みんなが最も行列に並んだグルメは? 衝撃を受けた飲食店は? 平成30年間を“外食グルメ史”で振り返る

ガジェット通信

2018/11/16 12:00



平成最後の夏が終わり、平成最後の秋を経て、これから平成最後の冬を迎えようとしています。平成という激動の時代を振り返るキーワードは様々ですが、今回は“外食グルメ史”からこの30年間をプレイバック

外食トレンドを調査・研究する機関『ホットペッパーグルメ外食総研』の上席研究員・有木真理さんと一緒に、平成外食グルメ史のアレコレを振り返ってみました。

平成30年間の外食トレンドを振り返る



――「平成」と一括りに言っても30年間で外食グルメのトレンドは目まぐるしく変化してきたと思います。

有木真理さん(以下、有木):この30年は今の世の中にある外食のスタンダードが生まれて定着してきた時代だと思います。バブル期の“イタ飯”ブームとともにイタリアンが日本に定着し、バブル崩壊期には食べ放題やカジュアルなビストロ形式のレストランが流行しました。ファミレスやファストフード、チェーンの焼肉屋などがブレイクしたのもその頃です。モンテローザが白木屋の一号店をオープンしたのが1983年ですが、1990年代に新店を続々とオープンして事業を拡大し、現在はグループで直営2000店舗を超えるほどになりました。

――世の中の景気やライフスタイルの変化が、その時々の消費行動に影響を与えてきたんですね。

有木:景気の低迷した2000年代は吉野家の牛丼が並盛一杯280円など、食のデフレ化が話題となりました。それ以降は食の個性化が進み、海外からのグルメが流入してバリエーションが豊富になるなど、飲食シーンに様々な変化が起こりました。

――2000年頃はマクドナルドのハンバーガーが平日65円だったりしたのを覚えています。確かに現在もそういったファストフードは重宝されつつ、近年は海外発の高級ハンバーガー店が続々と上陸してきましたよね。

有木:2000年代初頭までは雑誌やテレビなどのマスメディアの情報がグルメトレンドを生んでいましたが、昨今はSNSによる波及効果でブームが拡大するなど、広まり方も様変わりしています。食に限ったことではありませんが、消費者がお店を選ぶ際には個人の嗜好に合わせた選択が重視され、食がより多様化してきたのだと思います。『ホットペッパーグルメ外食総研』では毎年の流行グルメや外食トレンドを発表してきましたが、近年はその年ごとの傾向がつかみにくくなっているように感じます。

“体験”を重要視する時代に





――食の個性化という意味では、外食産業に様々な業態が誕生したのも特徴的ですよね。『ホットペッパーグルメ外食総研』で実施した「登場したとき衝撃を受けた飲食店は?」というアンケートでは、1位に回転寿司が選ばれています。

有木:回転寿司が初めて登場したのは1958年ですが、この業態が一気に広まったのは平成に入ってからです。スシロー、無添くら寿司、かっぱ寿司などが一皿100円を売りにブレイクしました。

――回転寿司チェーンはサイドメニューに力を入れたり、小さな子どもが楽しめるシステムを導入したり、どんどんとファミレス化している印象です。

有木:平成生まれの人たちにとっては、お寿司と言えば回転寿司がスタンダードと言う人も少なくないかもしれませんね。最近では職人が握ったお寿司をリーズナブルに楽しめる高級回転寿司が注目を集め、やはりここでも多様化の傾向が見られます。

――同じく多様化の結果、立ち食いのイタリアンやステーキ店、エンタテインメント型のレストランが誕生したのも近年ですよね。

有木:“俺の”系列が最初に立席のイタリアンをオープンしたのが2011年。いきなり!ステーキの一号店は2013年のオープンです。3位以降のロボットレストラン、忍者や監獄などをもとにしたコンセプトレストランについては、家庭の食事も充実してきた中で、外食に付加価値を求める傾向が強まってきたのだと思います。エンタテインメント型レストランの登場は、外でしか味わえない“体験”を提供することでその需要を満たし、いわゆる合コンなどの場面でも一役買ったのではないでしょうか。

最も行列に並んだグルメは?





※「ブームのピーク時期」は『ホットペッパーグルメ外食総研』調べ

――外食のトレンドで目に見えて分かりやすいのが行列です。ブームのたびにニュースなどで報じられてきました。「平成で一番行列したグルメは?」というアンケートを見ると、52.1%の人が「ラーメン・つけ麺」と回答して堂々の1位にランクインしています。

有木:ラーメンは不動の1位だと思います。平成という時代を通し、人気の外食として安定していました。平成初期はテレビで“ラーメン王”といった方々が活躍したり、関連書籍が爆発的に売れたりして、紹介されたお店に行列ができていました。そこからスープやチャーシュー、個々の食材にこだわる個性的なお店が次々と登場して、大盛りや激辛などもブームとなりました。

――ラーメンが“国民食”と言えるまでに広く親しまれて多様化した要因はどこにあると思いますか?

有木:やはり日本の食文化に欠かせない“出汁”にあると思います。ラーメンはスープが命とも言われますが、何時間もかけて出汁をとるとか、魚介とトンコツを合わせたWスープにするとか、その比率をどうするとか……、やはり日本人の繊細さがラーメン業界の進化・発展に起因しているのではないでしょうか。

――こだわろうと思えばいくらでも突き詰められる、というのが日本人の気質にマッチしているわけですね。香川県の讃岐うどんブームも懐かしいのですが、ドーナツ、パンケーキ、かき氷、ポップコーンなどは、先ほどお話があったようなSNSが火付け役になっていますよね。

有木:そうですね。それから、クリスピー・クリーム・ドーナツやパンケーキのbills、ギャレットポップコーン、コールドストーン、かき氷であればyeloやアイスモンスターなど海外の人気店が日本に上陸したことで話題になったというのも共通しています。直近で流行ったものが多くランクインしているのは、何かが流行り始めてから本格的にブレイクするまでのリードタイムがすごく短くなっているんだと思います。その点はSNSの影響が強いと言えそうですね。

――平成が終わり、今後の外食産業はどのような潮流が見られると予測されますか?

有木:やはり多様化がより進んでいくと考えます。今後もSNSが生活に密着したものになると想定すると、何かがブームになって文化として定着する、あるいは消えていくまでの期間がどんどんと短くなっていくと思います。多種多様なトレンドが生まれるなかで、自分に合ったものを取捨選択していく、多品種少量生産の時代がやってくるのではないでしょうか。

――狭いコミュニティのブームがいくつも乱立する時代というわけですね。本日はありがとうございました!

有木真理さんプロフィール






リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めると共に、『ホットペッパーグルメ外食総研』の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成や更なる外食機会の創出を目指す。自身の年間外食回数300日以上。ジャンルは立ち飲み~高級店まで多岐にわたる。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがうりで1日5食くらいは平気で食べることができる。


―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』

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