴロ…1日”スマホ断ち”してみたらどうなるのか?23歳新卒OLが体験

AbemaTIMES

2018/11/30 17:30


 韓国で今、意外な宿泊施設が話題となっているという。それが1泊約1万円で刑務所の独房を模した部屋に泊まれるという「私の中の刑務所」だ。本当の刑務所のように、携帯電話・時計の持ち込みはもちろん、会話も禁止。そんな情報から隔離された生活を送ることによるストレス解消を狙って、ビジネスマンや学生たちから人気を博しているという。

今や現代人の情報通信ツールとして無くてはならないものとなったスマホ。総務省が今年発表したデータによると、スマホを保有している世帯は日本全体の75.1%と、パソコンや固定電話を上回る普及率を見せている。

 渋谷の若者たちも「スマホがないと生活できない。時間を見たり、電車を調べたり、LINEしたり」「携帯ないとヒマだったのでつまらなかった」「移動ができなかった。どこに行けばいいのかも調べられないし、めっちゃ焦った」と口を揃える。

もし手元からスマホがなくなったとしたら、一体どんな生活になるのだろうか。都内の会社で新卒で入社、営業職として働く「スマホ大好き女子」の渡邊玲央那さん(23)の協力のもと、"一日アナログ生活"を体験してもらった。

勤務先は東京・渋谷区にある「Smarprise」。バーチャルYouTuberの制作など、スマートデバイスに関連するメディアの運営を行っている。PCとスマホをスタッフに預けて出社した渡邊さん。業務上、当然スマホとPCは必須アイテムだが、今日はそれらが一切使えない。いつもはすぐにデスクの液晶モニターにパソコン繋げるが、「今日はできない」と苦笑い。やれる仕事が見つからなかったため、とりあえずハンドモップを手に社内の掃除を始めた。しかし引っ越してきて間もないオフィスは思った以上に綺麗で、10分ほどで終了。再び手持ち無沙汰になってしまった。

 取引先との連絡も、普段はメールかチャット。いつも使っているスマホがないため、取引先の連絡先すら分からず途方に暮れる渡邊さんに、見かねた先輩の加藤紀穂さんが「104とかかけてみたら」とアドバイス。初めての電話番号案内に緊張したのか、オペレーターから「お名前をもう一度」と言われると、調べたい会社の名前ではなく、「はい、渡邊と申します」と自分の名前を告げてしまっていた。

 午後1時、ランチのために先輩と一緒に外に出てみると、ぱらぱらと小雨が降っていた。「スマホがあったら天気予報を見て傘もちゃんと持ってきた」。スマホ断ちでストレスが溜まってきたのか、少々愚痴っぽくなってきた。

 行きつけの店に入ってメニューを注文するも、料理がくるまでの間は「マジ携帯ないとヒマ」。「ゲームしよ~羨ましい?」と"挑発"する先輩は、料理が運ばれるとInstagram用に写真を撮影。渡邊さんは「いいなぁ」とぼやいていた。

 昼食後は近くの系列会社で打ち合わせ。商談をまとめるための大事な打ち合わせだったが、持って来たのはノート。相手の男性は「PCだけ持ってくるようなキャラだったんでビックリした(笑)」と驚いていた。

 午後8時。帰宅する渡邊さんに同行、ご自宅にもお邪魔した。部屋着に着替え、テレビのスイッチを入れた渡邊さん。スマホをいじりながらの「ながら見」ではないのは久しぶりだという。それでもCMに入ると立ち上がり、何やらそわそわ。料理をするわけでもないのにキッチンの扉を開けてみたり、普段は寝る前にするという読書を始めてみたり。さらに人形と遊んだり、プリントシールを見てみたり、ごろ寝したり…と、とにかくヒマそうだ。

 「スマホ断ち生活」の禁断症状がピークに達した夜9時半、ついに終了の時間を迎えた。感想を尋ねてみると「スマホにずっと触れないの、すっごい暇だった・久しぶりに触れる。超うれしい。なんか超いっぱいきてる。会社の方はちょっとヤバい。電話が3件、メールも超たまってる。返さないとヤバい…」。焦る渡邊さん。さらにLINEの未読件数は54件に達していた。「のびのびして生活できた。良かった」と話す一方、もう1度やってみたいかとの質問には「思いません」と断言していた。

フランスではスマホ依存・サイバーいじめ防止のため、"小中学校でスマホ禁止"という法律が9月から施行されるほか去年1月に施行された法律では労働者の勤務時間外の仕事上のメールやSNSなどを使わない、"つながらない権利"を認めている。また、イギリスではサッカープレミアリーグのアーセナルがストレス対策として、マッサージルームでのスマホ禁止を導入している。

日本では複数の県が「小中学生のスマホ使用は午後9時まで」とルール化、大阪市では災害時の連絡手段確保などのため、19年度から持込み可とする方針だ。

東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長によると、スマホを頻繁に用いることで対面型のリアルなコミュニケーションの機会が減るほか、大量の情報を受動的に受け取り、検索や変換もスマホが自動的に予測を出してくれるため、脳を使う機会がなくなると指摘している。

  パックンは「スマホを普及してから、連絡が来てるかもしれない、早く返事しなきゃといつも追われている感じがする。昔だったら連絡した方も"留守にしてるのかな、帰ってきたら折返しかかってくるだろう"と自然に待つことができた。それが今は2、3時間返信がないとどうしたの?と言われてしまう」とコメント、タレントの宮澤エマも「こうしたツールをベースに仕事をしている人もいるし、もう後戻りはできないと思うが、やっぱりスマホには中毒性もあると思うし、アメリカではデジタルデトックスといって、あえて触らない、あえて見ないという日を休日に設けている人もいる」と話す。

ジャーナリストの堀潤氏は「僕も平壌に滞在した1週間はスマホを使えなかったが、その分、目の前の人との会話がめちゃくちゃ弾むし、ちゃんと約束をして"○時にあそこで集合しようね"というコミュニケーションがうまくいくようになった。夜もすぐ寝れるし、良かった」と振り返り、スマートニュースの松浦シゲキ氏は「マインドの問題だと思う。情報を受ける絶対量が上がっているので、むしろ蓄積する力、判断力は間違いなく上がっている」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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