有村架純、母親になる…多様な家族のあり方を切なくも美しく描く/映画『かぞくいろ』

日刊SPA!

2018/11/30 08:30



~藤沢数希のモテる映画工学『かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-』~

◆肥薩おれんじ鉄道を舞台に、多様な家族のあり方を切なくも美しく描く

晶(有村架純)は子連れの修平(青木崇高)と結婚し、東京で3人で幸せに暮らしていた。しかし、修平はくも膜下出血で突然死んでしまい、晶は彼の連れ子の馳也(歸山竜成)と2人取り残されてしまう。

東京に身寄りのない晶は、一度も会ったことのない鹿児島の義父の節夫(國村隼)を訪ねる。節夫は鹿児島と熊本を結ぶ肥薩おれんじ鉄道の運転士をしていた。とある理由で、節夫は息子の修平とは音信不通になっていた。こうして四季の彩り豊かな鹿児島の小さな町で、ちょっと変わった家族の暮らしが始まるのだった。

けなげに生きる馳也、そして血の繫がっていない子供のために母親になろうと決心する晶、2人を見守る節夫の3人が織りなす人間ドラマが丁寧に描かれる。

美術や音楽もとてもよく、誰にでもオススメできる映画に仕上がっている。LGBT問題などハリウッドでも「多様性」の大切さを伝える、というのは何かと流行のテーマだが、多様な家族の形をこんなに純和風に、切なくも美しく描くことができたのか、と映画を見終えた僕は深い感銘を覚えた。ネタバレになるので書かないが、転校先の小学校の若くてかわいい先生もなかなかいい。

そして、この映画は恋愛工学においても重要な学びがあった。顔も心も綺麗な晶ちゃんを、子持ちシングルファーザーの修平はどうやってゲットしたのか?

実は、近所のスーパーでのナンパなのだ。そのナンパと感じさせない自然な流れでの声掛けから、ちょっと強引に仲良くなっていくシーンは、まさに圧巻だ。

どんな素晴らしい愛の物語でも、好きなコに声を掛ける、というこの最初の勇気ある一歩から始まるのだ。

【藤沢数希】

理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは14万人を超える。最新刊『損する結婚 儲かる離婚』が発売中

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