「ブランド人になるな!」田端信太郎氏のパロディ本にサラリーマンから称賛の声

日刊SPA!

2018/11/30 08:50



11月21日にKindleでリリースされた『ブランド人になるな!SNSの奴隷解放宣言』(源闘舎)という電子書籍がSNSで密かに話題となっている。著者は“ロータシン・タバタ”なる人物だ。

どこかで見たようなタイトルと著者……どうやら株式会社ZOZOのコミュニケーションデザイン室長、田端信太郎氏の著書『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』(幻冬舎)をパロディした模様。表紙とタイトルから真逆の意見を主張していることは明白だ。

これに田端氏がTwitterで反応。「なんだこれwww 表紙の人物がイマイチやな」とコメントしたことにより、ネット上がザワついた。

Kindle内の各カテゴリーにおける売れ筋ランキングでは、「無料タイトル」で2位、「個人の成功論」で1位、「社会学」で1位(※11月27日確認時点)と好調。ますます気になってくる。

◆謎のパロディ本が登場、おふざけと思いきや…

出版社名は幻冬舎(げんとうしゃ)の漢字を変え、源闘舎とされている。だが、恐らく個人出版だろう。また、NewsPicks Bookならぬ、NewsFucks Bookと記されている。ロータシン・タバタ氏の正体は何者なのか。たんなるおふざけで作られたものかと思いきや……意外にも共感の声が多数あがっている。同書は無料でダウンロードできるので、試しに読んでみた。

まず最初の第1章「きみはSNSで笑顔になったか?」をチェックしてみると、妄想コラムとも言い切れないことがわかる。“SNSが人間の幸福度を下げている”ことを論じているのだが、大学や専門機関などの調査結果やデータなどで裏付けされている。意識高い系が好きそうな、いわゆる“エビデンス”というやつだ。オモシロ半分で読み始めた人たちは、すぐに面食らうことだろう。

◆「SNSの奴隷になるな!」と主張

現在は、SNSの時代とも呼ばれている。公私を問わず、個人から企業まで、ネットを駆使できなければ、“ダメな奴”というレッテルを貼られかねない。そんな中で、フォロワーが多く、発信力のある“SNS著名人”は憧れの対象にもなっている。だが実際、30代以上のビジネスマンの大半がTwitterなどのSNSには疎いことだろう。時代の流れと共に会社から“業務”として命じられ、渋々とアカウントを開設し、若手社員に教えを請いながら……。ファボるって何? リツイートって何? ツイートデックって何? 若手社員からはこんな声が聞こえてくる。

「先輩、そんなことも知らないんですか?(ったく、使えねーなぁ)」

ネット上で影響力を持つインフルエンサーのひとりである田端信太郎氏は、これからの時代において、SNSを使って「ブランド人になれ!」と言う。

「年功序列、終身雇用の崩壊。そして副業解禁。会社にぶら下がるクソサラリーマンはいよいよ終わる。会社の看板より個人の名前で活躍するブランド人の時代が到来だ」(『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』幻冬舎より)

こうした流れに危機感を覚え、SNS上でインフルエンサーと呼ばれる人たちの発言をチェックしてみたものの……何がいいのかサッパリわからない、なんて人も少なくないはずだ。次第に、これまで培ってきた社会人としての経験がすべて否定されたような気になり、すっかり自信がなくなってくる。

しかし、ロータシン・タバタ氏は、世の中に蔓延しつつあるSNS至上主義や、社畜のような日本のザ・サラリーマン的な状況をディスるような風潮に対し、NOを突きつける。

◆「SNSはビジネスの逆鉄則に陥っている」

ビジネスで成功する鉄則としてよく挙げられる「多くの人がやらないことをやる」という行動体質がある。他人との差別化の積み重ねが自分の地力に繋がる、というものだ。

多くの人がSNSをアクティブに使っているからこそ、SNSに奪われている時間を違う努力に投資することで成功確率があがる。SNS著名人の唱える成功術だけが生きる術ではない、ということを再認識しようというのだ。改めて自分自身で「多くの人がやらないことをやる」ことで、プロフェッショナルが磨かれ、あらゆる場でニーズが生まれる。そうなれば、サラリーマン生活は鬼に金棒だというのだ。

また、しがないサラリーマンであることが、今後のキャリアを築く中で、最高の財産になるという。どういうことなのか。ザ・サラリーマン体質の人に欠けていることが山ほどあることを付け加えたうえで、こう話す。

「日本を支えているのは、サラリーマンだ。なのに、サラリーマン気質を若い世代が失っている。企業にとっては危惧すべきことだが、私たちビジネスパーソンからすれば朗報だ。若い世代のサラリーマン気質がそもそも不足しているがゆえに、サラリーマン気質さえを兼ね備えていれば、ずっと重要なオファーを獲得し続け、食いっぱぐれがないということも言える」(第2章「しがないサラリーマンの隠された才能を知れ!」より)

同書の中では、ロータシン・タバタ氏の普段の仕事について、企業のコンサルティングや研修をしていることが書かれている。そこで思うことは、「若い世代が着実体質ではない」ことだという。手っ取り早く目に見える成果を求めたがり、着実に物事を進める体質が不足していると感じるらしい。

日本を支えているのはサラリーマンなのに、今後は企業が若い世代から優良な“企業戦士”を見つけることに苦労するだろう、そこで際立ち、重宝されるのがザ・サラリーマン……。

これまで会社のために尽くし、頑張ってきた多くのサラリーマンが勇気づけられることだろう。頭の中がSNSで支配され、自分自身を失っていた人たちは、読んでみると参考になることもあるかもしれない。

奥付の部分には彼のプロフィールとして、<個人経営者。ノーブランド戦略で淡々と稼ぎ続け、現在は、中小企業を中心に経営やコミュニケーションのバックアップ業務を行っている>と書かれている。

田端氏のパロディ本とはいえ、SNSが好きな人たちや意識高い系のツボをくすぐりながら、仕事の本質を問う内容。ロータシン・タバタ氏が、ただものではないことがわかる。ぜひインタビューしてみたい。もしも本記事を見ていたら、編集部までこっそり連絡してほしい。<文/日刊SPA!取材班>

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