大衆演劇の入り口から[其之三十四] やさしい和菓子みたいな劇団「春陽座」澤村心×澤村かずまの芝居語り

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ふんわり、和菓子を口に入れた瞬間みたいにやさしくて。

ぽかぽか、まさに春の陽が差し込むみたいにあたたかい。

結成15年目、春陽座(はるひざ)はそんな上質な舞台を届けている。その中心にいるのはおっとりした魅力の澤村心(しん)・二代目座長元気いっぱいの澤村かずま・三代目座長。そして劇団の財産である忠臣蔵をはじめとする多くの芝居は、澤村新吾(しんご)・初代座長が書いたものだ。
澤村新吾・初代座長 現在は劇団責任者を務める。
澤村新吾・初代座長 現在は劇団責任者を務める。

大衆演劇の世界はせわしなく変わっていく。多くの劇団で舞踊ショーがより重視され、コミカルなお芝居が好まれるといわれる時代に、カッチリ整った芝居を演じ続け、自分たちのあり方を貫く春陽座はどんな未来を見ているのだろうか? 10/8(月)、大阪・箕面スパーガーデンの楽屋でロングインタビューをお願いした。

自転車で大阪⇒鳥取へ


――両座長とも役者の生まれではなく、大人になってから「澤村劇団」(※)に入門されて、役者人生が始まったんですね。

二人 そうそう。

※澤村劇団…春陽座初代座長 澤村新吾さんの継父に当たる澤村源之丞さんが旗揚げ。現在は三代目 澤村謙之介座長率いる「劇団澤村」。

――心座長の入団は高校を卒業してからでしたね。

二代目座長 澤村心(以下、心) 高校卒業からちょっと間があったね。19歳の終わりかけでした。

――役者に反対していたお父さんに「行くなら自転車で行け」と言われ、住んでいた大阪から鳥取まで(!)本当に自転車で行ったという有名なエピソードがあります。

心 そう、劇団が公演してた、はわい温泉(鳥取県)まで(笑)。



二代目座長 澤村心 さわむら・しん 1978年11月29日生まれ。立ち役には大人の鋭さがあり、女形は上品に美しい。ファンからは「心様」と声が掛かる。穏やかな人柄で、インタビュー中も終始、優しい笑顔を浮かべていた。

三代目座長 澤村かずま(以下、かずま):俺が入ったのは心座長の3年後くらいかな。俺は18歳で、そのときは新吾先生が澤村劇団の座長やった。


三代目座長 澤村かずま さわむら・かずま 1983年2月21日生まれ。舞台をパッと照らす明るさ、弾けそうなエネルギーの持ち主。ファンからの愛称は「かずMAX」。インタビュー中も次々にトークをしてくれた。

心 新吾先生が春陽座を旗揚げするっていう話が出る頃には、すでに僕は澤村を辞めることになってた。でも新吾先生に話をもらったので、一緒に行くことになって。

かずま 俺は旗揚げのときには、もう、かな(新吾先生の娘)と結婚しとったから新吾先生の息子になってて。先生から旗揚げしようかどうしようか迷ってんねんって言われたけど、結局旗揚げしよっか、って話になって春陽座が立ち上がったんよね。

――2004年8月でしたね。

かずま そう、旗揚げ公演は懐かしのユラックス(三重県、現在は「おふろcafé湯守座」)でね。今、劇団は15年目。

心 結成当時は色々な劇団から集まってね。僕と三代目(かずま座長)、新吾先生、北條真緒さん、かなちゃん。この5人が澤村からの結成メンバーで、あとは色々な劇団を辞めはった人とか。

――春陽座は持っている芝居の数が極めて多いと思います。澤村劇団時代の芝居がベースになっているんでしょうか?

かずま というか、澤村劇団時代も春陽座になってからも、新吾先生が芝居を全部作ってるから!澤村劇団はもともと、新吾先生の義理のお父さんの澤村源之丞さんが大元なんやけど、その時代から新吾先生は息子として劇団にいたわけやんか。新吾先生はけっこう奔放な人やから、劇団に出たり入ったり、出たり入ったり(笑)。

――その長~い間に作られた芝居もいっぱいあるっていうことなんですね。

稽古における「神業」


――特に好きなお芝居や、やっていて楽しいお芝居はありますか。

かずま よその劇団さんがやらない系統のお芝居がおもろいな。

心 やっぱりな。もちろんオリジナルの芝居もそうやし、『御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)』『大石最後の一日』『弥作の鎌腹』とかの忠臣蔵の芝居もそうやな。

――戯作はすべて新吾先生が?

かずま 新吾先生が台本を作って、演出・構成を、俺や心座長に「やってみ?」って投げる感じ。たとえばここに、台本に書かれてる場面が一つあったとするやん。これに対してどう挑むか、どの方向から、どう行くか。この場面を一番の山場に持ってきてもいいし、逆に山場を作っておいて、落としたところにここがあってもいい。芝居中の曲、照明、動き、色んなやり方があるから。

心 ずーっと長いことやってる芝居でも、急に変えてみようか?って雰囲気変えてみたりすることもあるし。で、稽古中に台本からまた変えていくしね。

かずま バンバン変えるね。一回本読みをして、皆がワーッと合わす、そこでちょこちょこ変えていく。そのあと最終的には立ち稽古をして、ホンイキで芝居する。

――ホンイキ…?

かずま ホンイキっていうのは本番と同じ感覚で、涙も流してやるようなリハーサルのこと。その中で「ちょっと待って、もっとここ変えよう!」みたいなのが出てくるんよね。

――書くとどういう字ですか?

心 「本」番の「意気」込みやない?

かずま 「域」ちゃう?本番の域だぜ、っていう。

心 勝手に自分たちがホンイキって言うとるだけやけど…(笑)。

かずま 誰が決めたのか分からんけど、立ち回りの稽古とかでも手順を合わすとき、じゃあホンイキねーって言ったら、みんな「野郎―っ!」とか声出しながら、斬られたら「うわぁーっ」とか言いながらやる。

――その中で「これ、こうしよう」って提案するときは、そのシーンの稽古が一通り終わってから言うんですか?

かずま いや、俺はその場で言う。

心 ものによるかなあ。

――その場で言うとしたら体がせわしないですね。さっきまでお芝居の中にいたのに、スッと役をOFFにして「ここ変えよう」って言うわけですから…。

かずま あのね役者って案外、入り込んどるようで冷静でおらないかんから。どの役者さんもそうやけど。演じてる自分を、もういっこ引いて見てる自分が絶対おるから。

心 焦ってる芝居しようが、怒ってる芝居しようが、冷静でないと、芝居が成り立たん。っていうのは、何があるか分からんし、常に対応せなあかんし。

澤村心座長 熱い舞台をしながらも、常に心は冷静でいるという。
澤村心座長 熱い舞台をしながらも、常に心は冷静でいるという。

――それでは役⇔自分の切り替えは、感覚的にはそのままいけることなんですね…すごいですね。

かずま ベテラン級の人とかはもう本当にすごいよ。大川龍昇(おおかわ・りゅうしょう)先生(※)と一緒にやらせてもらったとき、その立ち稽古がすごかった。

※二代目 大川龍昇…元「大川劇団」座長。現在はゲストとしても多くの劇団で活躍。四兄弟の長男で、弟に紅あきら同魂会会長・椿裕二座長・三代目 大川竜之助座長。

かずま 『日光の円蔵』をしとったんよね。龍昇先生は「お前がこんな所にいるとは夢にも思わなかったぜ」とかってずっとセリフを喋ってて、形もきちんと取って――かつ同時に目でこっちのほうを見て、立ち位置合ってる?って目で確認してきたんよ。

――ええ! 1人の体に2人入ってるみたいですね!

かずま もうちょい動こうか?って目で確認しながら、ずーっとセリフを止めることがない。もうあのクラスになると神業やね、達人の域。役って、一つの役を100回演じてやっと自分のものになるっていうけど、その人たちのクラスって100回ってレベルじゃないよね。何千何回。もう、腹にセリフが入っとるから。

――ある意味、人間の限界みたいなところに行けるんですね…。

大衆演劇において「わかりやすく伝える」こと


このインタビューでは、ある芝居についてガッツリ話を聞きたかった。忠臣蔵シリーズの一つ、『御浜御殿綱豊卿』。もともとは真山青果による1940年の作品で、赤穂浪士の富森助右衛門は、仇討ちにそなえて吉良上野介の顔を確かめるため、お浜遊びをのぞき見しようとするが、徳川綱豊がその意図に気が付く…という内容だ。

筆者は、昨年2月の三吉演芸場(横浜市)で初めて春陽座の『御浜御殿』を観た。心座長演じる綱豊と、かずま座長演じる助右衛門の、言葉の応酬が続く。ひとことも聞き逃せない“ディベート劇”のような面白さがあった。そして、これも大衆演劇なんだ?!と驚いた。

――ひたすら言葉で腹の探り合いをする『御浜御殿』は、春陽座ならではのお芝居かと思います。

かずま あの芝居は本当に難しくて、慣れた今でこそ「あー明日『御浜御殿』か」みたいな感じやけど、以前は「明日『御浜御殿』ってマジか…」って感じで。

心 (うなずく)(笑)。

かずま 前日、夜の準備が終わって22時くらいやろ。明日の12時開演まで、あと14時間しかない!ご飯食べてお風呂入って、もう一回稽古して、あと10時間。舞台の上で寝てハッと起きて、ヤバいあと6時間!みたいな(笑)。いっつもこんなカウントダウンをしてたくらい。

――いつ頃からしているお芝居なんでしょうか。

心 やり始めたのは澤村劇団時代からやね。新吾先生は『御浜御殿』、それと同じ真山青果の『大石最後の一日』については「お客様の中には難しい、理解しづらいとおっしゃる方もいるかもしれない。ただ、役者としてやりたい」と。今はお客様に伝わりやすいようにセリフちょっとくだいてみたり、表現の仕方をだいぶ変えてるんやけど、最初はほぼほぼそういうこともしてなかったから。

――じゃあ今は当時のものと比較すると、だいぶ柔らかくなってるんですね。

心 今のは伝わりやすいと思う。澤村時代は僕が富森助右衛門で、新吾先生が綱豊をやってた。春陽座でやり始めてからは僕がずっと綱豊をやらせてもらってます。

――綱豊は日本学や武士道を信じて行動するので、「観念で生きてる人」っていう印象を受けます。主君が殺されたから仇討ちするみたいな、具体的な動機があるよりも、こういう観念的な動機で生きるって大変なんじゃないかと思うんですが…。

心 そうでしょうね~。

――心座長は、どうやって綱豊役を腹に落としたんですか?

心 う~ん、自分いう概念をまず捨てて、当時にこの役職に就くような武士は世間をもっと広い視野で見れるだろうなとか、そういう想像から役作りをして。映画を観て、本も読んで、歌舞伎も観て。あとはやってるうちにかな。

――9/15、浪速クラブ(大阪市)での「心様祭り」の芝居も『御浜御殿』でした。劇場の壁に貼り紙が貼られていましたね。


かずま これは俺が業者に作ってもらいました。あらすじの文章は、むちゃくちゃ簡単にかいつまんで短くして。

――お客さんが事前にあらすじを見てわかってもらえるようにってことを、すごく意識してらっしゃるんだと思いました。

かずま 特にこの芝居するときは、絶対わからん人もおるやろと。

――実際、浪速クラブのお客さんはどんな反応でした?

心 浪速クラブはむしろ、この芝居を観たいって言って来てくれたお客様が多くて。だから皆さんあれやったね、あらすじを調べてから来てくれた(笑)。

かずま たしかに、言葉とか色々難しいんよ。だからお客様に分かりやすいように、何言ってんのやろってならないように、意識して喋ってる。本来、歌舞伎でやってる『御浜御殿』はむちゃくちゃあっさりしてるから。

――え、そうなんですか?

心 うん、綱豊もあんなに力入れんしな。

かずま でも、そのやり方は大衆演劇では通じん。歌舞伎の場合は客席全員があらすじを知ってることが前提やん。ずっと続いてる芸能やから。その上で、尾上さんや團十郎さんや幸四郎さんや海老蔵さん、「この人のこの役ってどんなんやろ」を観に行くのが歌舞伎やん。でも大衆演劇は、お客様が観ながら話を理解していくから、あらすじを知らない人でもわかるように、かつ楽しめるようにやらないと。

――演じると同時に、お話を伝えなくちゃいけないんですね。

心 (貼り紙を指して)だからこれも必要やね。

かずま 『梅川忠兵衛』の封印切りにしても、歌舞伎では一回だけなんよ。(封印切りの仕草をして)パリーン、で終わる。みんなそこが山場ってわかってるものやから、切り餅(小判の包み)も一個だけで、ばらばらーっと小判が落ちて終わる。でも大衆演劇では一回だけやと場面の面白みが伝わらない。だから封印切りを3回やる!かつ、3回の切り方も全部変える。それで初めてお客様がワーッてなってくれる。

2017年3月、石川公演時のポスター。両座長が赤穂義士に扮している。
2017年3月、石川公演時のポスター。両座長が赤穂義士に扮している。

――“春陽座といえば忠臣蔵”というくらい、忠臣蔵の芝居をたくさん演じられています。2017年の劇団ポスターも、お二人が赤穂義士の格好をしたものでしたね。カッコよかったです。

心 あのときが一番、種類をやっとったか。

かずま 『大石最後の一日』『御浜御殿綱豊卿』『神崎東下り』『弥作の鎌腹』『立花左近』『赤垣源蔵』『内匠頭切腹』…7本やってたんやね。

心 3日続けて三夜連続忠臣蔵っていうのもやったことあるし(笑)。新吾先生が、忠臣蔵が大好きなんでね。もちろん僕らも好きです。やってるうちに好きになってきた感じかな。

――好きな忠臣蔵エピソードとかありますか?

かずま 『赤垣源蔵』スッキリするかな。討ち入る前のお兄さんとの別れがあって、討ち入った後に実は…っていうのも伝えられる。全部を演じられるというか。あとスッキリするのは『大石最後の一日』(春陽座での外題は『獅子達の最後』とも)。ただ重たいわな。

心 あれは、大石の中で一番難しいんちゃう?

かずま 難しい。大石内蔵助っていう人は頭がいいし、侍やし、忠義心があるし、何より、死ぬまでのことを考えてる人やねん。

――「仇討ちするまで」ではなくて、死ぬまで…?

かずま 仇を討つは通過点で、赤穂浪士全員が死ぬまでの形を通さんといかん。もし、赤穂浪士四十七人が全員、幕府のおとがめなしで無罪になったとしよう。でも四十七人の一人でも、俺たちすごいやろ、誰思うてんのや赤穂浪士やぞ、とか自慢するだけで、自分たちが本懐を遂げたことに対して傷がつくやん。大石はそれが嫌なんよ。潔く、全部終わったら殿の下へ。全員がきれいに追い腹してくれて、大石は「どうやらみんな行ってくれたようやな」って初めて嬉しさを見せる。最後の「殿、みんなを褒めてやってくだされよ」ってセリフはほんまにスッキリする。

――お話を聞いていると、忠臣蔵のお芝居って、本当は主人公に深い思慮があるんだけど、“周りからそのことが分からない”のがミソなんですね。だからこそ、最後の最後でこの人はこんなことを考えていたのかー!っていう驚きがある。『神崎東下り』も『赤垣源蔵』もその構造ですし。

かずま 忠臣蔵はそれが多いよね。というのは、赤穂浪士たちが黙っとったからやと思う。義士になっとるけど、現代において考えたらやってることはテロリストやからね。でも、赤穂浪士たちが本当のことを言わないで、黙って実行したから、昔の人も想像上で色んなこと考えるやん。こんなつらいことがあったんじゃなかろうか、こんなことを我慢してたんじゃなかろうか、苦労があって本懐を遂げたんじゃなかろうか。だから、いっぱい芝居が作られたんやろね。
澤村かずま座長 話を伺いながら、その心に芝居への思いがいっぱいに詰まっているのが感じられた。
澤村かずま座長 話を伺いながら、その心に芝居への思いがいっぱいに詰まっているのが感じられた。

舞踊ショーを華やかに!


――カッチリしたお芝居の一方で、5~6年前と比較して、舞踊ショーがすごく充実した、厚くなったという印象があります。

心 頑張ったな、かずまっち(笑)。

かずま (笑)。

――この数年で舞踊ショーを意図的に強化してきたのですか。

かずま してきたね。難しかった。座員も皆、役者やからもちろん華はあんねんけど、群を抜いたスター性を持っとる人がうちはおらんやろ。俺含めて。スター性って誰かっていったら、大川良太郎座長(劇団九州男)とか、桜春之丞座長(劇団花吹雪)とか、小泉たつみ座長(たつみ演劇BOX)とか、この人たちは一人だけでもドン!って成立する。お客様はそれだけで満足やん。こういう人がうちにはいないから、ショーをどうしようと悩んで、とにかく華やかに見せようと。群舞も入れて飽きないように。

――舞台上の人が全員違う色を着ていたりする群舞もあって、とてもきれいですよね。

かずま みんなそれ、必死。もう考えて、考えて。
群舞は色合いの美しさも見どころ。
群舞は色合いの美しさも見どころ。

――縁日(※)の企画はいつからですか?

※縁日…両座長とメンバーが、焼きそばやかき氷などを目の前で作って販売してくれるイベント。

かずま 何か面白いことをしようと思ったの。弁天座(奈良県)で初めてやったかな。他の劇団さんでも、座長さんが屋台で何か作って売ったりしてるって聞いて、じゃあうちは劇団皆でやったら面白いんじゃないかなと。


劇場の一番後ろまでお客さんが入り、大賑わいだった9/16の縁日。
劇場の一番後ろまでお客さんが入り、大賑わいだった9/16の縁日。

――芝居の上質さを保ちつつ、若い座員さんが増えるにつれて楽しく明るく!という要素も増してきています。

かずま 今は若い子たちが多いけど、昔は芸歴の長いメンバーがたくさんいて。その時代は、毎日芝居のプレッシャーがすごいあったね。自分の主役が回って来た日は、恥にならないように、ちゃんとせないかんって。

心 あったあった、もう必死やった。

かずま 先輩たちもおる中で、自分が主役で噛んだりとか台詞忘れたりしたら、もう(笑)。2回噛んだら主役は終わりやからね。常に余裕がなかった。でもあの時代があるから、今の自分たちがあるんよね。

――そんな今の春陽座の、ここを観てほしい!という部分は。

かずま まだまだな部分もあるけど、皆で一生懸命、頑張って良いものを作ろうとしてる姿勢は観てほしいかな。

心 皆の基礎レベルが上がれば、できることも増えるやろね。芝居にしても、ショーにしても。

かずま 個人力やね。今は若い子たちの個人力がまだまだやから。お客様がたくさん入る劇団さんは、見ててやっぱり若い子らもすごい!俺は芝居、まず芝居ありきやから、芝居をもっともっとレベルアップせんとね。

心 でも稽古では、新吾先生や僕らが教えるだけでなく、前までその役をやってた子が次の子に教えたりすることもあって、ほんとにみんなで良い芝居を作ろうとしています。若い子らにはまだ自分の色っていうものがないけど、成長とともに、それぞれの色が出るかなと。そしたら劇団の色も変わっていくやろね。
若手も元気な春陽座メンバー。上段左から澤村煌馬、澤村拓馬、北條真緒 中段左から澤村みさと、澤村かな、澤村姫々 下段左から澤村愛夢、澤村美樹、澤村みらい
若手も元気な春陽座メンバー。上段左から澤村煌馬、澤村拓馬、北條真緒 中段左から澤村みさと、澤村かな、澤村姫々 下段左から澤村愛夢、澤村美樹、澤村みらい

かずま 新吾先生が前ほど出られなくなって、心座長、俺、かな、真緒さん、今はこの4人を中心に芝居しとるけど、若い子らのうち誰かがグンと伸びて、ここにポンと入ってきてほしい。そしたら芝居の中心が5人になって、6人になって…。

心 そうやって良くなっていく春陽座を、ぜひ観に来て下さいね。

ライトなお芝居が好まれがちな時代にあって――春陽座のお芝居は“固い”だろうか? いや、たとえ難しいセリフの多い古典物でも、観客の胸までなんとかして届けようと、わかりやすくする工夫があちこちに仕掛けられている。また個人的には『八つき子』『夢の中の父子』のような、涙腺を刺激する人情芝居もおすすめだ。


いつ観ても、ああ素敵なお芝居だったな、と思って帰路に着くことができる。老舗の銘菓をいただくときのように。その中をそっとのぞけば、両座長とメンバーの「一生懸命」が詰まっている。

【インタビュー おまけエピソード】

筆者「気になっていたんですが、心座長はセロリが大の苦手と聞きます。なのに、ブログ名はなぜ『セロリのブログ』なんですか?」

心座長「苦手だからこそ何回か挑戦してて、あるときランチに入ってたセロリのムースを食べられたんです。その日にブログを始めたんで、セロリが食べられた記念にブログ名に付けようかなと…だからあれは食べログなんです(笑)」

両座長の個性あふれるブログもぜひチェックしてほしい。

心座長:澤村心 セロリのブログ
かずま座長:春陽座!澤村かずまのブログだぁー!3!
日々のお外題情報はこちら:春陽座情報

文・写真=お萩

当記事はSPICEの提供記事です。

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