『今日から俺は!!』この作品は人気俳優たちが渾身の力を振り絞った“コント”だ

テレビドガッチ

2018/11/10 11:00

近所に都内で有名な魚屋さんがあって仲良しなのですが「今年は牡蠣がいいよ! 大きくて安いから!!」という情報をキャッチ。過去、牡蠣には2回当たって救急病院送りにもなったことがありますが、それでも熱血な牡蠣ファンです。今年はどれくらい食べられるのか。

さて今回は『今日から俺は!!』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)について。このコラムで何回も使ってしまいそうな言葉ですが、本当に「面白い」。このドラマ放送枠は月曜から働く人たちに向けてやる気を出してもらおう、というコンセプトだそうです。それにふさわしい、1980年代を舞台にしたヤンキードラマ。私なりに発見した見どころをお伝えします。

■3分間に一度は吹き出してしまう、ギャグの猛追

現代っ子は知らないであろう、ツッパリ=ワルの中高生たちが全盛だった80年代がドラマの時代設定だ。転校を機にツッパリデビューを果たした金髪の三橋貴志(賀来賢人)とリーゼントの伊藤真司(伊藤健太郎)。悪くなってみたら、実はめちゃくちゃケンカが強かったという2人。他校のツッパリたちと揉めたり、恋をしたりと青春期を過ごしていく。

……というのが大まかなあらすじ。でもこのドラマに至ってはもう一話完結のコントドラマだと思って欲しい。何話から見ても確実に笑う。

まず注目ポイントは「人気俳優&女優たちがふりきったギャグで笑わせてくれる」こと。主演の賀来賢人さんをはじめ、とにかく今人気の演者が集結している『今日から俺は!!』。伊藤健太郎さん、橋本環奈さん、清野菜名さん、太賀さんと主演クラスの若手くんたちが冗談ではなく3分間に1回のペースで笑いを仕掛けてくる。基本はツッパリ同士の争いと、恋愛ごとがストーリーのメイン。特に恋愛沙汰が楽しい。ワルという立場とは裏腹に全員がむちゃくちゃピュアなのだ。

片思いの相手に知らんふりをされても「振られてねえし!!」と意地でも認めない。どうやら他校の女子生徒を好きになってしまい、右利きがいきなり左で箸を使ってしまうほどゾッコンなのに「好きじゃねえし!!」と認めない。自分の恋心をツッパるのが彼らの作法なのか。

それでも両思いになるとツッパリから態度は一転「大ちゅき❤︎」と、放課後は喫茶店でデートである。メニューはレスカ(レモンスカッシュ略)かチョコパフェで決まりだ。

中でも一番はっちゃけてツッパリを演じていると推したいのが、早川京子役の橋本環奈さんだ。初めて彼女を知った時、「世の中にこんな“可憐”と言う言葉が似合う女の子がいたのだろうか」とうっとりした。が、今回はキレ出すと男もぶっ倒すほどのスケバンを演じている。そのうえ、あの可愛い顔なのに白目を剥く。でも大好きな伊藤くんの前ではぶりっ子になる。たった1時間の放送なのにメンヘラなのかと思わせるキャラの変化に、彼女の女優魂を感じてしまう。

ちなみにケンカシーンが多いのがこの作品の特徴でもあり、出演者は血まみれになっているけれど終始、笑いにまみれているのでバイオレンス感はゼロ。安心して視聴してほしい。

ただ立っているだけでカッコよくて、そして美しい面々が芸人顔負けのギャグを仕掛けてくる。それだけでも十分に見る価値はある。

そしてもう一つの注目ポイントは「キャラクターのビジュアル」。20~30代の皆さんには戦闘服にしか見えないかもしれないが、80年代には制服を改造して着るのがカッコよさの象徴だった。異常に長いスカート、ボンタンと呼ばれる必要以上に太いズボン。女子は全員風に髪がなびいた聖子ちゃんカット。

当時スケバンのお約束だった真っ赤なリップは今、スタンダードになっているので“流行は繰り返す”とは本当だと思う。そういうファッションチェックもできるのが面白い。両親世代には懐古、現代には新鮮な作品なのだ。

と、作品をベタ褒めしたところで最後に私がこのドラマを好きな個人的な理由がある。それは舞台が千葉県だということだ。記憶をたどると千葉県・木更津市を舞台にした『木更津キャッツアイ』(TBS系、2002年)を思い出した。余命宣告をされたぶっさん(岡田准一)を中心に、男5人の友情やくだらない毎日がひたすら描かれていく作品がものすごく楽しかった。ストーリーの逆再生があって新しさもあった。とにかくクスクス笑っていられたのだ。

実はこの撮影現場には仕事で関わらせてもらう機会があった。都内から木更津まで何度も通うのは大変だったけれど、作品に深く入り込むことが編集者として初めてだったので格別の思い入れがある。よく「今まで見たドラマで好きな作品は?」と聞かれることがあるけれど、そのたびに『木更津キャッツアイ』の名前を挙げるほどファンなのだ。

「ドラマを観る!」と敢えて構えずに、とにかく1時間気を抜いていられるという点では2作品とも似ている。そこにある若者のワチャワチャ感が可愛らしく、観たら日曜の夜を楽しく締めくくることができるはずだ。

(文・スナイパー小林)

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