乳がんの“しこり”は石のように「硬い」。自己触診がほんとに大切

マイロハス

2018/11/9 21:45


「乳がん」になる人は、この40年で約7倍にも増加。いまでは10人に1人が乳がんになるといわれています。多くの「がん」は年をとるほど増加しますが、「乳がん」は女性ホルモンが影響するので20代から増えはじめて最初のピークを迎えるのは40代後半です。
10人に1人が乳がんになる
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全世代でみると喫煙や飲酒など生活習慣のよくない男性のほうが「がん」になりやすいのですが、若い世代、30代に限ると女性は男性の2.5倍、なかでも最多は「乳がん」なのです。

初潮から閉経まで。生理がある=乳がんになりやすい時期

妊娠経験が少なくなると、乳がんリスクが高くなる
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「乳がん」について正しく理解し、関心を高めるために、厚生労働省とがん対策推進企業アクションが主催するセミナーが開催され、がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード議長で東京大学医学部附属病院 放射線科准教授の中川恵一先生とアイドルグループSKE48チームSの元メンバー矢方美紀さんなど、乳がんサバイバーによるパネルディスカッションが行われました。

「乳がんが増加している最大の要因は、少子化です。妊娠・出産・授乳期間は2年以上生理が止まりますが、妊娠経験が少なくなると、生理の回数が増えて乳腺が女性ホルモンにさらされる期間が長くなる。だから、乳がんのリスクが高くなるのです。現代女性の生涯月経回数は450回、対して100年前は平均で7人子どもを産んでいたから85回しかなかったんです」(中川先生)

出生率の低い東京は乳がんになる人が多く、出生率の高い鹿児島の2倍近くなのだとか。生理がある期間は乳がんが多い時期。子どもを産むかどうかは個人の自由意志ですが、子どもを産まないことで乳がんのリスクが高まることを自覚しておかなければなりません

がんの“しこり”は石のように「硬い」

乳がんの自己触診
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乳がんの細胞は発生してから分裂を繰り返し、発見できる1cmの大きさになるまで約15年かかります。ただし、1cmのがん細胞が2cmになるまではたったの1年半。1cm~2cmの間に発見できなかった場合は、その後スピードを増し、進行がんとなってしまいます。がん全般では「生活習慣と早期発見」が大事ですが、乳がんにおいては1cm~2cmの段階で早期発見するために「自己触診とマンモグラフィー」がカギを握っています。

「レントゲンなど検査機器のない江戸時代、がんといえば乳がんのことで、触ると硬いから『乳岩』と書いていました。セルフチェックのポイントは、触って硬いものがないかどうか。がんは細胞が密になるから、とにかく硬いということを覚えておいてください」(中川先生)
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セミナーの会場には、しこりの硬さを確認できる乳房模型がありました。指の腹を使って「の」を書くようにゆっくり押していいくと、しこりを発見。実際に触ってみると、かなり硬いものがあることがわかりました。中川先生の「とにかく硬い」というお話にとても納得でした。

生理の1週間後にセルフチェックの習慣を!

  1. 鏡の前で自分の胸を見る
    お風呂に入るときなどに、鏡の前で腕を上げ下げするなどして、ひきつりやへこみがないか確認します。
  2. 乳房を触ってみる
    指をそろえ、小さな「の」の字を描くように乳房の先から乳輪に向かって触りもれがないよう全体を触ります。とくに外側上部(脇に近い部分)の発生頻度は47.6%と高いので念入りに。
  3. 乳首をつまむ
    最後に軽く乳首をつまみ、出血や分泌液がないかをチェック。

乳がんの発見は56%がセルフチェックで異常を感じたことがきっかけです。20代の矢方さんもそのひとり。昨年12月にしこりを発見し、今年1月に乳がんと判明。リンパ節にもがんが転移していることがわかり、左乳房を全摘出されました。

「タバコは吸わないし、お酒も飲まない。何よりまだ20代だから自分は大丈夫だろうと思いつつも、乳がんについて取り上げているテレビ番組を観てセルフチェックをしてみたら、左胸の上のほうに硬いしこりを見つけました。まったく痛くはなかったんですが、調べてみたら乳がんでした」(矢方さん)

矢方さんのように、がんは痛いものと思いがちですが、がんで痛みを感じるのは、かなり末期に出る症状なのだそう。「がんについての誤った思い込み」が日本人には多いようです。

日本人のヘルスリテラシーが低いわけ


「平成21年の内閣府調査で、『がんを予防するためにどのような対策をしているか』という質問に対し、焼き肉などで『焦げた部分を避ける』という答えが1位でしたが、毎日何トンというありえないくらいの大量摂取をしない限り影響はありません。同様に放射能も被爆か被爆じゃないかと考える人が多いけれど、放射線治療があるくらいですから要するに“量”の問題。日本人は“量”の感覚がなさすぎます」(中川先生)

ほかにも「紫外線を浴びると皮膚がんになる」というのは紫外線が少ない地域で進化してきた白人についてのデータであって、日本人の場合は少し日の光を浴びたほうが皮膚内で体内合成をしてビタミンDを生み出すので骨が強くなり、がんを防ぐそうです

体や健康に関する知識「ヘルスリテラシー」の調査では、日本は対象国の中で、インドネシアやベトナムよりも低い最下位。当然、がんについての知識も低いのです。

学校で始まったがん教育への取り組み

学校で始まったがん教育
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「とくに、がんについての知識が諸外国に比べて低いのは、これまで学校で習ってこなかったからです。昨年4月からようやく全国の小中高でがん教育の取り組みが開始され、学習指導要領にも明記されました。今後、子どもたちはがんについての正しい知識を身につけていきますが、問題は大人たちへのがん教育です」(中川先生)

「がんは不治の病」「がんは痛い」「焦げを食べたらがんになる」などといった誤った知識を持ったまま、生活習慣を見直さない大人たちの意識改革がいま急がれています。世界一の長寿国である日本は、世界一の「がん大国」。日本人男性の3人に2人、女性は2人に1人が生涯何らかの「がん」になります。今後ますます増えていくことが予想されるなかで、がんは決して「他人ごと」ではありません。

早期発見さえすれば、9割以上は治るがんについて、正しく理解し、生活習慣を見直すこと。とくに自己触診できる乳がんは、メイクファッションと同じくらいに意識して、セルフチェックを習慣化したいものです。

お話を伺ったのは
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中川恵一先生 がん対策推進企業アクション アドバイザリーボード議長、東京大学医学部附属病院 放射線科准教授、厚生労働省がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会委員、文部科学省「がん教育」の 在り方に関する検討会委員。

矢方美紀さん 女性アイドルグループSKE48チームSの元メンバー。同チームではリーダーを務めていた。2017年12月に左胸にしこりを見つけ、周囲に相談して病院で検査。2018年1月に乳がんと判明し、リンパ節にがんが転移していることも分かる。3カ月後に医師と相談して左乳房を全摘出した。

【「IPU」を10名様にプレゼント!】実際の乳がんの硬さや大きさがわかる!

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乳がんの硬さや⼤きさを「触って」確かめられるグッズ「IPU(イプ)」。アメリカ対がん協会から特別に許可を得て作成されており、現在は埼⽟県の 「NPO 法⼈くまがやピンクリボンの会」が製作・販売しています。キーホルダー型で、直径5mm、約1cm、約2cmのビーズがレイアウトされています。このビーズの触り心地が、実際の乳がんの硬さや⼤きさなのだそう。今回、このキーホルダーを10名様にプレゼントします。実際の感触を試し、乳がんへの正しい知識を身につけてみませんか?

【応募方法】件名を『マイロハス 乳がんチェックグッズ「IPU(イプ)」 読者プレゼント応募』とし、お名前、マイロハスに今後期待することを明記の上、下記メールアドレスへご応募の旨をお送りください。当選者の方には後日、お届け先などをおうかがいするメールをお送りいたします。
【応募メールアドレス】info_mylohas@mediagene.co.jp
【応募締切】11月23日中

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がん対策推進企業アクション

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