タイで働いた8年間が職歴として評価されない!? 42歳男の後悔

日刊SPA!

2018/11/30 15:51



最近は日本で就職する外国人は珍しくないが、同様に海外で就職・転職する日本人も増えている。だが、帰国して転職しようとする際、海外での勤務経験をキャリアとして評価してくれないケースもあるようだ。

◆タイで働いた8年間が職歴として評価されない!

現在、大手食品メーカーの系列会社で働く長谷川一也さん(仮名・42歳)は、29歳のときに当時勤めていた葬儀会社を辞め、タイにある日系企業に転職。現地採用社員として8年間働いていたが、37歳で帰国した後は仕事がなかなか見つからず苦労したとか。

「帰国後は30代後半で若くなかったですけど、求人自体はそれなりにありましたし、すぐに見つかるもんだと思っていました。でも、3か月経っても一向に決まらず、あのときはさすがに焦りました」

実は、海外転職といっても仕事内容は、現地にある同じ日系企業への営業。職場や取引先にはタイ人スタッフもいたが、仕事自体は基本的に日本語で行っており、英語もタイ語もビジネスレベルで使えるほどのスキルはなかった。

◆帰国後、再就職した職場ではバイトからバカにされる日々

「面接では語学力についてよく聞かれましたけど、日常会話くらいしか話せないと伝えるとがっかりした表情を見せる人もいました。それが『海外で働いていたクセに全然使えないな』って思われているように感じてしまって。確かに、望んで海外転職しましたが、私はそこで満足してスキルアップの努力を怠ってしまいました。帰国してそのことに気づきましたが、時すでに遅しでした」

短期のアルバイトで食いつなぎ、仕事がようやく決まったのは帰国からおよそ半年後。数十社に応募の末、ようやく採用されたのは食品メーカーの系列子会社の営業だった。

ところが、入社から2年後、グループ再編の影響により、営業所から工場に異動を命じられてしまう。

「仕事にも慣れた時期だったので、ここでの異動は正直辛かったですね。生産工場でアルバイトやパートスタッフの監督業務といえば聞こえはいいですが、自分もライン作業に加わっていますし、内容的にはバイトリーダーみたいなもの。正社員であることは大きいですけど、イチから覚えなければいけないことだらけでバイト連中から陰ではバカにされるし、今でも毎日メンタルが削られるような思いで働いています」

◆無計画な人生設計のツケが回ってしまった

ただし、本当は再転職も検討していたそうで、転職コンサルタントに相談したこともあった。結局、思いとどまって働き続けることを選んだが、そこにはコンサルトからのキツい一言が大きく影響している。

「『海外勤務といっても日本語でのルート営業では評価されない。スキルもほとんど持っていないのであれば、職歴としてはむしろマイナス』とダメ出しされ、転職しないほうがいいと言われました。でも、今の会社も過去にグループ全体でリストラを何度も行っていますし、このまま定年を迎えるまで働き続けることができるか不安。年収は360万円しかありませんが、もし仕事を辞めたらこの収入すら得ることはできないと思うので」

今では海外転職していたこと自体を後悔している。

「海外への転職は挑戦とかそういう前向きなことではなく、私の場合、日本よりはのんびり暮らせそうだからって理由だったので。帰国する前、同じ現地採用組の日本人の友達に『その年で日本に戻ると苦労するよ?』と忠告されましたが、確かにその通りだった。かといって向こうじゃ今の半分程度の収入がやっとだったし、老後への不安もありますから」

ちなみに海外転職前まで働いていた葬儀会社は、今では規模を拡大。会社に残っている当時の同僚は出世していたという。

「彼らが人生の勝ち組なら私は負け組。もう少し地に足つけて生きられたらよかったと今なら分かるんですけどね(苦笑)」

まさに、後悔先に立たずである。 <取材・文/トシタカマサ>

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